王国〈その1〉アンドロメダ・ハイツ (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359342

感想・レビュー・書評

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  • 「つまりはちょっとゆがんたおとぎ話だ。」
    このお話のことを雫石は本の冒頭でこう称した。
    ゆがんでいる?
    私にはそうは思えなかったけど、2冊目、3冊目と読み進めていくと印象が変わるのだろうか。
    でも、この物語は優しい。
    優しいと感じるのはもしかしたらゆがんでいるからなのかもしれない。
    逆にゆがんでいないものって何だろう?
    きっと触れたら痛いんだろうな。

    物語の中のサボテンの描写に懐かしい気持ちになった。
    少しの間一緒にいてくれたあの子のことを思い出して。
    ひどいことをしてしまった。本当にごめんなさい。

  • 今まで読んだ中で一番よしもとばなな色が強かった気がする

    よしもとばななの本は、字数を割くポイントが自分に合っているんだなと思った
    優しさとか、温かさとか、そういう大切なものを、ものすごく丁寧に、いろんな角度からいろんな言葉で書いていて、やっぱり素敵だなと
    そこに費やされている字数から、そのものの深さや尊さがわかる

    安直なので部屋にパキラを置きたくなったし、なんならサボテンとお話しできないだろうかとか考えてる

  • ばななさんの作品は開くとき宝物を開けるみたいで、どきどき。読んでみると期待を上回る世界で至福の一時でした。ほっこり。ばななさんにしては、珍しく長編小説なので続きが楽しみ。

  • 森で暮らしていた雫石が街に降りてきて、生活を始める。まるっきり自然の中で暮らし、研ぎ澄まされた感性を持つ雫石が街で生活すると、いろいろと感じてしまうものがあるだろうな。今後の展開が楽しみ。

  • 心が弱ったときに読みたい本。今は元気になったからかなー、ちょっと思い出せなかった。いろんな大切な言葉いっぱいあったはずなのになー。

  • ◯その変化には、たとえ毎日そこで暮らしていても、
    絶対になれる事は無い
    ◯「ずっと変わらない生活なんて全然面白くないよ」
    ◯ありがとうと繰り返し、何回も振り向き、涙でにじんだ私のふるさとを後にした。
    ◯携帯電話の窓に「真一郎君」という次が出ると、私はそれだけで幸せになり、夜道で家の明かりを見た時みたいな気持ちになる。真一郎君の寝顔やいびきなんかを思い出して、早く会いたくなる。体に触りたくなるし、声を聞きたくなる。肩に顔を埋めて、あの落ち着いた匂いをかぎたくなる。   

    好きな描写たち✨

  • 4巻に譲る

  • 中学生のときに読んで、今でも癒しを欲しているときに、たまに振り返ります。
    私はこの世界観や雰囲気がとても好きです。
    すごく若いときに読んだため、その後の考え方にも影響を受けていると思います。

  • (18.08.22)

    よしもとばなな三部作。司書さんに薦められた一冊。

    主人公の雫石は、不思議な力をもった祖母と二人、山で暮らしながら茶を処方する。

    しかしそんな生活も長くは続かず、些細なことこら山のバランスが崩れ出した。さらに祖母は、愛人とギリシャで暮らし始める。

    山を降りた雫石は、東京で暮らし始める。

    目の見えない占い師の楓(男)とその恋人の片岡さん(男)。雫石と不倫関係にあった、植物をこよなく愛する優しい真一郎。

    ある日雫石の住んでるアパートが火事になったことから、周囲を含めた人々の生活が動き始める。

  • 「これは、守られている女の子の話だ。」
    私たちは、たくさんの愛情に、あたたかく守られている柔らかく包まれているんだと気づかせてくれるお話。
    そのあたたかさを忘れて、ひとりだけで孤独に生きているような傲慢な気持ちになってしまうときもあるけど、そんな傲慢ささえも包み込む何かが、生活のなかにはあるのだということ。いつでも守られているのだということ。

著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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