ネトゲ廃人 (新潮文庫)

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著者 : 芦崎治
  • 新潮社 (2012年4月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101363615

ネトゲ廃人 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ネットゲームに膨大な時間を費やしてバーチャルの世界に生きる者、「ネトゲ廃人」
    中国や韓国では、広範囲にわたって大都市のネットカフェで死亡が確認されている。
    そんな、リアル(現実)の生活を犠牲にしてまで、ゲームの仮想世界に埋没するネット廃人へを取材すべく、北海道から九州まで著者がゲーム中毒者の実態に迫る。

    一体何がそんなに彼らを魅了するのだろうかと、通常であれば考えるかもしれない。
    けれど、私も高校2年から大学2年までどっぷりネットゲームにハマった経験があるから、随分身近なこととして読みました。
    時間があって、現実に満足できていない人がいたら、ネットゲームにハマるのなんてあっという間です。
    終わりがなく、時間をかければかける程強くなれるゲームは、時間をかける程に抜け出せなくなる。

    私が抜け出せたのは、単に運がよかったから。家の事情で一人暮らしをすることになり物理的に離れられたことが一番大きかった。
    本書に登場する人たちも、ふとしたことから現実の世界に戻った人もいれば、今もネトゲの世界をベースに生きている人もいる。

    私も含め共通しているのは皆、異口同音に「自分が親だったら、子どもには、やらせない」と言っているところ。
    それからもう1つ同意したのが、「自他の境界のなさ」
    ネトゲの世界は人との距離感も独特。それに慣れてしまうと、動物の本能として備わっている警戒心も欠如してしまうかのよう。

    今のゲームは映像が美しいからか、ネトゲの世界だけで満足してしまうことは容易かもしれない。なんせ、少ない体力でも大冒険ができて、ヒーローになれるネトゲは魅力的だ。自分も何もかも放り出してネトゲの世界に入り浸りたいと思うことが未だにある。けれど、踏みとどまって、リアルの世界で奮闘している。
    リアルの世界の方が難易度は高いけど、楽しいことはいくらでも自分で作り出せるし、何より経験だったり、お金だったり、実績だったり、手元に残るものが多いことが嬉しい。

  • 自称「元ネトゲ廃人」さんたちのインタビューと韓国のインターネット中毒治療を綴った本。
     インタビュー中心でライター個人の自説は控えめだといくつかのレビューは紹介していますが、著者の意見は繰り返し書かれています。
     ・誰でもネトゲ廃人に成り得ること。
     ・子供のネット利用を保護者は管理する必要があること。
     ・中毒は成人こそが危ないこと。
    インタビューは、ネトゲ経験のない読者でも主旨を見失うことが無いように要点を整理して紹介している。
     でも、紹介してある事例が軽いわけではないです。
     たとえば「トイレすら自室で済ますようになった」とだけ書いて話を先に進めるという具合です。小説みたいに臨場感溢れる表現は無く、怖いことも20字程度で簡易に書いてあるので、想像力の欠落した人には書かれている事例の怖さや事態の深刻さの読み取りは難しいかもしれません。

  • まさに社会が抱える大病だ。ネトゲは麻薬よりも麻薬たりえている。百害あって一利なし。ネトゲは人間を殺し初めている。
    (既にネトゲによって命を落とした者も少なくない)

    ネトゲ廃人(一部で廃レベルや廃神とも呼ばれる)と化した人はまともな生活を喪い、思考のすべてがゲームを中心として動いてしまっている。
    多くの人は鬱病を始めとして適応障害、ADHD(注意欠陥他動性障害)等の精神疾患を抱え、家に籠りきりになることが多いので肉体的な衰えも著しい。
    ネトゲを規制する法案の策定やネトゲ中毒者社会復帰援助の体制を整えることが急務であろう。

    またネトゲは個人にとって不利益になるばかりでなく、共同体の秩序維持や国家的な競争力低下にも大きく影響していると思われる。
    (学力低下、労働力人口の減少、ゲーム産業に資金が過剰に流れ込むことに起因する他産業の業績不振、GDP低下 etc.)

