さきちゃんたちの夜 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2015年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101359441

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さきちゃんたちの夜 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 私が、他人の煩わしさも鬱陶しさも面倒くささも愛しく思えるのは
    人の暖かさにいつもどこかで触れていたからなんだと、
    その暖かさだって押しつけるようなものじゃなくて
    その人の凛とした気持ちからの暖かさなんだと、
    私はいつもそんな暖かさにどこかで見守られていたんだと思わせてくれた一冊。

    人と関わることはいつだって面倒で、
    だからこそ優しいことなんだ。そうだった。

    この本を読んでほしいなんて、何だか押し付けがましいし
    たまたま私がすきなだけなんだけど
    それでも誰かがどこかで読んでいて
    優しい気持ちになっていたらなぁと願ってやまない。

  • あらゆる“さきちゃん”が出てくる短編集。主役が全部違う“さきちゃん”で、表題作に至っては“さきちゃん”のW主演。

    短編全部それぞれに良くて選びがたい。
    「鬼っ子」と「癒しの豆スープ」が私の中でひとつ抜けてる感じ。
    人であれ物であれ生活であれ、何かを守ろうと強く思う人たちの物語だ、と思った。
    そしてこの短編集もよしもとばなな作品特有のスピリチュアル要素があったけれど、今までのとは少し違う気がした。
    強い勘とかその延長線上にある力、という感じで、そこには相手を思う強さがあると思えるからさほど唐突感もなく、究極に不幸な人も出てこないから、フラットな気持ちで読めた。

    昔の作品のような尖った淋しさというよりも、人間として生きる上では避けようのないこと(理不尽に傷つけられることや、思いもよらない落とし穴のような出来事)とどんな風に向き合い、あるいはどんな風に目を背けながら生きていくか。そういう暖かい淋しさみたいなものを強く感じた。
    時間を経て歳を重ねるからこそ変化出来ることって、とても愛おしい。ぼんやりとそんなことを思うような小説だった。

  • 久しぶりに読んだ。14歳で初めて『キッチン』を読んでから早16年。私のものの見方はかなり、この人の作品の影響を受けているような気がする…。この人の文章を読むと、生きてるってそーいうことだといつも思う。こういう文章表現のように今を認識しながら生きていきたい。大人になって、人生は物語のようにはいかないのかもと思い始めたけど、でも、私はそーいう風に認識していきたい。

  • 勉強以外の本で、本屋でフラッと手にとって買ってみたのは初めてだったが、読んでよかった。

    時々感じる、他人のやさしさと冷たさの違和感を、いくつかの物語の中で語られていて、共感できた

    「癒しの豆スープ」と
    「さきちゃんのたちの夜」が
    個人的には好き

    心根がやさしくきれいなままでは生きていけない
    根っこの方に流れているどろっとしたものを抱えている

    でも、人間みんなそうなんだなっと
    ちょっと心が軽くなれるお話しばかりだった

  • 初ばなな。ずっと読まず嫌いでした。
    なんか、5編とも体感的に良いと思える小説だった。
    ファンが多いの納得。
    ゆったりとした語り口でじっくりと主人公の周辺をなぞって行く。実際の、自分の周辺でも言葉にしてもいない心象情景を言葉にしてもらえたような、そんな言葉が多々あった。反するように、それはちょっと現実じゃありえないんじゃない?なんて箇所があってもそりゃ現実じゃあないし、てまた物語の中に気持ちよく戻れる。
    文章に何がしかのチカラが籠っているのかなぁ。不思議。
    「鬼っ子」「癒しの豆スープ」「さきちゃんたちの夜」が好き。

  • 大切なことがいっぱい詰まっていて、
    話は違っても何かが一貫している。

    鬼っ子は特に印象的だった

    おさまるところにおさまる、という、その言葉を励みにしよう。

  • さきちゃんたちの夜、が一番好きだった。
    毎度ばななさんの小説に登場する喪の仕事の期間のおいしくて力ある、魂を元気にする食べもの。
    今回はエビピラフがほんとに食べたくなっちゃって夜中にどうする!な気分でいます。
    虫が鳴いているのが聞こえる、夏の終わりの夜に、いいタイミングで読めました。

  • 久しぶりに「よしもとばななってこんな感じだったよな」と思った。
    大切なことは方々に散りばめられている。
    読みながらやっと、目が落ち着いた感じ。

  • じんわり、じんわり.
    溶けかけのチョコ.

