みずうみ (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2008年11月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359328

みずうみ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • この本を買うことにしたのは表紙が綺麗だなっと思ったことと安かったからだ。近くに古本屋さんが新しくオープンして50円で売っていた。
    よしもとばななさんの本は「キッチン」だけ読んだことがある。かなり前なので曖昧だけど自分の中で良いなっという印象だけは記憶に残っている。
    この本も読んでいるうちにどんどん引き込まれていった。主人公のちひろは少し変わった境遇で育った。バーのママと地元の有名な社長という組み合わせだ。その上結婚しなかった。でもそこにはしっかり愛があり、幸せであった。
    ママが死んでしまってからぽっかり穴が空いてしまったところを中島くんが埋めてくれた。実はお互いに足りないものを求めあってるだけだと思うけれども。
    中島くんは小さい頃にある団体に誘拐され、洗脳された。その影響が大きいのか色々なトラウマがあったり精神的に不安定になることがある。人からも距離をとって接する。
    一番思ったことがちひろには中島くんがいないとダメだし、中島くんにはちひろがいないとダメなんだなってことだ。一緒に過ごしていくうちにそうなっていったんだなと思う。ちょうどパズルのピースが揃ったみたいな感じだと思う。
    過去には色々あって辛くて寂しくて死にたくなったこともあっただろうけどそれも分け合って生きていくんだろうな。

  • 壁画画家のちひろと、
    中島くん。

    中島くんは過去に誘拐されて、そのときの傷で脆い。

    ゆっくり時が流れて行く小説。

  • 10.19 帰りの電車の中

  • 特別な関係のふたり。こんなの恋愛じゃなくてボランティアだ、なんていってるちひろちゃんが可愛かった。恋愛っていってもカップルごとにいろんな形があって全部違う人間の組み合わせだから、お互いがリンクする幸せのかたちもそれぞれ違う。この2人ってなんだか特別だなって思って読んでたけど、途中から普通ってなに?って思えてきた。話を引き出してスッキリさせてあげるのも愛情、なにも聞かずにそっとしてあげるのも愛情。
    この2人の間には、相手に対する欲がない。こう接してほしいとか、こういうとこ直してほしいとか。ありのままの相手を見守ってて、相手の幸せを心から望む。親子愛や兄弟愛に近いものも感じた。
    お互いがそういう人間だからこそ成り立つ関係性。自分の今と照らし合わせて、ちひろが中島くんに対する気持ちなんか、結構共感する部分が多かった。このストーリーに今の自分を肯定されたようで良い気持ちになった。

  • ちひろと中島君の再生の物語。
    人間はどんな素晴らしい生き方をしていても、長く生きていればどこかに綻びや不完全なものがある。この2人はその綻びが、人より多少大きかっただけ。生きていくには感受性の高すぎる2人だけど、それでもしっかりと手を繋いで生きていくんだと思う。

  • 言葉の繋げ方と世界観が凄い好き。愛の形はさまざまなものなんだと感じた。

  • ばななさんの本を読むと自分が世界との甘い距離感が覚える。

  • ばななさんの描く世界を、私は小説だからと一線をひいて眺めない。わたしにはまだまだ潜在的な存在とつながりを感じる力はないのだけれど、いつでもそのような世界があると信じ、希んでいる。

    中島くんとちひろさんのあてどなくも世界へ向かってゆく行進に、少し同じように宛のない未来へ向かう者として自信と勇気を頂いた。

  • 底知れぬ影のある中島くんと壁画描きのちひろの恋と、中島くんの過去への探訪を描いた物語。

    設定が設定だったこともあり甘ったるい感じがして、ばなな作品の中では得意ではない作品だった。

    ただ、中島くんの秘められた過去が明らかになるクライマックスはとてもドラマティックで衝撃的だったと思う。

    最後に、ちひろの両親の説明のくだりで好きだった一文を。

    「そのときどうしてげらげら笑ったの?と私が聞くと、ママもパパもいつも
    『そこは日本人が一人も来ない店で、(中略)ものすごく辛いものが次々出てきて、量も全て予想外で、おかしかったんだ。』
    というようなことを口を揃えて言うのだけれど、きっと違うだろう。
    そのとき二人は、お互いが目の前にいるのがただ嬉しくてはしゃいでいたのだろうと思う。」(p7)

