なんくるない (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2007年5月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359298

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なんくるない (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • どこまでも続く真っ青な空。

    強く照りつける日差し。

    キラキラと輝く
    エメラルドグリーンの海。

    日に焼けた肌の痛み。

    秋の匂いと
    そこはかとなく漂う淋しさ。


    まるで沖縄にトリップしたかのように
    ゆったりとした時間の流れさえも
    肌で感じられるこの心地よさ。


    崩壊した家族を離れ
    沖縄で暮らす少女の成長を描いた
    「ちんぬくじゅうしい」

    30代後半の恋人同士と
    那覇の浜辺に暮らす
    仲睦まじい夫婦の
    儚くも夢のようなひとときを描いた
    「足てびち」

    離婚の傷を引きずるイラストレーターは
    ふらりと入ったイタリア料理店で
    運命の男トラと出会う…
    「なんくるない」

    父と共に自転車で放浪する少女に
    翻弄される旅行者の男を描いた
    「リッスン」

    など沖縄を舞台にした4つの短編集。


    ばななさんの小説の魅力は
    想像力の余白を残した文体だと思う。

    どんな匂いなのか
    どんな風が吹いたのかを
    切なさを内包した独特な言い回しが
    読者の想像力を育んでくれる。

    そして
    悲しくて切なくて
    幸せだったひとときを描くのが
    本当に上手い。


    実話だという
    未来少年コナンの
    コナンとラナみたいな自然と対になってる夫婦の揺らぎない強さや、

    バカ正直で純粋な
    ダメ男のトラの優しさ、

    放浪する少女の
    片方の目がうんと細くなる笑い方にも
    否応なく惹きつけられてしまう。


    涙が出るくらい美味しい
    おばさんが作ってくれたオムレツ。

    ゴーヤーチャンプルーにソーキそば、豚足(足てびち)、魚のマース煮、泡盛、アメリカ風ピザなど、
    食べることが好きな
    ばななさんだけに
    この小説でも
    様々な料理が人を繋いでいく。



    トラ、俺も思うよ。

    悲しいことやツラいことや
    見えない悪意が人生にはふんだんにあって
    それと戦うために、

    人は好きなものや
    好きな人を沢山作って
    自分の「好き」を武器に
    運命と戦っていくもんなんやって。

    ちっぽけでくだらない自分の人生を
    誰にも渡さないために。


    沖縄の匂いを感じたい人や
    旅人の気分を味わいたい人、
    都会のサイクルに疲れてる人、
    オススメです。

  • 沖縄を舞台にした4つの物語。

    久しぶりのばななさん。
    ゆるやかに時間が流れる沖縄で、ばななさん特有の色彩豊かな物語でした。全ての物語の根底にある、ぽつん、とした空気感が沖縄の風土と意外な程合って新鮮でした。
    どれもすこしだけ、ぎゅっと胸が締め付けられます。

    自分の力ではどうにもならないことは、たくさんあるけど、そんな「なんくるないこと」に対して、なんくるない、と言ってくれる自然な優しさに癒されました。
    ばななさんの描写は、とにかくいつも優しくて、ばななフィルターを通して見た世界が大好きです。

    「目の前に広がる景色があまりにもきれいすぎて、その透明な水の中に住んでいる魚たちの色がまるで宝石みたいに海にちりばめられているさまも、空と海が混じることなく似た色でどこまでも続いていることも、悲しく思えた」
    なんて、きれいな言葉。胸がぎゅっとします。

    私は沖縄に行ったことがありませんが、沖縄に魅了された友人はみんなこぞって沖縄に通っています。1度行ったら満足、というのではなく、何度でも行きたい、むしろいっそ住み着いてしまいたい、という魅力に溢れている土地なのでしょうね。

    読んでいて心が浄化されるかのようでした。
    ひさびさのばななワールドを堪能できました。

  • 沖縄旅行のお供に購入。「ちんぬくじゅうしい」は好きだったが、他の作品はなんとなくむかむかした。よしもとばななの作品に出てくる浮世離れした自然体のひとたち、素敵だなあと思える時期もあったがいまはなんとなくいけ好かない。「沖縄のパワー」とかいうのもよくわからない。わたしはどんなに病んでいたとしても都会の中でくさくさしながらなんとか生きているひとたちが好きだ。

