王国〈その3〉ひみつの花園 (新潮文庫)

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制作 : 黒田 アキ 
  • 新潮社 (2010年2月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359366

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王国〈その3〉ひみつの花園 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • そうかぁ。こういうことになるのか。
    その2を読んでいた時にはこの展開は予想できなかった。
    でもそういうこともあるなと、諦めにも似た感覚もある。
    自分を冷静に客観的に見ることはなんて難しいのだろう。
    何かに執着してしまって、意固地になっている自分の強がりをどうやって見抜いて脱力させればいいのか。
    打ちのめされた後、どう生きるのか。
    雫石はすごいなぁと思う。
    とても柔軟で清らかだ。
    楓も片岡さんも、おばあちゃんも、みんな柔らかい。

    やはりこの物語はとても優しい。
    力を入れすぎてガチガチになった心と身体をほぐしてくれる。
    力んでいたなと気付かせてくれる本だと思う。

  • あっという間にその3まで終わっちゃった。

    何かちょっと痛かった。
    それまで通じ合えてた(それが錯覚だとしても)誰かとの関係が、思いも寄らないきっかけで壊れてしまうということ。
    一旦壊れてしまうともう、何を言っても話し合っても元には戻らないということ。

    それまでは大好きで、少し話せば解るような関係だったはずが、どう頑張っても解り合えなくなってしまう…という経験が私も何度かあるけれど、それはきっと関係にひびが入ってしまった瞬間に、相手への信頼とか愛情が揺らいでしまうせいなのだと思う。
    人は変わらないのにそうなってしまうのはやはり、心の内側の問題だ。

    …なんてことを考えながら読んだ。
    悲しくなったけれど、そういうものだ、という妙な納得もあった。

    世俗で生きていれば、周りが“普遍”とか“常識”の枠に当て嵌めようと色々言ってきたりもするけれど、自分の人生なのだから、最後には自分が納得出来ればいいのだと思う。
    この物語の主要な人物たちは、まったく普遍的ではないし、常識からも外れている。でもそれが自分なのだと底の方でみんな腹を決めているからこそ、きらきらと輝いて見えるのだと思った。
    それでもたまに表面の部分が揺らいだりするところも、人間らしくて素晴らしい。

    何だかまたぼんやりしたレビューになってしまった。
    とりあえず、勇気をもらった、ということ。

    続編というか、アナザーストーリーがあるので、次はそれに進みます。

  • 自然の力と、不思議さと。都会に、人間にやられていた私が気づかされた本。このまま転職していいのかと。
    いいきっかけをもらった。

  • 図書館の本→購入

    私には必要、と思って購入。

  • 毎日感じる予感や大切な感覚を真正面から受け止めて、感じて、正直に、正面から生きていかないと、鈍い、ただへらへらしてるだけの人になるのだろうな。

    物事のからくりは、本当はとても単純で当たり前のことなのかもしれない。

    私は物事の真ん中を見るのが不得意だけれども、もしかするとそれはもっと深いところでシンプルに出来ているのかもしれないな。

    私は真一郎くんや、キレイな高橋くんのお母さんと同じ部類の人のような気がした。それはそれでいいのかもしれないけど、強い魂の持ち主になりたいなぁ。

  • この中に出てくる男性が以前に付き合った人ににていた。ちょうど上手くいっていない時だったから読みながら泣いたことを思い出しました。今読んだからぜーんぜん大丈夫だった笑

  • 物語を読んでいるというより、ひとつひとつ説明を受けているような気分になる本。でも、一冊目から好き。健やかな気持ちになれる。

    猫町港町でもあったように、魔女は孤独なものだ。雫石もものすごくくせがある。猫が一匹一緒にいてくれたらいいのに。でも、本当の意味で雫石は孤独でないのは、自分はこの世界の一部だと知っているから。そして楓と片岡さんがいてくれるから。

    魔女修行のお供に。

    ベニシアさんの古民家暮らしか、キキみたいに港町に(ソフィーのポートヘイブンでもあるよね)暮らすことをぼんやりイメージしていたけれど、猫も飼おう。というかお友達になろう。