  • 今のところ、よしもとばななの最高傑作。
    見通しきった人物同士、それでも弱い物同士のからっとした交わり。弱いのかもしれないが、皆ありえないくらい気高い。

  • ほんのり泣けるいい話。「いい話」自分が読んだばななの作品はみなこれに当てはまる。そこがいい。そこが好きでまた読んでしまう。村上春樹より、ばななのほうが自分は好きです。

  • 中島くんとちひろさんが幸せになりますように。

  • 読みやすくて2時間半とかで読了。
    宗教に団体に巻き込まれてっていう人物の背景はよくある。これってなにかの事件がモデルなのかな?知りたい。

  • 独特だった。

    読んでよかったと思った。

  • 中島くんの深刻で厳しい体験と心の傷。
    みずうみのそばの友人。

    どこかはかなげな感じの彼ら。
    そのせいなのかそれともばななさんのタッチによるのか、深い悲しみも刺々しく突き刺すようなものではなく、薄いベールを通しているかのような感じで伝わってきた。

    ちひろと中島くんの距離感。
    無理をしないさせない感じがいい。

    地面から少し足が浮いてるようなちょっと浮遊したような感覚もあって、なんだか気になる作品だった。

  • 繊細さと鈍感さ、どちらも大切なものだと感じる。
    ここまで過酷な体験をする人はそうはいないだろうけど。

    この著者の心理描写が好きだなと思うけれど
    ひとつ気になる事があってイマイチ入り込めなかった。

    2人がお互い、窓の外を見て、気の合いそうな感じだとわかった、という設定。
    人が怖いという中島くん。
    もしも私が彼ならば、窓の外の人と目が合ったなら、もうそれだけで怖くなると思う。
    そこに対する作家の描写もあるにはあるのだけれど…
    私はこの出会い方は「ありえない」と思ってしまった。

    私の読み方が足りないのかもしれませんが…。

  • 今のわたしにとって
    読みながら 瞑想的になれる本は
    よしもとばななの本くらいだろうと思う

    わたしと、わたしの母との関係を
    新しい目で見つめ直すきっかけになった

    よしもとばななの本の魅力は沢山あるけれど、
    わたしが一つ挙げるとすれば、“いのちへの誠実さ”であると思う

    よしもとばななの作品は
    幸せな描写ばかりでないし
    悲しくてショックを受ける場面もあるけど

    登場するいのち、たとえば人や動植物、街や食べ物
    それらすべてに深い信頼と愛情のまなざしを感じる

    それは対象と一体化するようなべったりしたものではなく
    対象から一歩離れて注ぐあっさりとした陽の光みたいだ

    小説というフィクションとはいえ
    それを忘れずに描ききるという姿勢に
    惹かれるんだな きっと

    そういった姿勢を
    わたしも 人生の軸としていこうと思った

  • 小説を読んで、世界観に入り込むと
    本を読むこと自体がリフレッシュになるし、
    物語のふとしたところに、実生活に活かしたいような
    大切なことに気づかされる。



    以下引用。
    ◆大人になる気はなくても、こうして人は押し流されて
     選んでいるうちに大人になるようになっている。
     選ぶことが大切なのだと思った。

    ◆愛されているっていうのは、「この人に触っていたい、
     優しくしたい」 そう思ってもらうことなんだ。

    ◆ハムやお金に交換されてやってくるほんとうの気持ち。

  • 表紙だけでも「本っていいなあ」と軽率に思ってしまうほど、惹きこまれる、うつくしさ。
    写真もいいし、みずうみ、という文字のかんじもいい。すき。

    内容もきれい。
    中島くん、というのがいい。

    一緒にいる時間がどんなに長くなっても、どんなに深いことを伝えあっても、呼び方はずっと変えない。

    まだすべてを読めてませんが、今まで読んだよしもとばなな作品では恋人を名前で呼んでいることが多かったのに、この作品は終始苗字。
    その絶妙な距離感が二人の関係にひどく合っていて、心地よかった。

    あとやっぱり宗教のはなしは好き…♡
    自分がハマる予定は無いけど。

  • 読み取れる感受性だけが、宝なのだ。



    よしもとばなならしいお話でした。
    よしもとばななの書くスピリチュアルな場面は胡散臭さを感じさせないからすき。

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