日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

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著者 : 森下典子
  • 新潮社 (2008年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101363516

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日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • いい本に出逢えたとしみじみ思います。

    まず”第一章「自分は何も知らない」ということを知る”
    この言葉に引き込まれました。
    茶道のお稽古を通して感じた、さまざまな気づき、続けることの意味や大切さが書かれています。

    また、出てくる四季折々のお茶菓子が、とても美しくておいしそう。
    (和菓子好きにはたまりません♪)

    そしてお茶会で出会った「水仙」の花を思わせる、楚々とした老婦人。
    グループで動く女性が多い中で、清々と一人で行動されていて
    「お勉強って、本当に楽しいわね」とチャーミングに微笑まれた。
    森下さんも(こんなふうになれたらいいなあ)と思われたようですが…同感です。

    立ち姿や、おじぎの綺麗な女性に、とても憧れます。
    自然と身に付いた所作というものは、
    その人の、人となりを表しているような気がして。

    『日日是好日』毎日がよい日…。
    今の自分に足りない何かを教えてもらった気がします。

    梅雨の季節に「雨の日は雨を聴くこと」を読めたことに”感謝”です。
    折にふれ、何度も読み返すと思います。

  • これは、ものすごくよかったです。
    20歳から25年お茶を続けた著者が綴った、お茶の世界。小難しい話は一切なくて、始めたばかりの頃の「なぜ?」という疑問や驚き、少しずつ広がりを見せていくお茶の世界、研ぎ澄まされていく五感…縁のなかったお茶の世界を知れて、その深さにとても感動しました。
    読み返そうとして、鳥肌が立ってしまうくらい。

    追体験したお茶の世界は、とっても不思議。
    「頭で考えない」「覚えない」と、お茶の先生が言うことは、学校の先生が言うこととはまったく違う。
    後にそれは、10年20年の流れで物事を見ているからだと気づかされます。詰め込みで知識や解法を頭に入れるのではなく、自分で気付く学びの喜びを知る。
    生き急いでいては思いもつかないくらい長く、優しい目で人の成長を見守る視点に、なんだか尊いものを感じました。

    それから季節のこと。
    「春夏秋冬」の四季は、古の暦では24に分けられていたんですよね。
    肌で季節を感じられるようになると、実際に季節は4つではなく、日々移り変わっているのを感じられるようです。道に咲く花や空気の湿り具合、空の高さなど、季節を感じるものはこんなにも溢れていたのに…意識を向けるだけで肌に感じるものが全然違うんですね。

    季節が巡るように、暑い日や寒い日も人生にはあって、同じ日は1日もない。
    どんな日も、その日を存分に味わう。
    日日是好日…毎日が、いい日。
    最後にその言葉が染み込んで、心が震えた。

    読めて本当に幸せでした。

  • 久しぶりに自分にとっていいと思う本を見つけました。この本を読んでいると、茶道を習いたくなるのはもちろん、何事に対しても継続することの意味、またそこにある本当の自由について考えさせられます。終わりのない世界で成長し続ける、私も約15年、書道を続けてきたので著者の考えや思いに共感させられる場面が多々ありました。他人と比べずに、以前の自分と比較する。何年経っても上手にならず、まともに勉強もせずにだらだらと続けていた書道にも私は一旦区切りをつけました。書道から離れた今だこそわかります。機会があればもう一度始めたいと思います。茶道にもとても興味があります。たった1つの空間で、四季を感じ、五感で感じ、なんて不思議なんでしょう。茶道も是非、味わってみたい世界の一つです。

  • 2014年に読んだ中で一番良かった本。読み終えて、ああ、これから私はこの本を何回も読み返しながら生きていくんだろうなあ、と感じた。そう思えるような本に出会えることってなかなかない。

    著者の森下さんは厳しいお茶の作法に何度もめげそうになるのだが、ふとした瞬間に、「今、ここに生きている」というお茶の喜びに気付く。その時の文章が素晴らしい。

    “雨は、降りしきっていた。私は息づまるような感動の中に座っていた。
    雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう。……どんな日も、その日を思う存分味わう。
    「お茶」とはそういう生き方なのだ。“