    これには猫でてこないけど。たくさんの植物。サボテン。

    著者曰く、小さなテーマは「はずれものでもなんとか生きる場所はある」大きなテーマは「外側の自然と、そして自分の中の自然とつきあうということ」

    6/1/2017 EST

  • (16.09.11)

    三部作の最終巻。

    雫石の嫌な予感から始まる。

    同棲を控えた真一郎と一緒に、彼の親友だった高橋くんの庭を訪ねて伊豆に行った二人。高橋くんは園芸の腕が立つ車イスの少年だったが、すでに亡くなっていた。そしてその母は真一郎の初恋の相手だった…

    その後片岡さんと台湾に行った雫石。色んな縁を感じながら、片岡さんの温かさにも触れ、徐々に心も癒えていく。

    全体的に文学的で、読み終えてあまりスッキリもしない。でも温かみのある、シリーズだった。ばななさんの文章には脱帽を覚える。

  • はい。その3コレをまっていました。
    台湾がどのように書かれているのかとても楽しみでした。台湾は懐ひろい緑あふれる美麗島として、雫石が再生(?)する聖地のように描かれておりとてもうれしくなりました。
    なんか最近の私は『よしもとばなな』をうけつけないモードだったのですが、、すごいねー、、やっぱりぐいぐい読んじゃって自然に『よしもとばなな』の世界にどっぷり。これが作家の力というものなのでしょうか?もともと『よしもとばなな』チャンネルはあったけど、読み進めるうちにぴったり周波数が合うように『よしもとばなな』の世界にどっぷりでした。
    人に傷つけられた心の傷は、人にしか治せないのねと思いました。読むタイミングや自分の環境によって登場人物の好き嫌いがでてきそうなので、気になった人はメモしておこうと思う。私は片岡さんのファン。そして、雫石が高橋くんのお母さんをなんだかとっても嫌いな雰囲気がすごく共感できた。
    文庫版あとがきに筆者の小さなテーマと大きなテーマが書かれていておもしろかった。「はずれものでもなんとか生きる場所はある」か。。

  • あっというまに1〜3読み通してしまった!

    幸せに?自然に?すなおに?自分らしく?どういう言葉が適切なのかはわからないけど、心地よく人生を過ごしていくために役立つ考え方やふるまい方をたくさん得られた気がする。これからもときどき、自分を清浄するために読み返していくべきシリーズだと思われる。

    この本にこのタイミングで出合ったことに、どんな意味があったのか…縁というものの不思議さを感じずにはいられません。

    4も早く読まないと!

  • 終わりは既に始まっていた。雫石と真一郎の関係は、ほんの一瞬だけ存在するものだった――真一郎の亡き親友・高橋君の創造した「庭」、その壮絶なまでに自然と調和する人工物を目の当たりにした雫石は、同時に真一郎が高橋くんの義母に惹かれていることを理解し、全てを終わらせた。そんな中、おばあちゃんから送られた翡翠の蛇は喪失の日々を送る雫石に新しい時をもたらす。そして訪れるべく訪れた台湾で、雫石は自分の目的に気付いて……

    その2よりうんと面白かったかな。なんかモリモリ読んでしまって普段より格段に速いスピードで読んでしまった。高橋君の庭の描写はそら小説だから想像するしかないんだけど、現実にあったらただポカーンとしちゃうんだろうな。最後の最後で雫石が高橋君がなんであの庭を造ったのか気付くところがすごく好きでわかるなあ、と。自然とかかわる芸術的な仕事をしてる人はみんなこういう気持ちなのかもね。真一郎くんと別れるところ切なくて寂しかった。雫石が語りかけても何も言ってくれなかったとことかね。
    楓が雫石を占って少し泣くところも好きだなー。第一巻からそうだけど楓と雫石は恋愛じゃないけどもっと強い想いで繋がってて、こういう関係はすごく好きなので楓と雫石のシーンはどれも好きです。片岡さんの昔の恋人について話すところも好きだったな。
    王国は次のアンダーワールド? で終わるのかな? なんとなく毛色違う感じだけど…

  • 植物のような存在感の女性の出現で彼とは別れ、雫石は自分の世界に属する人々を愛していることに気付く。おばあちゃんからもらった翡翠の蛇の修理や、友人の助言やアシスタントの仕事で、雫石は台湾へ。そのときにかかってくる電話は、離れているのに二人が近く感じた。

