アナザー・ワールド―王国〈その4〉 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2012年10月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359403

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アナザー・ワールド―王国〈その4〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「王国」シリーズの完結(?)巻。
    ママとパパとパパ2に愛されて育った娘ノニのお話。
    と同時に、ノニが愛しているママとパパとパパ2のお話でもある。
    苦しいことがあっても生きていられるのは、この物語に描かれているような気持ちがあるからだと思う。

    「今日は今日の光だけを見て、精一杯体も心も動かして、とにかくただ生きるんだよ」
    心に残ったパパ2の言葉。
    この物語の優しさがこの言葉にぎゅっと込められているように思えた。

  • 何かの小説の続編って、読まなくても成立するし、むしろ読まない方がよかったと思うことも無くはない。
    この小説も、読まなくても成立はする。主人公が別の人物だから。
    でも、これを読んでからまたその1から3までを読めば、色んな場面に感慨が増すような気がする。

    その1から3までの登場人物のその後。それは少し悲しく、温かく、力強かった。
    やっぱり変な人たちだと思ったけど。笑

    片岡さんという登場人物がものすごく好き。言葉は乱暴だし直球だし気も遣えないけれど、愛に溢れてて。
    「だれかをとことん好きになるということは、とにかく傷つくことなんだよな」
    こんなことを言えてしまう、優しい片岡さん。

    “命があるから、生きているのであって、なにかを成すために生きているのではない”
    もっと若い頃の私なら頷けなかったかもしれないけれど、今の私は、深く頷いた。
    目立たなくても、栄誉なんて得なくても、誰かの助けになる生き方をしている人はそこかしこに存在しているということ。

    江國香織さんの「きらきらひかる」の続編を読んだときにも思ったけれど、誰かの人生の時間は途切れることなく続いていて、小説や物語というのは、その時間のどの部分を切り取るか、ということなんだよね。
    長かったり短かったり、ほんの1日や1時間を切り取った物語も存在する。
    続編がなければ勝手に想像できるし、続編があって知れるのも悪くない。選択は自分次第。

    素晴らしい“王国”だった。

  • すごく良かった。ちょっと変わった家族だけれど、みんな愛情で包まれていて素直に生きている。

    刺さる言葉が多すぎて困った。きっと読むべきときだったのかもしれません。

  • 1~3 までかなり良かったので楽しみに読んでみたけど、ちょっと期待外れで残念。その後の子供の話。重い感じがして読むのが疲れてしまった。

  • 1から読みましたが、雫石と楓の次の世代がこういう女性でこういう生き方というのは、おおいに納得。
    クライマックスでの、パパ2との会話や過ごし方も、大作の締め括りとして、すんなり受けいれられた。

    内容とは関係ないけど、こうやって血は確実に受け継がれていくものだと思うに、自分の血は子どもにどんなふうに流れていくのか怖くなったり。

  • たくましい母と二人の父を持つ、石の力を引き出すことの出来る少女ノニは、遠くギリシャのミコノスで占い師の父を思わせる男性・キノと運命的な出逢いを果たす。彼はいつか父が予言した「猫の女王」の家来であって――ミコノス、ランサロテ、天草など海風の吹く美しい島々を舞台に「王国」シリーズのその後を描いたもうひとつの「王国」の物語。

    もしかしたら王国シリーズでこれが一番好きかも知れないです。こういう後日談的な話が好きっていうのもあるんですが。もしかしたらばななさんはここに行き着くために書いていたのかなと思うくらい。あとがきは一切読んでいないのでどうなのかわかりませんが。
    実際にミコノスとか沖縄とかランサロテとかその場所に行ったことはないんだけど、ばななさんらしい天国のような、あるいは遠い異界のやすらぎの国としての南国の要素があますところなく出ている。すごくばななさんっぽいなって思った。王国1~3では雫石はそんなに動いてなかったので、それまでとの対比がすごく鮮やかに思えました。
    以前よりうんとナチュラル……自然が一番みたいな志向になってるというか、そういうところはちょっとお説教くさいような気もしたんだけどね。(王国1~3にも言えることではあるんだけど)それと今まで雫石が主人公だったからか雫石を客観的に見てきたわけじゃない。だからかノニが雫石について語るところで「うーん雫石ってこんなんだったかな」と思ったりしたんだけど、王国3からどれくらいの年月が過ぎているんだろ。年数によって大分変ってきてるだろうし。そういえば結局おばあちゃんの過去とかには触れられなかったな……
    最後が片岡さんとのシーンで終わるのすごくいい。家族もの&疑似家族もの弱いだけに。片岡さん好き過ぎる。超能力はないけど私も養ってもらいたい(クズ 片岡さんが雫石と楓のことで「自分だけ邪魔になった」って言っててそれって真一郎くんと高橋君のお母さんと、そこからはじき出された雫石の構図とまんまだなーと思ったんだけど片岡さんは排除されなかったんだよね、当たり前だけど。そこが雫石と楓たるゆえんだね。ノニの中に楓がいるっていうのいいな。これから世界がどんなふうに続いていくのか見たくて、見せたくて子供が生まれたっていうのも、そっか、そうなんだ……ってなんかじんわり沁みました。

