私の銀座 (新潮文庫 き 34-1)

制作 : 「銀座百点」編集部 
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101361819

作品紹介・あらすじ

「銀座のかおりを届ける雑誌」として1955年に産声を上げた、日本初のタウン誌「銀座百点」。現在も発行され続けており、中でも各界著名人が筆を執った巻頭エッセイは妙味に富む。ノーベル賞や芥川・直木賞受賞者、映画監督、漫画家、料理研究家、そして銀幕のスターたち…創刊当時より誌面を飾った数々の名エッセイから厳選。時代を彩った60名が一堂に会した、傑作アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 1955年(昭和30年)に創刊された銀座のタウン誌「銀座百点」には毎号、各界の有名人によるエッセイが掲載されており、本書は、1957〜2010年というロングスパンの中から、厳選されたエッセイ集。
    執筆者は、作家、映画監督、俳優、役者、漫画家など、錚々たる面々、計60名。
    昭和世代の一般人から見る銀座は、他の街には代えることの出来ない特別なハレのオトナの街。それは著名人からみても、やはりそう思える場所らしい。
    著名人故に所謂自慢話で終わる内容のものは少なく、それぞれの視点から語られる銀座のイメージ、町並み、思い出の数々が語られる。
    なお、タイトル及び出典元からして、当然、銀座に纏わる内容ばかり…。と思いきや、中には全く関係ないものもチラホラ。ただ、そういうのは大体は大御所クラスによるものだけれども、それはそれで大御所ならではの読み応えのあるものだったり。

  • とても面白い!豪華すぎる!必読です。

    三島由紀夫→銀座の街並みについての考察が1961年のものとは思えないほど先見の明に満ちています。

    大江健三郎→小説は難解で、私の読解力では読めないのですが、エッセイがこんなにユーモアたっぷりとは。

    遠藤周作→エッセイの枠を超えて、もはやショート・ショートです。

    淀川長治→銀座のお店情報が興味深い。

    向田邦子→澤地久枝先生とお友達だったことを初めて知りました。

    城山三郎→せっかちな人だったなんて、意外でした。

    植村直己→「母が亡くなって、気がかりなことが減った」って…。冒険家はやっぱり違うわ。

    北杜夫→「銀座百点」にこんなキタナイ話を載せるところがさすがです(笑)。

    村上春樹→若い頃の村上春樹の文章が瑞々しすぎる!

    戸田奈津子→意訳の話。「ブラボー」についての話。勉強になります。

    宮本輝→爆笑しました。この本のなかで一番好きなエッセイでした。

    松本幸四郎→楽屋泥棒の話。

    小林カツ代→お嬢様だったと初めて知りました。この人生、朝ドラになりそう。

    児玉清→ターシャ・テューダーが同年代だと。児玉清のほうが若い感じがしますね。児玉さんの謙虚さを感じるエッセイでした。

    町田康→ここでも町田節!やっぱり好き。

    佐野史郎→文章が上手くて驚きました。

  • タウン誌 銀座百点 「私の銀座」1957年〜2010年 アンソロジー

    エッセイを書く面々が凄いので「銀座とは何か」みたいな論評も期待したが、期待外れだった。

    有名作家たちの豪遊とか、行きつけの店とか、昔の銀座の姿とか の話も聞きたかったが、これも期待外れだった。散歩とブランド力のエッセイばかりで 印象に残らなかった。


    立川談志が銀座のクラブで稼ぎまくった話は 面白かった。それにしても クラブで 寄席をやって 落語を聞く客いるのだろうか?