  • 手放したものの分、
    スペースは確実にできている。
    それに目を向けることさえできれば、
    もうそこまで何かいい香りのするものは
    やってきている。

  • やっぱり好きです、この世界観。。。

    淡々とした中にも、激しい葛藤があって、でもそれを受け入れた時、視界が拓けるんだなぁ。。。


    悲しい出来事も、辛い選択も、すべてが何かにつながっている。。。


    それは、雫石のように魔女の血をひいた人でなくても同じ事。


    光が差して、風がなびく。

    日に照らされて、深呼吸できる。。。

    何気ない日常の出来事や、当たり前の出来事も、大事にしたいと、そう強く思いました。。。

  • 失恋と片岡さんと結局仲良くなる大団円未満。
    雫石のように人生と折り合っていける人はなかなかいないだろうから、こそ、羨ましいと思って読める小説なんだろう。それがばななさんの力だ。まあやや力技感。

  • 王国<その3>

    人が何かを失って、
    そこからゆるりと何かを得ていく過程を書くのが
    ばななさんは本当に上手い。

    『癒え』を文章で可視化するのって、すごいなぁ。


    <その4>も、文庫が出たら読むんだ

  • 真一郎との疑似恋愛に自ら終止符を打ち、最後には台湾に行くことで雫石は、ともかくもイニシエーションを果たしたのだろう。『王国』4部作をここまで読んできたが、「よしもとばななのライフワーク」というのは、はたしてどうだろうか。多くのばななファンは納得しないのではないかと思う。その最も大きな原因は、雫石の内面世界が「閉じられて」いるために、読者が感情移入しにくいことにあったと思われる。つまり、良くも悪くも、雫石には強い他者性があったということなのだろう。

  • 片岡さんとの距離がずいぶん近くなった。
    失恋した雫石を一生懸命なぐさめてくれるのがほほえましい。
    不倫期間、あんなに素敵な関係だった真一郎君がすっかり色あせて
    つまらない男に見えてしまう。恋愛って勝手だねぇ。

    片岡君の庭、秘密の花園。
    彼が生きていて出会ったらまた雫石の人生は違ったかも。

    ていうか、そんなに植物や自然とつながってる人がいるのかなぁ?
    この小説の中では普通のことみたいに描かれているけど。
    でも、そういう感受性を少しでも持てたら、楽しそう。
    いや楽しいというのはちょっと違うか?
    なんか、世界が広がってワクワクしそうな感じがする。

  • 失恋から立ち直る描写が特に印象に残って元気が出た。

  • 悲しかったり、胸に穴があいたようになったり
    こわかったりすることがあると
    人は当然の幸せというものにも思いをはせるようになる。

    毎日生きているだけで
    同じ人に会えるだけでも
    うんと嬉しい。

    落ち込んでいないとわからない良きことというのは絶対にある。

  • 三部作でした。

    人が魅力的だったり
    恋愛関係じゃない関係がよかったり
    読んでてずっと気分よくいられました。

  • ”出ないと決めているのは、他ならない自分自身なのだ。それで、ずいぶんと時間がたってしまってから出ようと思った頃には大変な重さになっているらしい。”

    ”自分は被害者だ、だまされた、相手がひどいというふうに思うと、うそでも一瞬は楽になるのだが、ほんとうのことではないのでいつしか重くなってくる。肉が切り裂けるような真実のほうがいつだって絶対ましなのだ。”

    ”あのね、人が出会うときにはどうして出会ったかっていう意味があって、出会ったときに秘められていた約束っていうのが終わってしまうと、もうどうやってもいっしょにいられないんだよ。”

  • 130223*読了
    今、この番外編を読んでいるところ。
    ハッピーエンドというわけでも、アンハッピーというわけでもない。
    ただ、そこにいる人たち。その関係性。
    目に見えるものと見えないもの。
    ふわっと包まれるあたたかな気持ち。
    憎めない人びと。

  • このシリーズ、単行本刊行時には共感度が低かったのが
    30歳を過ぎたころに読み返したら、しっくりときた。
    山を下りなくてはならなくなった雫石の気持ちが
    わかるようになったのだと思う。
    懐に余裕が出たので文庫本で4冊まとめ買い。

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