アムリタ〈下〉 (新潮文庫)

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著者 : 吉本ばなな
  • 新潮社 (2002年9月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359151

アムリタ〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 琴線に触れるフレーズがいろんなところにあった。以前はあまりどうとも思わなかった作家さんの作品を読み返して、今の自分の心にじんわりと染みこんできたことに気づき、驚きとうれしさを感じました。

  • 『 会いたい。
    会って、いろんなことを話したい。
    話したい、という気持ちを
    持ち続けたい。
    はぐれたくない。
    いつも伝え続けたい。
    だれにもわかってもらえなくていい、 この気持ちを。
    でも、伝えようとしたい。 』



    『ああ、なんて人間って
    ばかばかしいんだろう。
    生きていくということや、
    懐かしい人や場所が増えていく
    ということはなんてつらく、
    切なく身を切られることを
    繰り返していくんだろう、
    いったいなんなんだ。

    夢の勢いにかられるように
    ただただ、そう思った。 』

  • 自分の日記を読んでいるようだった。
    生きるって、当たりまえのことだし、毎日が楽しいわけじゃないし、地味なことだし、思い通りじゃないし、無性に涙がでるし、ただ生かされていると感じるときもあるけれど、
    それでも生きるって、あたたかい光に満ちているんだ。

    水みたいに、日の光みたいに。
    定期的に読み直して、人生の糧にしたい作品。

  • 当たり前のように生きていることが、実はすごく微妙なバランスの上になりたっていて、とても危うい世界の中を、奇跡のように歩いているんだ という気持ちになる小説。
    過去の 良いことも悪いことも すべて繋がって今の自分を作っている。目の前を流れていく膨大な出来事を ひとつひとつ 丁寧に手ですくって そして手放していく そんな連続が人生になっていくんだなあ と

  • 感想は上巻と同じ。
    まだ「アムリタ」と「キッチン」しか読んだことがないけど、彼女の作品は設定や話の流れはそれぞれ違えど、書かれてる内容はどれも同じなのかな。
    引用になってしまうけど、こんな悩みや不安や自分自身のテンションの上下に日々振り回されて、「もう生きていくのがめんどうくさくて死にたいような気もするし、面白いから続けたいような気もする」し、生きていくってその連続なんだな、って彼女の作品を読むと強く思う。
    今回はそのことを語るのに、あまり私が得意としない、霊感やスピリチュアルといったものが用いられている。でもそれを用いたところで現実味が薄れることなく、描かれているのはあくまでも日常やリアルな感情の描写。不思議なよしもとばななマジック。やっぱり好き。

  • ばななさんの作品はかれこれもう20年近く読んでいるだろうか。その特徴はというと、どれを読んでもいっしょ、ということかもしれない。そういうと聞こえは悪いのだが、もう少しいい言い方を選ぶと、多分彼女はずっとひとつの物語しか描いてこなかったのだと思う。それは自分の家族や奥さんや彼女を愛して、毎日楽しく生きなさいということなのだが、こうやって口に出すとあまりに単純で恥ずかしくだからこそ、さりげなくそれを伝えるよう彼女は作家として出来る限りの技巧を凝らし、様々な物語を用意しているのだろう。

    この作品に出てくる人たちは様々な能力を持っているがそれに惑わされてはいけない。霊感、スピリチュアル、超常現象など、口に出すといかがわしいことこの上ない世界なのだが、そういうことばっか好き好んで、口にする女の人今まで数多く見てきたが、そんなものは表象に過ぎずばななさんが言いたいことはもっと根源的な基本的なことなのだ。

  • 再読、その二。
    朔美は、ふとしたきっかけで記憶をすべて取り戻す。
    弟は別の学校へ編入。純子さんの裏切り。竜一との流れていく関係。メスマときしめんとの一期一会。そして父親とのささやかな思い出の喫茶店。
    どんな状況の中でも、日々は進み、そのなかでの繰り返しのいとおしさ。その強さ。
    吉本さんの大事なものがしっかり詰まっている一冊。
    文庫のあとがきがすき。

  • 読了

  • 起承転結の無い小説だなぁと思った。起、転、転、起、転、転、承が無いまま結、と思いきやまた起に戻りました?という風な。主人公の人生の内、特別に波瀾万丈だった期間のみをザクッと切り取って、「ストーリー」というものを考えずに起きたことを起きた順にそのまま綴っていったという風な。人生は、起承転結、と分かりやすく転がるものではないので。転らしい転を迎えぬままあっさり結ぶ場合もあると思うので。起の次にいきなりものすごい転がきてその後細長~く結る(けつる。造語です。結の現在進行形的なイメージ。)ということもあると思うので。
    そういう意味において、人生ってこうだよなぁ、と、フィクションらしいフィクションにも関わらず生々しく迫ってくるような、不思議な感じのする作品です。そういう印象を与えたのは、何より最終章「何もかわらない」の存在が大きい。そうそう、人生ってそういう感じ。よしもとばななさんも、「日常にオチはない」と言っている。私も強くそう思います。

  • サイパンの心地よい生活、そして霊的な体験。親しんだバイトとの別れ。恋人は帰国し、弟は家を出る。そして、新たな友人たちとの出会い
    生と死、出会いと別れ、幸福と孤独、そと両極とその間で揺れ動く人々を、日々の瞬間瞬間に見つけるきらめきを、美しさを、力強く繊細に描き出した、懐かしく、いとおしい金色の物語。

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サイパンの心地よい生活、そして霊的な体験。親しんだバイトとの別れ。新しいバイトの始まり。記憶は戻り、恋人は帰国し、弟は家を出る。そして新たな友人たちとの出会い-。生と死、出会いと別れ、幸福と孤独、その両極とその間で揺れ動く人々を、日々の瞬間瞬間にみつけるきらめきを、美しさを、力強く繊細に描き出した、懐かしく、いとおしい金色の物語。定本決定版。

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