  • 雫石と楓のこどもノニが、ミコノス島でキノと出逢い波打ち際の小さなお店で一緒に夕陽を見るところから始まる。今は亡き楓との想い出話や、現在の雫石たちや、ノニとキノの恋愛が描かれている。ノニの感情がたっぷり詰まってるぶん少しくどいかなあ。

  • 『王国』シリーズを読んでから1年以上間があいてしまって、内容を忘れかけていたので『王国 その3』をざっと読み返してから読みました。この『アナザー・ワールド』は雫石と楓の間に生まれた子、ノニが主人公。雫石と楓が子供をもうけたということがなかなかピンと来なくて、そして同棲愛者同士の父親が2人とかあまりにも斜め上すぎる家族設定と、ノニ自身もレズだったりとか、ちょと待て…と言いたい設定過ぎてなかなか物語そのものに馴染めませんでした。あと、よしもとばななさんの作品はもともとスピリチュアル要素が濃いのが特徴なのは心得てましたが、今回はどうもその辺も馴染めない要因になっていたかも。言葉で説明し過ぎてクドクなっているような…。ばななさんは好きな作家の一人ですが、そろそろ合わなくなってきているのかも。
    ただ、片岡さん(パパ2)の言葉「 だれもだれかを裏切ったりそむいたりしないよ。だれも悪くはない。時間が流れてるだけだ。そして自然にその人の思う方向に変わっていくだけだよ。」ということだけは、私自身もある事で深く傷ついていたときだったこともあって深く胸に響いたし、結局この物語でばななさんが語りたかったことの中心はこれだろかも…と感じられたので、読んでよかったとは思いました。

  • 雫石と楓の間の子、でも法律上は片岡と雫石の間の子のノニが主人公。いびつなような三親に育てられ、楓が死んでからも離婚しないけれど恋仲ではない片岡と雫石の愛情を受け育ったノニと、楓に出逢いを予言されていた猫の女王の僕、キノ。
    世界の選択肢の広さがテーマかな?

  • いちばんの武器はいちばんの弱点だし
    (たとえばあなたの優しさ、自信)
    これだと思ったことはいつも時間をかけなくちゃいけない
    (たとえばあなたの信念、直感、愛情)

  • 「王国」4部作の完結編。物語はミコノス島にはじまり、沖縄、ランサロテ島、そして最後は天草と、その舞台を移して行くが、こうして並べてみるまでもなく、ばななさんの南指向(嗜好でもある)は明らか。それに加えて今回は島指向でもある。したがって、そこに流れる空気と時間はいたってゆるやか。それゆえにか、登場人物たちの存在感までがなんだかゆるい。もっとも、サラ以外はみんな多かれ少なかれアナザーワールドと繋がっているのだから、それも当然なのか。この本が、隆明氏が最後に自分の眼で読んだのだと聞けば、感慨もまたひとしおだ。

  • 楓と雫石の子どもの話
    その3まで読んだ人なら、
    続編として読んでもいいかも

    でもなんだか、ちょっと重たい…
    もうちょっと、身近な設定がいいなと思ってしまう

    その3までは、
    商店街とか、居酒屋さんとか、
    そういう設定もあって、
    ほっとできる箇所が所々あったけど

    今回は全体に緊張感が走ってる感じで、ちょっと疲れた

  • 世代が変わって、雫石の娘目線の話。
    まさにアナザーワールド。
    楓と雫石、片岡さんのその後のお話し。

    なかなかグローバルに育ってる娘ノニは石の魔女。
    母ほど魔女力はないけど、やっぱり普通とは感性がちがう。
    楓の予言通り、猫の女王の家来キノと出会い、また命をつなげていくんだろうな。