  • 何かを求め、何かに惹かれ、何かを棄てに、沖縄に旅する人の物語4篇です。

    ふらりと入ったイタリア料理店で知り合った頼りない年下の男との恋、
    両親の離婚を機に、沖縄のおばに預けられた女性の回想、
    海辺の家でシンプルに暮らす、この組み合わせしかない夫婦、
    父親に付き合って自転車で旅する少女との、浜辺での対話。

    旅先で何かを求めて訪れたところで、答えはありません。

    土地の光景に出逢い、その土地の人ならあたりまえに持つ視線とか、自分が知らずしらず抱えていたこだわりを気づかせてくれます。

    「かけがえのないことはどんどん変化していく」

    周りの人との何気ない日常のひとこまも、その人と離れてしまったり、その人の気持ちに重ねられる歳になったりすると、その情景の色合いは、セピアに褪せるどころか、豊かに彩りを増します。

    旅先でそんなことを想い起こす場面に出逢えたら、旅の Fine Play です。

  • 私はまだ沖縄に行ったことがありません。
    よって、この本を読むと、
    未知の沖縄への憧れが湧き起こります。

    好きなのは「足てびち」。
    切ないのですが、すてき。
    ああいう夫婦がいる土地だとしたら、
    本当に沖縄はすてきな土地だと思います。

  • なぜこの人は

    私が上手に表現できない心の声を

    こんなにもぴったり、あらわしてくれるのか。

    心と素敵な言葉が結びついただけでも

    とても満足いく一冊ですが、

    沖縄のやさしくて、力強くも美しい自然と

    独特のゆったりした人の良さを

    ふんだんにちりばめてあって、

    沖縄がただ単純に
    「狂ったように働く日本人にとってのオアシス」という印象でなくて

    「現代社会で生きていくために必要なものが見つかる場所」

    っていう人が浄化されてく感じを書いてるところがすき。

    個人の恋愛にとどまらず、

    家族や人間関係に関する問題を風刺してるとこも相変わらずで

    精神的に成長していく過程が

    これまで私が経験してきたことに

    かなり近いところまで

    ピタッと確かな言葉で代弁してくれてる。

    沖縄に行きたくなることはいうまでもないけど。

  • この人の本は常にタイミングがよければ上手くいくことをいっている気がしてならない。
    まぁおもしろかったけどね

  • よしもとばななさんの作品で、「なんくるない」が二番目に好き

  • <ちんぬくじゅうしい>
    「母のおなかの中にいたことがあるのは家族で私だけだった。」
    「明日どうなるかわからない、今いっしょにいる人に優しくあろう、でもできる範囲でね、」
    「くだらなければくだらないほどすばらしいのよ。あとになってみるとね。」
    「かけがいのないことはどんどん変化していく。」

    <足てびち>
    「奥さんをお母さんにしてしまっていない男の人は、いつまでもどことなく『男の子』と呼びたくなる雰囲気を持っている。」

    <なんくるない>
    「なにがあっても私を好きで許しているはずの、家族だった人が、私と別れてもいいと思ったのだ・・・」
    「寝て起きるってすごい癒しだなあ」
    「なんだ、みんな無理しているだけで、ほんとうはきりきりしたくないし、人と笑いあいたいし、おいしいものをゆっくり食べたいし、金色に照らされて子供みたいな顔がしたいんじゃないか。なんのために無理をしているのかわからないけれど・・・」
    「ひとりだと、ちょっとしたことをしゃべりあう人がいないから、かえって五感が研ぎ澄まされる。」
    「人間ってそんなにがんばれないものだから・・・。そして、がんばるために生まれてきたわけじゃないから。」
    「ピンキーちゃんが来て、嬉しく思ってれば、連れてきたといっしょなんだよ。これからはずっとそうなんだよ。すごいよな。どこへ行っても、ピンキーちゃんが嬉しかったら、お母さんも嬉しいんだよな~。そう思うと死ぬのもこわくないよな。」

