- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101359618
作品紹介・あらすじ
国会議員きっての防衛政策通であり、長官在任日数歴代二位、第四代防衛大臣の著者だからこそ語れる「国防の基本」。朝四時四〇分から始まる、長官時代の日常とは?北朝鮮の弾道ミサイルをどう防ぐのか?自衛隊のイラク派遣は正しかったのか?徴兵制は憲法違反なのか?日本のテロ対策は万全なのか?国民のあらゆる素朴な疑問に答える。文庫用まえがき、あとがきを加えた決定版。
感想・レビュー・書評
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現地方創生担当大臣、元防衛大臣の石破茂氏の、国防に対する考え方。
軍事おたくといわれていた元大臣だが、至極論理的に国防についての考え方を書いてあるので、行き当たりばったりのように見える、某総理大臣より考え方がしっかりしているように思える。
なるほどなるほどと読んでみたが、一部当然書かれてもよいようなことが落としてあり、その一部を欠いた状態から、自説を展開しているところが見られた。
逆を言えば、自説に邪魔をする事実は省いて書いてあるように思える個所があったが、それは、改めて石破氏の経歴をみて納得。
元銀行員であったとは....
金融機関の広告等においては、決して嘘は書かないが、書くことを法で求められていない場合は、不都合な事実は書くことを控えると思う。
良いことは書くが、良くないことをすべて書くわけではない。
そのように、書かれていること、書かれていないことをしっかり判断しつつ読めば、石破氏の意見がよくわかると思えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
専門用語を極力排除し、平易な言葉で国防の概論を説いている。防衛や自衛隊への予備知識がなくても大丈夫。国防とは、日米安全保障とは、米軍再編とは等々。中学生でも読めるので入門書として最適。それにしても著者は勉強家だな。
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マスコミが意識的に報道しないとは思いませんが、新聞やテレビのニュースだけでは、判らない重要な情報ってあるんだよな。
大人になった平和ボケの我が身としては、若いころに勉強してれば良かったと後悔の念。
個人的には、義務教育として小学生の必須科目にして欲しいぐらい。
警察って武器(拳銃)を所持してる事が、犯罪者に対しての抑止力になってると思うんだけど・・・
もし丸腰だったら? -
主に石破氏が長官時代の話とか。
政治や、防衛にどのような問題意識で取り組んだかわかる。 -
兵器は進化せど、人の心は変わらずという感じでしょうか。
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防衛・農林水産関係閣僚の経験のある石破茂衆議院議員による著作
政治は感情論ではなく事実に基づいた厳格なものでなければならないと感じる1冊でした
以下、読書メモから
【なるほどな点】
・国防はギャンブルではない。
防衛力を整備することで結果として戦いがなくなる。
戦争が起こる可能性を放棄し国民の命を危険にさらすギャンブラーであってはならない。
備えるべきものは備えなくてはいけない。
心配に心配を重ねできるだけ高い確率を選ぶ。(そのためにイラク戦争への自衛隊派遣などアメリカには協力したほうが良い)
・国際法は、各国が解釈をする。
・勝てば官軍。どの国から見ても大義のある戦争というものはありえない。
・ミリタリーを知らない政治家は国を統治し安全を守ることはできない。
・自分の考えと政府の見解が違う場合は、大臣として自分の意見をいう事はできない。
・当選するために媚びて嘘を言うことは、詐欺に等しい。
・国会議員は、地元の小間使いであってはならない。国防・外交・財政等を考えなければならない。
・「官僚主義」「前例主義」「自己保身」は国を間違わせる。
・東日本大震災について、想定外の規模の災害であったとしても、それを想定できなかったという点は反省・検証し、次に活かさなければならない。
・現場は何を考え、何を喜び、何を悲しみ、何に苦労しているのかということは知っておくべきです。
・仕事について、「何のためにここにいるのか、何を成し遂げるために、この時間は何をする時間なのか」を明確にする。
・情報
「テーマの設定→収集→分析→評価」の流れが必要。
早いからいいのではなく、早く必要な人に必要なものが伝わらなければならない。
・「何になりたいか」ではなく、「これをやるためには何になるのか」を考える。
・定義を理解しないで議論することはできない(非戦闘地域など)
・自分の国は自分で守る姿勢が必要。
・中国から何か言われてすぐ謝罪というのはおかしい。理屈がおかしいときはきちんという。まともな話し合いをする努力をする。
・防衛費は総額は話題になっても、その内容が吟味されることがない。非常に問題。
・米軍再編は、機器の小型化もあり戦略的自由度を高めるため。負担の軽減について、誰がどんな負担をしているのか、騒音だけではなくきちんと議論する必要がある。
・鳥インフルエンザなどで、大騒ぎになる状況そのものが、一番脆弱な点。 -
かなり平易に国防についての必要性を説いている。私としては物足りないが、広く読んでもらうには良い程度かと思います。終わりの方に大臣は志願制にすべきとありましたが確かに。指名されて殆ど初めて勉強しはめじる民主閣僚に恐怖を覚える
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長年自民党の代議士を努め、防衛庁長官をやったことがあり、とにかく「現実主義的」「合理主義的」に考えることにこだわりを持つ、石破茂という個人。彼には、世界や日本の政治がどのように見えているか。それがよくわかる。率直なもの言いはわるくないが、政治家らしく、ひたすら自分の視点でものを語るので、これを無批判に読むのは危ない。彼が語る冷戦後の国際関係や国内政治の状況を、自分なりに思い起こしながら読む必要がある。