    おばあちゃん同様、なかなか自由に生きている雫石と
    片岡さんの関係もいいなぁ。
    人と魂でつながれる、信頼も超えてわかりあっちゃってるかんじ。

  • 王国シリーズ最終巻。雫石の娘の物語。
    しばらくぶりにばななさんの小説を読んだせいか、目の前の景色、人、食べ物…目の前の風景全部に「人生って素晴らしい」感がでていて大げさな気がしてはじめは違和感があったんだけど、でも次第にそれがすんなりと自分の心にも浸透して、最終的には自分もなんか幸せな気持ちになっていた。不思議だなぁ。
    そういえば話の中にでてくる「アンリケの家」の描写がすごくて(礼讃的で)どんなとこか気になったのでぐぐってみたら、やはりすごく神秘的なところで。そういえばこうやって小説の中にでてくる場所?を改めて検索することが今まであまりなかったことにも気づいて、頭の中に思い描けないくらい思わずみてみたくなるような風景の描写ってすごいなって思った。
    王国シリーズ、全編通して読んだら、また印象が違うんだろうなぁ。ブックオフに売らなきゃよかった

  • 完璧でないもの、の愛しさ。思いを馳せる切なさ。みんな、苦しくてでも幸せだよね。だって愛を与えて、愛に包まれて、循環させているんだもの。

  • 王国シリーズの番外編。そして時は経って...。その3までを読んでいないと話がまったくつながらないので注意です。

  • 私はちゃんと、悲しんだかな、と思わず考えました。ちゃんと悲しまないと、本当の意味で前には進めないんじゃないかな、と。これは私の大切な本に仲間入りです。

  • 王国その後の話。

    場所と登場人物がちょっと変わるけど
    素敵な世界はずっと素敵だった。
    3人で夫婦になれるなんて。
    決まった型にとらわれることはない。
    とらわれてはいけない。

  • 水を飲むみたいに自然に読めて嬉しい。短時間で白黒つけることを至上としない生き方もあるんだよ、ともっと沢山の人が思ってくれたらいいなと。

  • その1から読み直そうと思う。色々忘れてたので。

  • 王国シリーズ最終巻。
    雫石がお母さんになって、娘の視点で進むストーリー。
    お母さんも女の子だった頃、いろんなことを見て体験して感じてたんだろうなぁ、と読みながらなんとなく思った。
    一回しか読めてなくて、王国シリーズがかなり思い入れがあるので、あまり響かず…
    また読もう。

  • 130224*読了
    王国の特別編。楓と雫石の子どもである、ノニちゃんの物語。
    めちゃくちゃだけれど、あたたかい、そんなこの家族が好きだ。パパ2やおばあちゃんも含めて。
    ノニちゃんの人生がこれからも、キラキラと輝いていますように。

  • 王国シリーズの第四段がいつのまにか文庫になって発売されていて、
    まるでつい最近まで女の子だと思ってた近所の子が、いつのまにか赤ちゃんを抱いて散歩しているのに出くわしたようでビックリした。

    彼女の物語は殆どすべてを読んでいると思うが、このシリーズのように、若い女性が主人公の、喪失と再生の物語のパターンがいつも自分を慰めてくれる。

    ヒーラーとかゲイとか、マイノリティをピックアップすることの多い彼女の物語を嫌がる人もいるだろうが、こいうのって現代の寓話のようで面白いなあと思う。

    彼女の物語を読んだ後の爽快感は独特だ。
    自分と同世代の女性が、何度も若い女性を再生させ、広い空のように広げてTHE ENDさせる。
    なんて言ったらいいかわからない感情が言葉にしてあるのを見ると、安堵する。

    文中にでてきた、プリズナーオブパストという歌の歌詞はいいなあと思った。

  • 王国シリーズ完結です。

    王国のその後が描かれていて、読み始めはとってもわくわくし切なくもなりました。

    やっぱり三人で生きているんだ、子供もできたんだ、楓はもういないんだ、と。

    全体を通しての印象は、元々王国シリーズにそこまで執着のない私にとっては(スミマセン)、あーこれで終わりなのね。最後まで読めてヨカッタ。ですね。

    いいなって思う部分もあるのですがね。何か合わないんですかね。

    しかし片岡さんの最後の語り部分は非常に良かったです。
    あの部分を読むために私はこの本を手にとったのだと思います。(買ってないけど。借り物だけど)
    やはり私は片岡さんファンです。

    彼は幸せでいてほしい。皆そうだけどね。とくに彼です。好きだから贔屓しちゃう。

    次は、「なんくるない」かな!

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