    無駄だと思えるような人生の出来事にも、きっと意味がある。だから、長い目で「今この時」を生きること。
    森下さんなりの「日日是好日」の解釈が素敵だ。

  • 文庫本で250ページほどの小さな本だが、「お茶」ってこういうものだったんだと自然に共感することが何度もある、すてきなエッセイ。著者は、お茶の稽古を毎週続けて25年。その間、二十歳の大学生も人生のさまざまな時を経るが、そばにいつもお茶があった。副題となっている『「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』がそのまま各章のタイトルとなっている。

    1.「自分は何も知らない」ということを知る
    2.頭で考えようとしないこと
    3.「今」に気持ちを集中すること
    4.見て感じること
    5.たくさんの「本物」を見ること
    6.季節を味わうこと
    7.五感で自然とつながること
    8.今、ここにいること
    9.自然に身を任せ、時を過ごすこと
    10.このままでよい、ということ
    11.別れは必ずやってくること
    12.自分の内側に耳をすますこと
    13,雨の日は、雨を聴くこと
    14.成長を待つこと
    15.長い目で今を生きること

    都会の真ん中に生まれて育った私にふるさとはない・・・けれど、この本に登場する景色や音、におい。。などに触れるとふと自分の幼いときの何かを思い出させてくれるような気がする。「雨の日は、雨を聴く」。庭のヤツデの葉にあたる元気な雨の音や、冬の日にお湯が沸くあたたかな音に気づいた著者の五感は、読者の共感を呼び覚ます。

  • たまたま書店で平積みしていて手に取った本。
    半日で一気に読んでしまった。

    特段の思い入れがあった訳ではないけれども、茶道を始めて25年も続けてきた著者がその中で得た気付き、価値観の変化を読み易い文体で綴っている。
    まるで著者の人生にお茶が寄り添う様に流れて行く。

    世の中には、すぐ分かるものと、すぐには分からないものがあるという。
    私はこれまですぐ分かるものだけを処理していた。いや、分からないものに出会った時、分からないという事実を無意識に黙殺し、一面的な理解を押し付けて分かった振りをしたがっていた。
    対して著者は、分からないことへのストレスを感じながらもそれを続け、新たな発見をする度に、徐々に分からないということを受け入れていった。

    私が高校生の時に習った茶道は形式だけだった、私は何も分かっていなかったと、今更ながら恥じ入る思いだ。
    そして反対に、その未知の世界には沢山の(もしかしたら無限の)宝石が隠れているんだと分かったことが、収穫だった。

  • 何度も読んでる。。はじめて読んだときは、季節をもっと感じようと思った。茶道が、「形」を繰り返すことで、「心」こそ大切であること教えてるもの。人生は、自分で考えて自分で決めるもの。。読むたびに茶道へ祖母や母が憧れてきたのが感じれる。

  • すばらしい一冊。お茶の本には留まらない。ビルの中でほとんどの時間働く私に、五感を研ぎ澄まして、四季を自然の美しさを感じることの素晴らしさを思い出させてくれた。

  • 長年に渡って続けてきた、週に一度の「お茶」の稽古を軸に
    人生の挫折や迷い・悩み、そして気付きや感動を綴ったエッセイ。

    エッセイというジャンルはあまり読まないのですが
    この本については、ひょんな切っ掛けで偶然知り、興味を持って手に取り、
    なんというか……感動して、これまでに何度も読み返しました。

    引用したい箇所はいくらでもあるし、
    読んでいてハッとしたり、ホッとした箇所も、挙げたらキリがない。
    読む度に新しい発見があります。

    私自身「お茶」は好きで、和菓子も好きで、
    ただ、稽古に通ったとか、そういった経験は全くなく、
    作法についても無知に等しい。
    それでも、そんな人でも気軽に読めるし、
    「お茶」の話ではあっても
    広く人生全般に通じる学びに満ちていると思います。



    例えば、本を読んで何かを感じて……あるいは何も感じなくても、
    それは全て、読んだその人の自由であって
    どう感じても良いのだと、改めて気付きました。

    これまで、このブクログのレビューも、
    他の方の書いたものを読むことはあっても
    書く方となると、なんとなく躊躇してしまう気持ちがあって……
    ですが、上手いことが書けなくても
    そのとき自分が感じたことを自由に書けばいいんだ、と思えました。