  • なんか避けてたの。よしもとばななを読むと嫌な気持ちになるなと思って。嫌ってほんとうに嫌じゃなくて、なんていうか苦い気持ちというか。
    全部リアルすぎるんじゃなくて、絶対フィクションだってわかるようなところがいい。リアルすぎると愛し愛されて生きるのさって感じに押しつぶされる。
    全体的に好きだったけど「さきちゃんたちの夜」が好き。

  • 色んなサキちゃんのお話が集められた短編集。
    どの話も大好きでした!
    ばななさんのお話を読むと、自分の感覚や感情を大事にしようと思える。
    そして、もっと日常を丁寧に過ごそうと思った。

  • お話の中でも、「鬼っ子」と「天使」が好きです。前者は設定もあって1冊長編にもなり得たような、ただ最近の作品にしては重すぎて書けない感じの、昔の作品によく感じられたような不思議なところがかなり残っています。後者は本当にさわりだけの何かの作品の番外編みたいな短編という感じで、逆に最近の作品らしさが出てる、女性の女性らしさみたいな女性らしい悩みや幸せみたいな。人によってどの作品がしっくりくるのか変化してくると思います、ただ、話の順番が絶妙で話の間に余韻がなくても読めます。「鬼っ子」以外は。

  • 全くめだたない地味な生活をする人を「それでいいよ」とそっと応援してくれる本。普通のぱっとしない毎日の中に隠れている素晴らしいものたち。ものすごく素敵な短篇だった。「さきちゃんたちの夜」も「天使」も「鬼っ子」も全部好き!

  • すごく遠回しに背中を押してもらえるような作品。良い部分と悪い部分を客観的に見つつも人間を少し好きになれる「癒しの豆スープ」という短編がとても良かった。

  • 遠くを眺め続けて疲れてしまったときに、焦点を調節してくれる効果がある。簡単に癒やしとか言いたくないが。

  • 「さき」という名前の女性&女の子が出てくる5つの短編集。それぞれいろんな環境(状況)にいる女子なのだけど、みんな強くて、さっぱりしていて、すごく賢い。世の中を見る目が真っ直ぐ。
    よしもとばななは、決して甘くて、生ぬるい上辺だけのお話しを作らない。世の中には「鬼っこ」にあるような闇な渦があることも必ず書いてある。でも、それを越えて行ける「勇気」みたいなものが女子には備わっているんだよ、とちょうどいい塩梅で書いてある(ように思う)。だから、私はよしもとばななのお話しを読むと、いつも泣けてしまう、そして、とってもフラットな気持ちになって、前を向いて行こうという気持ちになる。辛くなった時の気つけ薬のような本。
    「鬼っこ」紗季ちゃんが一番うらやましかった。このくらい強くて、周りがよくわかって、自分の進み方がわかったらいいのに。

  • 旅先で読んだ1冊。
    こういう本が今読みたかった。

    様々な「さきちゃん」が主人公の短編集。
    日常生活を営むうちに何となく封をしてきたものが、少しのきっかけで優しく紐解かれて、あるべき場所にそれぞれを戻してあげるような、暖かいお話だった。
    好きなはものはもちろん好きで嫌いなものだって好き。だから悩むし面白い。

    留まってる場所から自由になるには、
    きっかけや人との触れ合いやアイテムが必要で、
    自分にもし何かあったら、そういうものを見つける目を、最低限の元気を、大切な人を、、、そして、たっぷりの時間を使えばどうにかなる!とジワジワと無駄な力が抜けてく気がした。

  • いろんなさきちゃんが出てくるお話

    子どものさきと双子の片割れの崎が出てくる、表題作の話がいちばんすき。
    前を向いて生きるって、こういうことなのかなーって。

  • ほっとする。

    ばなな様の虜になって20数年経つけれど、どの時代の自分が読んでも染み渡るのはなんでだろうなぁ。

    成長していく小説?

