文芸あねもね (新潮文庫 や 66-50)

著者 :
  • 新潮社
3.61
  • (31)
  • (61)
  • (76)
  • (13)
  • (0)
本棚登録 : 542
感想 : 80
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101360621

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 宮木さん目当てで手に取ったもの。
    『雨の塔』のスピンオフ作品が収録。
    雨の塔では具体的に明らかにされなかった、矢咲実の心中未遂事件がスピンオフ作品として掲載されている。
    「針とトルソー」とこの「水流と砂金」の2つのスピンオフ、そして『太陽の庭』と4作品揃ってのシリーズかな、という印象。

    全体的に主人公がイタいキャラが多かったように思う。
    が、どの作品も結末に向けてそれなりに明るい未来に歩いていく終わり方だったので、読後感は悪くない。
    最も痛快で印象深かったのは柚木麻子の「私にふさわしいホテル」。
    ちょっとその“山の上ホテル”に泊まってみたい。

    他、「二十三センチの祝福」、「真智の火のゆくえ」、「子供おばさん」、「少女病 近親者・ユキ」が好みだった。

  • 震災チャリティーなのに図書館で借りてしまった…。内容は震災とは無関係。豊島ミホのは一人だけ長いだけあって読み応えあった。twitterのアイコンも描いてるのね。

  • ふんわり明るくて、きらりとした小説集。
    すてきです。

  • お初の方が多いアンソロジーにしてはめずらしくどれも面白かった。

  • 山本文緒さん、文章とか言葉使いが好きです。これからの作品、待ってます。

  • 贅沢な一冊だった。自分でポップ書いた通り。

    まず圧倒的に豊島ミホは豊島ミホで嬉しかった。
    戻ってきてくれないかな、切実に。
    あとは彩瀬まるさんがとても印象的。すき。
    柚木さんのもテンポよくて良かったし、
    宮木さんのも確立されててよかった。
    雨の塔と少女病読まないと。

    とにかく自分の環境的にも考えさせられたなあ。
    うーん、でも人間って案外しぶとく何とかして
    生にしがみついて生きてくもんなんだろーな。
    とても贅沢な一冊でした。巻末付録の掲示板見たい(笑)

  • 文緒先生の「残されたつぶやき」にて本書を知りました。

    何か力になりたいと考えた時の手段が「言葉を紡ぐ」に達するなんて、人にしかできない最高峰の手段やん、、、と羨望の眼差し。

    想いが詰まっているし、
    この作品によって被災地にいる誰かの生活が温まったかと思うととてもとても尊い。

    前3作品が無垢感があって、個人的に好きでした。
    そして文緒先生の文章の圧倒的重厚感。

    沢山の作家さんの作品が一気に読めると
    新たな発見があってそれもまた楽しい。

  • 3.11の震災が起きてすぐに、女性作家たちが自分達の力で執筆・編集し、チャリティーの電子書籍として発表したアンソロジーの文庫版にあたる。
    震災という大きなきっかけがあったにも関わらず、まだ災害から日が浅いうちに執筆したためかあえてなのか震災を思わせるようなテーマは一つも出てこない。
    出てくるのは、何かを損なった普通の人達だ。

    離婚した男と売れないグラドル、外国人に焦がれる地味な女子大生、幼馴染との関係に行き詰っている美大生・・・果ては、作家自身である、なんていう売れないモテない女流作家が出てきたりして、内容は恋愛ものから人生の岐路のふとした切なさを切り取ったものなどさまざま。
    難しいこと抜きにして、単純に楽しいアンソロジーとして読んだ。
    23㎝の靴を介した男女のささやかな関係を描いた短編、好きだな。

  • 東日本大震災復興チャリティー同人誌(電子書籍)を文庫化したもの。
    そうとは知らずに、山本文緒さんの作品目当てで購入。
    元々が同人誌なのであとがきも同人感があって私はすきだ。

    アメリカ人とリセエンヌ ★4
    二十三センチの祝福 ★3
    水流と砂金 ★3
    川田伸子の少し特異なやりくち ★3.5
    真智の火のゆくえ★2.5
    私にふさわしいホテル★4
    ばばあのば★3.5
    ボート★3
    子供おばさん★3.5
    少女病 近親者ユキ★3

    文芸あねもね★できるまで物語

  • ★真智の火のゆくえ
    誰のものでもない、自分の意思で決めることが大切。
    考えてみよう、何が大事なのか。自分が求めているものすらわからなくて、どうやって生きていくのだ。

著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

彩瀬まるの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
朝井 リョウ
三浦 しをん
角田 光代
柚木 麻子
村田 沙耶香
湊 かなえ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×