妻を看取る日: 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録 (新潮文庫 か 63-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101362410

作品紹介・あらすじ

駆け落ちまでした恋女房と40年、やっとのんびりできると思った定年間近。リンゴの種ほどの影が妻を襲う。がんは猛烈な勢いで命を奪っていった。がんの専門医でありながら最愛の人を救えなかった無力感と喪失感-著者は酒に溺れ、うつ状態に陥り、ついには自死まで考えるようになる。その絶望の淵から医師はいかにして立ち直ったのか、心の軌跡を赤裸々に綴った慟哭と再生の体験記。

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    パンドラの箱に残った希望の輝き。客観的に癌を診察することと主観的に癌患者と向き合うこと。全く異なる癌との向き合い方を経験する。再生の物語。

  • がんセンター医師とがん発症により命を落とした妻の話し。
    特に印象的だったのが妻が大の排泄処理を筆者に行ってもらった点。
    排泄は人間の尊厳に大きく関わるからこそ妻は主人を信頼し頼っている話は心打たれた。

  • 妻の死に奈落の淵に落ち、這い上がっていく医師。多くの人が同じような苦しみを味わうことに、経験から参考となる事例を提供する。心身ともに強い人である。2019.8.24

  • 共感するところが多く、読んでよかった。
    まだふたりとも元気だけど、大切にしないと。

  • すごく読みやすかった。死生観とかよりも、なぜこれほど愛情深く夫婦を長年続けられたのかが気になった。最後は自分の足でたたなければいけない…まさにその通りだと思う。

  • 65歳以上の単独世帯は、平成12年には39万世帯だったのが25年後の平成37年には87万世帯になるという。

    伴侶が病に侵され、死にゆく姿を自分が看取ることになったら・・・
    そして、その空虚で孤独な、壮絶な悲しみをどう乗り越えるのか。
    1人の人生をどう歩むのか。

    それは、2人で歩む「今」をどう生きるかによっても変わってくると思った。
    2人で語り、笑い、旅して、たくさんの思いを共有していきたい。
    それが、別れを辛くもするが、その後の孤独を埋めてくれるのでもあると思う。


    この本を読んだら、私は主人より先には死ねないな、としみじみ感じた・・・

  • 医師で、ビッグネーム。
    強靭で動じない鉄の心を持っていそうに見える。
    人は、強そうに見えてそうではないものだ。
    絆を断ち切られる。そんな辛い経験と
    それを、徐々に克服してゆくという
    ある意味告白は、非常に胸を打ちます。

  • 実話なのでリアリティがある。
    しかしながら、内容が希薄。
    感情移入がし難かった。

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著者プロフィール

1941年生まれ。東京大学医学部卒業。同大学医学部泌尿器科文部教官助手をつとめながら、がんの基礎研究に携わる。75年、国立がんセンター勤務。病院手術部長、病院長、中央病院長などを経て、2002年、国立がんセンター総長、07年、同センター名誉総長となる。現在、日本対がん協会会長。著書に、『前立腺がんで死なないために』(読売新聞社)、『妻を看取る日 国立がんセンター名誉総長の喪失と再生の記録』『悲しみの中にいる、あなたへの処方箋』(新潮社)他多数。

「2019年 『亡き妻と歩いた四国巡礼日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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