ミラクル (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101361246

感想・レビュー・書評

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  • 大人になるとはどういうことかを,母は生きているという嘘と向き合う少年を通して描く内容.母とは許してくれる存在である,という主張に従って,母親らしい人に向かっていろいろな狼藉を働いて許してくれるかどうかを試すアルの無垢さが印象に残った.私の両親は今に至るまで健在で至って普通の家庭であるが,それ自体が持つ温かみが,そうでない人にとってどう映るかということを,考えさせられる一冊だった.

  • ペンネーム:mii
    アルの健気さが心に沁みる。読むほどにアルの不安に切なくなってきた。自分の小さかった頃には持っていて忘れてしまったピュアな心を少し思い出せたような気がする。切なくも心が温まるような家族の物語だった。

    姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→
    蔵書なし(投稿当時)

  • お話自体はありそうだけれど、読後は心が温かくなる作品。現実の辻さんと息子さんの暮らしが偲ばれる。

  • 悲しい悲しい、でも大事なことが書いてあると感じさせられる本。

    途中アルが痛々しくて辛かった。

    「ママは許してくれる人」「人間はずっとママに許されて生きていくんだよ」
    ふむふむ。

    エンディングが好き。

    好きです。

  • 辻仁成先生はこんな切ない物語を紡ぐんだなぁ。

    2020.0206二回目読了
    中盤から涙が止まらなかった。アルの疑問、自覚のない母への甘え、期待、裏切り、父が抱える辛さ、弱さ。

  • 奇跡とは目に見えるものではなく、心の内側に降る雪のようなものかもしれない。それはやがて積もり、春の訪れとともに溶けていく。(本文より)

  • 父親の役割は許さないこと。母親の役割は許すこと。その役割は、たとえ母が亡くなっても変わらない。だからみんな許されてる。そこに存在すること、これからも生きていくこと、すべて。

  • 絵本のような、そんな切ないファンタジーでした。不思議で暖かくて、挿絵がなんとも言えない気持ちに拍車をかけます。

    本当にオルゴールの中のような?なんだかふと見た夢の中のような、フワフワしたそんな幻想のような一冊です。(*^^*)

    辻仁成の筆力に感服。

    世界がとてももろくもふと入り込んでしまうような危うさが夢中にさせてくれます!!!!

  • 物語は最後の余韻もよく、いい話だったが、辻氏が現在父子家庭であることや、あとがきに載っていた南果歩との間の息子とは現在離れ離れであることなどを知るといろいろと考えてしまう。

  • 子どもにつき続ける大人の優しい嘘

    そして最後
    その大人の優しい嘘に答える
    子どもの優しい嘘

    嘘をつくのは一概に悪いことではない

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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