    不思議だ。

  • 無料の意味を考えてしまう。
    色々と何かが、つもってゆくのだなあ。

  • これまでの中でもなんかスピリチュアル的要素がすごく多かった気がする。作者は大満足のようだけど、私はちょっと今回は世界についていけなかった感。

  • あとがきで著者も記しているように、著者らしい短編集。
    主に家族愛、人生観、と少しの恋愛。
    淡々としたリズムや、サバサバとした女性キャラが多いのに、柔らかく温かな空気が終始流れている。著者が描く世界の特徴とも言えて、二重の意味で安心して読み進める。
    五編の物語の中では本書のタイトルでもある「さきちゃんたちの夜」の、二人の「さき」の会話や距離感が特に好きだったが、異彩を放って印象的だったのは二話目の「鬼っ子」。鬼の像が沢山並んでいたり、それらにきちんと挨拶をする主人公であったり、異様な雰囲気を持つ井戸であったり、とにかく不思議な話ではあるけれど、私自身が瀬戸内海の生まれで「島」の雰囲気にも馴染みがあるので「成程そういう事もあるかもな」とその独特の世界観に対しても抵抗無く読めた。
    ストーリーだけ見れば、でたらめに明るいわけでもない、寧ろ何かしらの「別れ」が描かれているのに、必ず読後に希望が残る。とにかく余韻が良い。
    何かに疲れた時にも染み渡るように、或いは寄り添うように、負担無くさっと読める。それでいて、流し読みしたくないようなディティールの美しさや、ハッとさせられる文節も散らばっている。
    「癒しの豆スープ」の、「そんな全てを眺めているうちに私は人間が愛おしくなり、そしてこわくなった。」のくだりや、母親がお中元やお歳暮に苦悩しているくだりなどは、人と人の中「社会」に生きる辛さや孤独や人間の醜さが、簡潔且つ見事に描かれているなと思う。
    「無料っていうのは、ほんとうはとても残酷なことなんじゃないのか?」という父親の発言にも、深く頷かざるを得ない。両親は皆のためでもなく意地悪でもなく、自分のために積み重ねていたんだ、と。商売をしている立場で、あの祖父母の息子だからこそ、説得力があり、少なからず読者に自らの生き方というか生き様のようなものを考えさせるものがある。

  • 久しぶりに吉本ばななさんの本、と思ったら『よしもと』さんに変わっていた。

    不思議な世界感はそのままだったが、無理な設定もあったりで、むかしのように素直には入ってこなかった。

    表題の『さきちゃんたちの夜』が好き。
    面倒なこと、と思っていても実は心地よさを感じていたりして。みんな一生懸命行きている。

  • 短編集だけど、どれも似たようなキャラクターに似たような話ばかりだった気がする。どの話が良かったか、というより一つでも好きな話があれば多分全部の話が好きだと思う。逆にこの雰囲気が好きじゃない人はどの話もつまらない。

  • さきちゃん、にまつわる短編集。よしもとばなならしく少し切なくも温かい、優しい文章で非常に安心させられた。ただ、「キッチン」の時のキレ味の鋭い、冴えわたった作風を思うと少しだけ物足りないとも思った。

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さきちゃんたちの夜 (新潮文庫)の作品紹介

その夜〈さきちゃん〉は、小さな奇跡に守られていた。失踪した友人を捜す早紀(さき)。祖父母秘伝の豆スープを配る咲(さき)。双子の兄を事故で亡くした崎(さき)の部屋に転がり込んだ、10歳の姪さき……。彼女たちに訪れた小さな奇跡が、かけがえのないきらめきを放つ。きつい世の中を、明るく正直に。前を向いて生きようとする女の子たちに贈る、人生の愛おしさに包み込まれる5つの物語。

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さきちゃんたちの夜 (新潮文庫)のKindle版

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