  • 期待外れ感が否めない。

    ネトゲやったことないおじさんが自称「元ネトゲ廃人」達にインタビューしてみたよ!というだけな気がする。

    斯く言う私も「廃人」ではないものの、リ○リーやらピ○やらで幾許かの課金経験者。
    1つのアイテムがリアルマネーで100円くらいだったらガチャポン1回分だしまあいっか!的にズルズル払っていって、気がついたら数千円分突っ込んでた程度だからかわいいものだが、それ以上にPCの前に張り付いている時間がヤバかった。
    明らかに小学生みたいなアバターが突発的に繰り出す奇行や珍発言を生温かく観察するのにハマっていた為であるが、起きている間はずっとログインしっ放しだったし、一歩間違えば自分も……という危機感がないではない。

    それはともかく、大人も子供もネトゲにハマる原因を「家庭環境」に求めてしまうのは如何なものか。些か短絡的では?と思わずにいられないんですけど、どんなもんなんでしょう。

    ネトゲ先進国の韓国の実情とか取り組みとかも取材されているそうですが、それがどの程度日本にとっても有益かはわかりませんね。

      ネットゲームにはまらない方法ってありますか?
     「やらないことです」

    ↑もうコレ言っちゃったら身も蓋もないから。

  • 少し前だが、未成年がネットゲームのアイテム欲しさに多額の課金を
    していることが問題になった。本書はそれが問題化する以前の作品
    なので課金問題には触れていないが、その前兆のようなものは感じ
    とれる。

    本書で著者のインタビューに答えている元ゲーマーや現ゲーマー
    も、ゲームを始めたのはほんの暇つぶし等の軽い気持ちだった。

    それが寝食も忘れさせるものになるのに、時間はかからなかった。
    ゲームにかける時間が長ければ長いほど、ゲーム内でのレベルは
    あがる。それに、数人のグループで敵に対するゲームでは自分が
    抜けてしまっては仲間に迷惑がかかる。

    悪循環である。ゲームに割く時間が増える一方で、それ以外の
    ことはすべて犠牲になる。子育てさえもだ。確か、ゲームに夢中に
    なった母親が子供を死なせたなんて事件もあったな。

    IT産業が国策だった韓国は、インターネット先進国。その韓国での
    ゲーム中毒者の救済方法が紹介されているのが興味深い。

    ただ、ゲーマーたちの悲惨な話を「これでもかっ」って盛り込むより、
    ゲーム製作会社へも取材した方が良かったのではないか。

    読了後に「ゲームは怖い」との印象を受けるかもしれないが、なにも
    ゲームに限ったことじゃないんだよね。インターネットそのものの
    中毒だってあるんだし、携帯電話ばかりを気にしているのも中毒
    かもね。

    こっちの線で踏みとどまるか。線を踏み越えてあちらの世界に
    行ってしまうかは紙一重だと思う。

    ゲームも、ネットも、否定的な部分ばかりではないもの。そこで
    出会ったり、教えてもらったりすることも多くあるのだからさ。

  •  本文はよし。 

     本文・後書きのあとの解説がひどい。

     解説では、現実と仮想世界との区別のつかない所謂“ゲーム脳”(解説本文では直接こうした単語を使っているわけではないが、そうした偏見を前提に解説を描いていることは明らか)の人々の実情を記録している――と言ったようなふうにまとめられているが、その論拠たり得るような現実世界との仮想世界との認識が不明瞭になっているとはっきりと読み取れるような例は本文中の70人のインタビュイーのうちの1人だけで、解説者は解説以前にまともに本文を読めていないのではないか、というくらい粗雑な読み方をしている。

     ネットゲーム依存は実生活のストレスからの逃避の結果であり、また依存者自身もそうした自分のネトゲ依存を大なり小なり理解しており、それを分かった上で続けていた、というのがほとんど。これはネットゲームに依存する人間(或いは依存すると)、現実世界と仮想世界との区別がついていない(つかなくなる)という解説とはまったく食い違っている。

     また本文中では著者はどういったネットゲームにハマったか、というのと同時に『どうしてネットゲームに依存するようになったのか』『ネットゲームに依存するのはどういった人々なのか』という依存者個人の生活にも大きく焦点を当てて書いており、短絡的にネットゲーム依存者をある種の異常者と見做そうとする社会の問題も指摘している。

