愛をください (新潮文庫 つ 17-9)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101361291

感想・レビュー・書評

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  • 平均寿命が二十五歳の人たちの世界でも僕は幸福というものが確かにあると信じたい。平均寿命が八十歳の世界にも不幸がちゃんと存在するように。

    私の大好きな言葉です。

    文通形式で進んでいく物語。
    最初は堅苦しい文だったのが、だんだんと友達のような文になっていくのも面白い。
    絶対に会わない。真実だけを語り合う仲。
    モトもリリカもすごく人間臭い。だから良い。
    衝撃的なラスト、再読でも涙が止まらない。

  • 入院中、食堂で読んでいたら、クライマックスで自然に涙が溢れてきました(T_T)

  • ありそうだけど、思いつかない予想外の結末。20年ほど前の価値観を感じる部分はいくつかあるけれど、それでも面白い展開だったし、文通という形式も良かった。綺麗な物語だった。

  • 最後まで読み終わったあと、
    人間だな、切ないな、うんうん、としんみりした。

  • 文通、泣ける。

  • 【本音をさらけ出せる人はいますか】別々の児童養護施設で育った李理香と基次郎。何十億の中から巡り合わせて出逢えた縁。手紙のみ、顔も知らない2人。文通で構成される愛の物語。やっぱり手紙っていいな。言葉だけ会えないままはとても寂しく感じるけれど、心と心で向き合う関係。真実のみを伝えあう文通。その関係は…終盤の展開で静かに涙が出ました。「苦しいことも嬉しいこともどちらも人生にとっては大事なこと」天文学的な縁。宝物。貴重な時間。The time I spend with you is precious.

  • (日本語日本文学科4年 小川さんより)

    『冷静と情熱のあいだ』に代表されるように、情熱的な恋愛を描くイメージのある辻仁成。なんだか、男性の恋愛小説家の作品ってむず痒い感じがして、今まで読まず嫌いをしておりました。
    しかし或る日、ふと思い立って古本屋で手に取ったのがこの『愛をください』です。ネタバレになるので内容は割愛させて頂きますが、一組の男女の手紙のやり取りによって話が進行していきます。これが泣ける、泣ける、泣ける!
    家族愛に、親子愛・・・と愛にはいろいろな形があると思いますがこの二人の間には・・・。とにかく泣ける、というのは保証します。
    最近、ストレス解消に“涙活”なるものが流行っているようですが、涙活のお伴にいかがでしょうか。

  • 積ん読期間がとても長かったが読み終わりました。

    どうしても菅野美穂の顔が出てきちゃうけどラストにはうるっときたよ。

  • 養護施設で愛を知らずに育ち、人を信じることができなくなってしまった李理香。生きる意味も分からなくなり、自殺未遂を何度か繰り返していた。
    そんな李理香の前に突然届いた一通の手紙。同じような境遇を持つ基次郎という存在。しかし、それは文通の中だけの繋がりという不思議な関係。
    18歳で施設を出なければならない李理香を文通を通して基次郎が励まし、導いていく。

    文通で話が進んでいく事によって、別々の場所で生きている2人の世界が次々と切り替わりながら進んでいく。

    愛とは何なのか、生きるとはどういう事なのか。そんな事を問いかけてくる内容であったように思う。
    また、生きていると幸福な事ばかりではなく辛いこともある人間の世界。そんな世をどう生きていくのか。対象的に死んでいく間際の人は何を思い生きようとするのか、ということも考えさせられる内容だった。
    本書の内容は、美しく綺麗に書かれていたが、人間の生々しさが伝わる内容であったと思う。

  • 文通の手紙の文面が、まるで朗読劇のように、2人を支え合う。1回めはその物語の優しさに共感し、2回めはその裏にある強さと優しさを感じられる。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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