    作家じゃない人のエッセイの方が 「銀座とは何か」の示唆があって 印象に残る
    *淀川長治「商人と客に心のつながりがある銀座」
    *三國連太郎「銀座に孤舟を繋ぐ故園の心を感じる」
    *水野真紀 「人間から欲が消えない限り、銀座は変化し続ける」


    城山三郎 「銀座をジャランジャランで歩く」オノマトペ的な言葉に驚いた。ブラブラというより、ジャランジャランといった感覚で歩き、立ち止まり、しゃべり、楽しむ銀座。


  • 東京に旅をする前に、以前歩いた銀座を思い出し、手に取ってみた。
    初めて行った銀座では、ブランドイメージより個性が際立っていた資生堂の地下で若い作家の手による絵画作品を鑑賞して豊かな時間を貰い、次の銀座では、歩行者天国の広い一本道を大切な人と歩いた。
    着飾った大人らしい大人、笑顔が弾ける若い女性、全員が目を輝かせながら高いビルを思い思いの方向を向きながら指差す家族。
    私の記憶では、銀座とゆう街はイメージで彩られた空間や場所であった。
    この本では、あらゆる人々の様々な銀座や物語、人生の断片が切り取られている。
    銀座に纏わる話だけではなく、ある人は高い山の頂きから見渡し、ある人は広い外国から眺め、ある人は舞台の袖を語り。
    中でも、文豪と呼ばれる作家よりも俳優や舞台に立つ人の話の方が、なぜか味わい深く、馴染みのない昔日の人々や、知らないはずの懐かしさを感じさせてくれるエッセイを数多く綴っているのが読んでいて気持ちが和んだ。
    日常を送る中で読んでも、少なからず旅情に浸れます。
    プロばかりではなく、色んな人が書いているからこそ、人々が感じてきた日本の時代の流れの断片も知ることができる。

  • 様々な著名人が執筆してきた「銀座百点」(銀座のお店で作る『銀座百点会』が発行しているタウン誌)の巻頭エッセイ
    。その中の傑作エッセイ60本を集めた本。

    結構いろいろな人が書いている。歌舞伎役者、漫画家、料理研究家などなど。

    やはり何らかの形で銀座に触れているものが多いが、中にはまったく銀座とは関係なさそうなことを書いている人も。
    自由。そういうかんじでいいんだろうな。そういうところが、長く続いている理由なのかもしれない(1955年から現在まで刊行中)。

  • 「銀座のかおりを届ける雑誌」として刊行されている『銀座百店』。そこで掲載されたエッセイを集めたもの。執筆陣が作家はもちろん、映画監督、俳優、などなど多彩で、それこそ「銀座」に象徴される絢爛豪華なオールスター然として面白いです。
    内容は銀座に関する思い出が大半を占める中、そうでないものも多く見られ、どういう基準で選ばれたのか不思議に思う部分もあります。古い時代のものから順に掲載されているので、時代の移り変わりを見るのも面白いです。しかし古い時代のものでも時代が変わったことを書かれたものも多く、人は思い出に生きるものなのかとの想いを抱いたりも。そんな中で銀座は変わらないものとしての象徴であり、変わりゆくものとしての象徴でもあるのが面白いですね。それだけそれぞれの銀座への想いは強いということでしょうか。そしてまた同じく銀座を書かれたものでも書き手によって街を書いているものと、書き手自身を書いているものがあり、書き手の個性も見て取れます。
    僕自身銀座は数回遊びに行った程度ですが、それでも素敵な街だという印象が強いですね。シュッとした感じでいながら懐深くどんな人でも受け容れるような感覚を抱きました。ただぶらりと歩くだけでも楽しいのですね。だからこそ「銀ぶら」という言葉も生まれるのでしょうね。

  • 図書館で。
    色々な方の銀座観…と時々他のエッセイ。
    宮本輝さんの随筆は面白かったです。後、新田次郎の奥さんは藤原ていさんですよね?確かに怖かっただろうな…

    今は銀座も大きな百貨店がにょきにょきしているイメージですが昔は小さいながらも古くから営業している老舗が多かったのかなぁ。昔の銀座も面白かっただろうな。今の海外ブランドがひしめいている銀座もそれなりに面白いと思うけど。

  • まったく銀座のことに触れていない、児玉清氏の「思いどおりの人生とは」が一番印象に残りました。私も会社員として定年が身近に感じられるようになってきましたので、第二の人生をどのように生きるか今からじっくり考えてみたいと思いました。

  • 著者のラインナップが凄い。

  • 914.6
    少々流し読み

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