     こうした著者の意図をまったく無視した雑な解説にはまったく興ざめだった。

  • 第1章 ネットゲームに日々を捧げた女神たち
    第2章 セカンドライフで人生をリセット
    第3章 ゲームで愛し合いリアルで同棲
    第4章 ゲームに救われ、ゲームに閉じこもる
    第5章 親不在の寂しさからハードゲーマーへ
    第6章 デイトレーダーがはまったRPG
    第7章 キャラクター同士で、本気の恋愛
    第8章 ネトゲ家族の崩壊
    第9章 オンラインゲーム大国、韓国の憂鬱
    第10章 急増する小学生のログイン
    第11章 ネトゲ廃人たちの絆

    解説・岩宮恵子

  • 単にマニアやオタクの域を越えて、依存症。
    依存のために自分や周囲を巻き込んで真っ当な生活を壊してしまう。
    廃人と予備軍にははっきりとした違いがあるが、予備軍は容易に廃人になりうる。
    たまたまバーチャルな世界に生き甲斐や死に甲斐を見出すタイプの人間が一定数いて、傾向としては家族の問題や学習障害と相関傾向が見られる。因果かどうかはわからない。
    子供にはやってほしくないという共通した意見も印象深い。

    人生に対して冷笑的、ネタ的にコンテンツを消費していくうちに自分の人生もネタ的に消費していく、
    というふわっとしたオタクについても今後考えてみたい。

  • 思い当たるところ結構あり
    あの頃は若かった

  • ネットをする時間が増えた事もあって、自分の将来が書かれているかもしれないと感じ、購入しました。内容は、主にネットのオンラインゲームにはまり、現実生活を疎かにしてきた人に対して、著者がインタビューするという形式です。ネットに没頭する人は、いかにもオタクっぽい(服装に気をつかわない、太り気味など)のかと思ってましたが、読んでるうちに、図式が逆なのかなと思い始めました。普通の人がネットに没頭する↪︎生活が疎かになっていくのだと。現実生活からの一時的な逃避で済むのならネットは害ではないですが、それが逆転してしまうとなると、害だと言わざるを得なく、誰でも環境次第で陥ってしまう問題なのだなと感じました。

  • それはひたひたと包みこみ、むさぼれるだけむさぼる。
    飴とムチを使って。
    人の心が壊れるまではなさない。

  •  ネットゲーム依存症から抜け出すには、リアルな恋愛をすると良いらしいのだが、不思議なことにネットゲーマー同士がオフ会で恋愛に発展することもあると書いてある。そうするとこの病気の二人は抜け出せるのか、抜け出せないのかそれについては、詳細の説明がない。だた、説明がなくても状況はなんとなく分かる。二人で横に並び無言でゲームをする日々が続くのだろう。

  • ネトゲにハマって廃人になった経験のある方々のインタビュー集。
    著者はネトゲや家庭用ゲームは性に合わないという対極に位置する人なので、冷静に一歩ひいた目線で観察した感想が面白い。
    ちなみに堀井雄二の学生時代からの親友だそうです。

  • 「ネトゲ廃人」となった人々のインタビュー集。


    近代に入って爆発的に売れたテレビゲーム。インターネットを介することによってさらにその魅力は増した。画面の向こうにあるのは現実からコンタクトができる異なる世界観をもつもうひとつの現実だ。虚構の世界といえどあまりに現実に似通っている様はいとも簡単に人を寄せ付け離さない。
    現代の問題を抱えながら発展してきたネットゲームの被害者になりえる「廃人」たちの言葉が詰まっている。しかしゲームやインターネット自体は近代の発展の象徴たりえるものだ。しかしその悪い面はあまりにも現代の問題に癒着した。そこに付け込まれた人たちの苦しみ、後悔。その一方で救われてしまう皮肉。それを垣間見た。
    これは大学の課題図書として手にとったものだが、現代の家庭・経済・社会の問題として考えさせられるものだった。

  • ネトゲにはまった人たちのインタビュー集。
    みんな、ネトゲで失ったもので「時間」とあげていたのが印象的だった。ネトゲで得たこともあるんだろうけど、ネトゲをしていた時間で他のことをしていれば…と思ってしまうとしたら、悲しい。

    ネトゲは巧妙にはまっていくような仕掛けができていて、誰でもはまりうるんだなと感じた。依存して生活が立ち行かなくなってもなお、やめられなくなったら、と考えると怖い。