    普段、読書をするとき、
    今はこういうジャンル・雰囲気の本が読みたい!とか
    気分みたいなものがあるけれど
    この本には、いつ読んでも良い感じに引き込まれるし、
    読み終えると、心が穏やかになって、すっきり軽くなって、……
    よし、前向きに頑張ろうっていう気持ちにしてくれる。
    そんな所も、この本の好きな所の一つです。

    これからも、きっとまた読み返すだろうな。

  • 作者のお茶の体験を追体験させてくれる文章。すらすらと読むことができて、それでいて深い日常の気づきを示唆してくれた。
    作者自身の生きていく上での具体的なリアルな悩みが、ところどころに綴られていて、お茶を通してどう考えたのか、教えてくれる。

  •  ……で、こちらが知人が贈ってくださった一冊(笑)。
    (詳細はこちら → http://booklog.jp/item/1/4870314916)

     茶道についての知識はなんとなく(必修教養で半年やった程度)、和菓子もぐもぐおいしいです、程度の自分でも、読み終わったあとに「ちょっと茶道やってみようかなあ」と思わせる。
     つまり、上品な中にもこちらの心をわしづかみにかかってくる、文章力のすさまじさ――― 言葉の持つ威力の恐ろしさを存分に味わうことができる一冊。いや、面白いのですけれど。

     答えをすべて言わないこと。自分で考えてみつけること。
     理想ではあるけれど、時間(スピード)をなによりも重要視する現代日本の生活では、なかなかこれがむずかしい。そんなことも思ったり。

  • なんとなく惹かれなんとなく買った本、なのにずっと積読になっていたのだけどmixiでこの本の話を連続で見聞きし、そういえばと読み始めました。温かい日差しの公園で読むにはぴったりの本でした。

    道端に咲いている草花、雨が降る直前の空気の匂い、風が梢を鳴らす音、川面に流れる水の音、それに季節ごとの空気の温度や湿度。
    床の間の掛け軸に書かれた書、お茶と一緒に出される和菓子の種類にも
    その場や季節、参加している人に相応しい内容と意味がある。
    私はお茶をきちんと習ったことはないけれど、お茶って、日本の文化って、こんなにスゴイんだって思った。こんなに美しく凛としていて、こんなに深い中身のあるものなんだって。
    先生は「形にあとから心を入れる」と教え、ひたすら繰り返させたそうだ。学ぶことには好奇心も必要だけれど、「なぜ」が必ずしも必要ではなく、後からその「なぜ」を自分で気付くことも大切なことなのでしょう。
    心にしみる言葉がたくさんたくさん散りばめられているステキなエッセイです。
    私も自然とお茶をしてみたいなと思いました。

  • 茶道の事についての本なのですが、それだけではありません。
    茶道をとおして見えてきたいろんな事について書かれています。

    私は茶道を習った事がありませんが、それでも楽しめる本でした。

  • ことしの一冊の候補筆頭。すばらしい視点と軽やかな文体。柳家小三治の解説もいい。

    【いちぶん】
    雨は、降りしきっていた。私は息づまるような感動の中に座っていた。雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう。……どんな日も、その日を存分味わう。
    お茶とは、そういう「生き方」なのだ。
    そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、その状況を楽しんで生きていけるかもしれないのだ。

  • 「ここにいるだけでよい」「いま、生きている」

  • 大学時代から茶道を習い始めた筆者が見聞きしてきた、茶道を通じて学ぶ人生に役立つ様々な「感覚」と呼んで良いようなもの。
    茶道の話であり、人間観察の話でもある。
    凛とした生き方に通じる指南の書、という感じ。

  • 副題を読んで「お茶か〜…」と思ったが、気になっていた本だったので、書店で何となく手にとって冒頭を読んでみた。
    解説にもあるように、「雨が生ぬるく匂ってくる」という一文だけで、肌に感じる湿気、土が濡れた匂い、梅雨の温度、あの情景が感じられる。
    一文一文の文体が柔らかく、とても読みやすい。
    お茶の本で、お茶のお稽古の事がほとんどなのだけれど、四季を感じること、歳を重ねること、生きること、色んな事が詰まっている。
    読んでよかった。せわしなく生きる日々の休息に読んでほしい。そして、日本に生きていること、四季があることを実感してほしい。日日是好日である。

