警察庁長官を撃った男 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101362816

感想・レビュー・書評

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  • 丹念でち密な調査がうかがわれ、一気に読んでしまった。考えさせられることの多い作品。

  • 120730

  • 私の知らない世界の住人の話だと思いました。勿論、驚きの意味で。

  • 警察内部の罪。人間、いくつになっても容易に変わるものじゃないな・・・という気がしました。

  • 保有状況:譲渡&購入日:41089&購入金額:620

  • 「実行犯は不詳、支援者も不詳。でも、これはオム真理教の犯行
    です」。国松警察庁長官狙撃事件の時効数日前、特捜本部は
    東京地検に書類送致を行った。

    これについては先日、オウム真理教から名を変えたアレフが
    名誉棄損訴訟を起こし勝訴したとのニュースが流れた。

    首都東京を恐怖と混乱に陥れた地下鉄サリン事件の後の狙撃
    事件だったので、あの当時は教団の犯行だと言われれば疑う
    人はすくなかったろう。現役警察官にも信者がいたことだし。

    狙撃事件の捜査を担ったのは警視庁公安部。証拠を積み重ねて
    捜査に当たる刑事部とは違い、彼らは「まず犯人ありき」で捜査を
    進める。

    しかし、使用されたと思しき銃や弾丸とオウムとの繋がりがまったく
    出て来ない。それでも公安部はオウム犯行説に固執する。

    そんななか「私が撃ちました」と名乗り出る男が現れた。既に違う
    事件を起こし獄中にいるそお男は、やはり解決を見ていない八王子
    でのスーパーで女性3人が射殺された事件の際にも名前が取り沙汰
    された老スナイパーだった。

    本書は公安部がこだわったオウム捜査と、刑事部が独自に捜査を
    積み重ねた老スナイパー関連の証拠を対比させ、どちらに真実味が
    あるかを検証している。

    革命の英雄、チェ・ゲバラに憧れて地下活動に邁進して来たと述べる
    老スナイパーの足跡は非常に興味深い。そして、実態が明かされない
    彼の共犯者も。

    内容は面白いんだが、本書には決定的な瑕疵がある。文章が読み
    難いっ!

  • 最初に頭に浮かんだのがデ・ニーロ演じる『タクシードライバー』の孤独な主人公。読み進める内に、戦争でも始めるかのような人間武器庫振りに“ランボー”の原作『一人だけの軍隊』を思う。それなら、その謎に包まれた地下活動と卓越した射撃能力はゴルゴ13か?但、本書は純然たるノンフィクションであり、彼も銀幕のヒーローではなく、一介のテロリストかつ犯罪者に過ぎない。銃器密輸と要人テロを完璧にやってのけるにも拘わらず、寄る年波に勝てず接近戦には弱かった。東大中退でノーベル賞級の頭脳を持ち、チェ・ゲバラを夢見た老詩人の半生。

  • 何だか

  • 著者の無念が滲み出ていて、読者としてもいたたまれない気持ちになる。本当にここまで真実が強く推定される状況でも司法手続きの壁は立ちふさがってしまうものなのか。そうであるなら、警察はもちろん、、検察にも期待できそうにもない。そのための検察審査会も、制度として効果的なのかには大きな疑問がある。
    司法制度を、民意を基礎に構築するのは歴史に照らしても失敗が強く推定されるが、この場合は参考にすべきところも多いのではないか。
    警察、検察のメンツや組織維持のための司法制度になることを防ぐ手だてを、もう少し検討する必要があると感じた。

  • 国松警察庁長官が撃たれたあの事件は、一連のオウム真理教の事件で騒然とする世の中にさらなる衝撃を与え、何かとんでもないことが起きたんだなとまだ中学生だった自分にもしっかりと感じられた事件だった。てっきりオウム真理教の犯行だとばっかり思っていたがどうやら違うらしい。まさに公安のプロパガンダに乗せられていたわけね。
    立花隆がオススメするだけあってなかなか読み応えがある本。
    思い込みと保身がどれだけ害悪かよくわかる本。

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