  • 相変わらずのよしもとばななワールド。沖縄を舞台とした短編集。

    表題作「なんくるない」がだんとつで良かった。沖縄に行ったことはないけれど、暑い空気と広い海と、潮風の香りを感じられるようだった。

  • 初めて読んだ時はさほどよさがわかりませんでしたが、時間が経つにつれて、よさがわかってきました。無理にがんばらずに、でも信念を持って生きる人たちの話だと思います。

    単行本の帯には、「どうにかなるさ、大丈夫」と書かれていて、いつも煮詰まったときに見るとすごくゆるみます。

  • 最後数ページの主人公が自分の感覚に確信と自信を取り戻す文章が気持ちよい。

  • 私の思うよしもとばななさんの良さが詰まった短編集だった。これから沖縄に行くから気持ちがより高ぶったのかも。また読むと思う。人の気持ちって生き物なんだって思った。

    2016.4.18

  • 夏が来ると読むよ

  • 久しぶりにばななさんを一冊読んだ。やっぱり言葉の選び方や空気感が好き。沖縄もいい。

  • よしもとばなな、少し重くなってきた最近。
    ちょっと難しかった。

  • 沖縄を舞台に4つの物語。ゆったりとした沖縄の海や空のようなお話。まっいいかな生き方ができたらいいな。せっかちでこうあるべきと思いがちな私は。

  • 露骨さが上品ですらあるのは、
    文章の背景に、抜けるような青空が見える気がするからかなあ

  • 作者にとって、沖縄はすごいパワーを持っている場所ということが伝わってきた。

  • この本は、作者のばななさんが「あなたは絶対に沖縄が好きだ」と事務所のスタッフに言われて沖縄に行ったことで生まれた本らしい。「キッチン」と同じく大切な人との別れや、その死と、そこからの再生の物語だが、この小説ではそこにキーワードとして「沖縄」が入ってくる。傷ついたり、都会の生活で何かがずれてしまった主人公たちが、沖縄の独特の自然や人間の温かみのなかで癒され、再生していく物語。こんな小説を読んでしまうと、自分も死ぬまで一度沖縄に行ってみたい気分になる。

  • 図書館で。単行本で一度読んでいて、もう一度読みたくて借りました。大好きな沖縄の風を胸一杯に満たせました。宝物のコトバが敷き詰められていました♪

  • 沖縄には、何かがあるのだ。人を救う、何かが。

    「ちんぬくじゅうしい」「足てびち」「なんくるない」「リッスン」の4作が入った短編。沖縄は、何かが違う。それは独特の文化だろうか。南の島だからだろうか。

    「ちんぬくじゅうしい」では、那覇のおばさんのことばが、「足てびち」では、沖縄の友達とその奥さんの姿が、「なんくるない」では、沖縄で出会った年下の青年トラが、「リッスン」では、浜にいた女の子が、それぞれの話の主人公を救ってくれる。都会と沖縄、という対比で語るとあまりにもあまりかもしれないが、沖縄には何か人間をまともにさせる力を感じる。

  • 正直、イマイチだった。
    言い表せない繊細な心の機微を、丁寧に言葉でカタチ創るばななさんの作品が好きなのだけれど、どうもしっくりこなかった。
    沖縄という舞台をテーマに無理やり物語を詰め合わせた感が否めない。
    受け入れ側(私自身)の状態にもよるのだろうか、兎にも角にも今の私が浸かれる作品ではなかった。

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沖縄には、神様が静かに降りてくる場所がある-。心ここにあらずの母。不慮の事故で逝った忘れえぬ人。離婚の傷がいえない私。野生の少女に翻弄される僕。沖縄のきらめく光と波音が、心に刻まれたつらい思い出を、やさしく削りとっていく…。なんてことないよ。どうにかなるさ。人が、言葉が、光景が、声ならぬ声をかけてくる。なにかに感謝したくなる滋味深い四つの物語の贈り物。

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