  • 登場人物が魅力的で、文体も読みやすい。森さんが悩んでいたり、経験したことにとても共感し、ほっとした。少し前まで会えた人に突然会えなくなることを思い、涙が出た。私が「ひょんなこと」から始めた、出会ったなにかが、森さんのお茶のようなものになればいいな。

    最初はわからなかったことにあとからたくさん気づくのが「お茶」/音をたてることで飲みきったことがわかる/裏千家は泡をあまり立てない流派/正客は、他の客が聞きたいことを聞いて、座を盛り上げる役目もある/茶道具は洒落と頓智にあふれている/掛け軸は読むものではなく、感じるもの/茶花のない季節はない/お茶は細部にわたるこだわりの集合/掛け軸は人生の季節も表現する/同じことでも、人の心をゆさぶれるほど、何かをできる人は少ない/茶事で、いままで学んだ断片的なことがつながる/悪い季節、悪い天気はなく、それぞれがよいとき。それが日日是好日/巨大なプレッシャーを抱える戦国無双たちは、お茶室の無を求めたのかもしれない/人の胸のうちは、見えない

  • 多分私は一生、この本を読み続けると思う。何度も何度も。

  • 気づくこと。一生涯、自分の成長に気づき続けること。

  • お茶の稽古をやめたくなったら読んでみると良い。

  • 20歳の時から25年間、茶道を学んできた著者のエッセイ

    時には無駄にも思える数々の細かい決まりごとや所作、全てに意味がある。

    うまくいかない就活、父の死、大失恋、人生への失望などを乗り越える時、傍らにはいつもお茶があった

    ずっと続いてきた日本文化にはやはり大きな意味と力があるのだとしみじみ思えた

  • 素晴らしい本だった。茶道を長く習う著者が、お茶を通して気づいた人生の様々なことについて綴っている。
    人生の節目や挫折の局面で、お茶は筆者にそっと寄り添い、答えを自ら見つけさせてくれる。私は茶道のことも何も知らないが、筆者がとても素晴らしい先生を持っていることは伝わってくる。お茶と日本の季節の関係、お道具や掛け軸、和菓子。お茶をやっている人は、人生を丁寧に生きているのかもしれないと思った。
    筆者は、お茶のお稽古での様子を淡々と描写するだけだが、この本を読むと、茶道を習ってみたくなる。一度でも、客人として招かれてみたい。
    文章は清々しく、心地よい柔らかさがある。ぜひお勧めしたい一冊である。

  • 『猫といっしょにいるだけで』で森下さんの本と出会い、なんて柔らかくて丁寧な文章を書かれる方なのだろうだと思いました。
    その後、この本を知り是非読んでみたいと手に取りました。

    森下さんのように学校の成績が良かった訳でもなく、努力する良い子でもなかった私が、なぜ森下さんに共感し惹かれるのか?その答えがこの本の中にありました。
    もし明るく前向きになる事が苦手で、自分に答えが出ないと悩んでいる方がいらしたら、是非、読んでみてください。
    最後の章「長い目で今を生きること」にきっと辿り着けると思います。

    解説の柳谷小三治さんは“この本はお茶の事を書いているけれどお茶の本ではない”と書かれていました。
    私自身、お茶の知識など何もありませんでしたが、それほど気にもならず読み進められました。

    自分の内側と折り合いが付けられず考え込んでしまった時、「これでいいんだ」と思えるように、これからもずっと読み返したい本です。

  • 本屋さんで平積みされているのを見て堪らずにジャケ買い。とは言えお茶の嗜みなどなくもっぱらフラペチーノやケーキなど抹茶スイーツが専門の私。読みきれるのかと一抹の不安を抱えて読み始める。
    面白かった。これほど決まり事の多いお茶の世界でも口で教えてもらう事はそのほんの一握りの事であとは如何に自分で気づけるかどうか。3年後なのか20年後なのかは人それぞれで、だけど何年かかろうとも自分で気づくと言う事がなによりも大切でそして面白い。気づく喜びを奪わない指導の仕方ってきっと凄くもどかしいんだろうなぁ。それが教える事が教わる事になるんだろうと思う。
    三日月みたいって思って手に取った事がちょっと嬉しかったです。

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日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)の作品紹介

お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる…季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。

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