  • いろんな世界がある、と言うこと。

  • 自分も過去にネトゲはやっていたことがあるけれども、現実以上に人見知りをしてしまって常に1人プレイだったのですぐに飽きてやめた。

    結果的に、それでよかったなとも思う。

    ネトゲは、周りに合わせて自分の時間を使うのが苦手な人にとっては、苦痛でしかない。


    本で紹介されている人達は、大半が学校生活だったり、家族の仲だったり、人間関係に疲れや寂しさを感じてネトゲにはまっていくケースがほとんど。

    寂しさでネットの世界にはまり込む気持ちは、理解できる。

    現実世界じゃ話し相手も少ない。でもネット上でなら、多くの人と交流が持てる。

    それだけで楽しい。


    もし将来自分に子供が出来たのなら、ちゃんと毎日接してあげないとダメだなと改めて実感。

    結局、現実世界でのコミュニケーションが一番大事ということ。


    ゲームの楽しさは理解しつつ、片方ではゲームの怖さも知っていかなければいけないなと改めて考えさせられました。

  • ネットワークゲーム依存症の人々への取材を通して、その恐ろしさを浮き彫りにさせたドキュメンタリー。
    気づかないうちに数十時間プレイ、水分さえあれば、現実に費やす時間を削減してアイテム集め、など痛く心に残るエピソードばかり。

    ネットワークゲーム依存症は、飲酒、賭博など他の依存症と呼ばれているものの様々な要素を兼ね備えているという一文が、この新たな依存症のまだ知られざる恐ろしさであった。

    ただ、筆者もこの事象に対してどうすればいいのか、いまいち定まっていないような。語弊を恐れず言うと、ある種の諦めを感じた。

  • やばいやばい・・・
    リネージュに手を出さなくてよかったよ・・・
    ネトゲは大好きだった。
    ただ、RPGはしなかった。
    膨大な時間をネトゲで無駄にした反面、どうしょうもない思いで悶々としていた時期、ネトゲに没頭することで、救われた一面もある。
    引きこもりであっても、ネトゲであっても他者とつながってる分、マシじゃないか?

  • ネトゲ廃人真っ只中の人もインタビューしないと。

  • 単なるまとめ、何か期待してたけど…

  • ネットゲーム(以下ネトゲ)廃人数人の実体験エピソードと、韓国のネトゲ中毒の治療施策のインタビューについてまとめた本。
    あくまでインタビュー中心の書籍であるため、著者の考察は少ない。せいぜい、廃人に共通する家庭事情や性別、ネトゲに対する思い入れの考察を軽く入れているくらい。

    ネトゲ廃人のリアルな生活や考え方が垣間見えるので、彼らの心理を理解するための一助にはなると思います。多分・・・。

  • どなたが指摘されている通り、文章の拙さが目立つ。本当にライターなのかと思うほどである。中身も予想通りというか、う~ん。
    現実とバーチャルの混同、チャットで知り合っただけで無防備にも会いに言ってしまう、育児放棄、等々どこかで聞いたりテレビで見たりした内容である。
    まぁ期待はしていなかったので、こんなものだろうなと突き放したレビューとなってしまったな。

  • ゲーム依存症になってしまった人をインタビューしたものをまとめた本。

    シンプルに言ってしまえばそれだけだが、その人がなぜゲーム依存症になってしまったのか、また依存しているときの気持ちや、少しずつ冷め始めたときの気持ちなどは、自分が味わったことがないので、推測しながら読めた。

    ただ、ただのインタビュー語録に近いものがあるので、少しつまらなかったかも。もう少し原因探究だったり、社会環境なんかと結びつけて自論を展開したりすると、いいのかなと思った。

  • 衝撃を受けました。ある意味この本は必読書になるのではないでしょうか。特に小学生、中学生のお子さんがいる親御さんはぜひ読んで欲しいと思います。

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ネトゲ廃人 (新潮文庫)の作品紹介

現実を捨て、虚構の人生に日夜のめり込む人たち。常時接続のPCやスマホが日用品と化した今、仮想世界で不特定多数と長時間遊べるネットゲーム人気は過熱する一方だ。その背後で、休職、鬱病、育児放棄など社会生活に支障をきたす「ネトゲ廃人」と呼ばれる人々を生んだ。リアルを喪失し、時間と金銭の際限ない浪費へ仕向けられたゲーム中毒者の実態に迫る衝撃のノンフィクション。

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