夜の光 (新潮文庫)

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著者 : 坂木司
  • 新潮社 (2011年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101363813

夜の光 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 研ぎ澄ませ、研ぎ澄ませ、集中しろ。無駄な時間は1秒だってない。ここで起こるすべてを見つめ、記憶しろ。でなければ生き残ることはできない。
    私は今、戦場にいるのだから。
    (中略)
    戦場の名は、高校という。

    当時は気付かなかったけど、振り返ってみるとあれが青春だったとわかる。楽しく笑う日々ばかりでなく、内面で葛藤があり、戦いのあったあの日々を、懐かしく思い出しました。
    転校したこともあり、私は2つの高校に通ったけれど、私にとっても高校は戦場だったなあと思う。いじめられていたわけではないけれど、気を張って、自分を何とか守りながら過ごしていた気がします。

    それぞれの思惑で入部した天文部。
    普段クラスでは交わらないようなメンバーが不思議な縁で結びつく。この適度な距離感やクールな中にもコミカルな会話がツボでした。帯に書かれた「絶対零度の青春小説」というコピーは秀逸だと思う。

    誰もが通る青春という道を駆け抜けていく彼らの先に、輝かしい未来がありますように。そう思って本を閉じました。
    「誰かを特別にするのは、その人を特別だと思う人の存在。ならば、私たちは、きっとものすごく特別な存在だ」というフレーズが大好きです。

  • 坂木司の夜の光を読みました。

    家庭内に問題を抱えて、苦悩する4人の高校生が主人公の物語でした。
    彼らは自分たちの行動をスパイの活動になぞらえて家族から自立するための準備を進めていくのでした。
    ジョー、ゲイジ、ギィ、ブッチの4人はゆるい部活の天文部に所属してそれぞれの苦悩を分かち合いながら高校生活をおくっていきます。

    泊まりがけの星座観測会でギィが煎れたコーヒーを楽しむ時間が4人がくつろげる時間なのでした。

  • いいねえ、お薦めの一冊!。こういう青臭いの好きです。それぞれが悩みを抱えているのを周りに悟られないために、表面的な偽装をしていることをスパイになぞらえている。この先の四人に幸多かれ!。

  • 青春と呼べる時間は短い。
    そして、その真っ只中にいるときには今がどんなに大切なときなのか、わからないままに過ぎていく。
    過ぎてみて初めて「あぁ、もしも青春と呼べるときがあるなら、あのときがそうだったんだ!」と気づくのだ。
    きっと自分にも何か出来ることがあるはずだと信じていたころ。
    他の人にはない何かを持っているはずだと思い込みたかったころ。
    平凡な生き方なんてしたくない、そんなふうに感じながら過ごしていたころ。
    でも、特別じゃないことを本当は自分でわかっていたから「特別」にこだわった。
    誰にも真似できない何かが欲しかった。
    答えはごくシンプルに物語の中にあった。

    「誰かを特別にするのは、その人を特別だと思う人の存在。」

    ならばきっとこんな私も、誰かにとって「特別」な存在なのだろう。
    そして、私にも「特別」な人たちがいる。
    見上げた瞳に映る夜空は、きっと特別な人につながっている。
    それだけで、ほんの少し孤独ではなくなる。
    いつも隣にいるわけではないけれど、夜空を見上げれば必ずその存在を感じることができる。
    クールなようでとても熱い物語。
    何よりも読み終わってからも残る温かな余韻が心地いい。
    ふと夜空を見上げたくなる。
    そんな物語だった。

  • 短編が時間系列で進んでいく作品。
    一人一人の抱える問題が全部解決するわけではないけれど、少しだけほぐれていく希望なお話に思えた。

    願わくば4人それぞれが希望に満ち溢れた人生を歩んでほしいと思わずにいられない。

    それにしても皆、行動力の高い4人。こんな4人のように考えられたら、もっと違う人生の道を歩けたのかな?と少しノスタルジィになってしまった。

  • これぐらいの温度の青春小説が好き。
    4人の距離感がいい。

    約束は交わさない。別れは引きずらない。
    大事なのは自分に課せられた任務を遂行すること。
    学校や家族、それぞれの戦場で戦うスパイたち。
    一人で戦えるのは仲間がいるから。
    一見、ドライに見える彼らの関係は、すごく深くて強くて羨ましい。

    あと、観測会で食べるご飯がいつも美味しそう。
    場所や一緒にいる人で美味しさって変わるよね。
    私もギィのコーヒーが飲みたい。

    願わくば、あなたたちのコーヒーがいつも香り高きものでありますように。

    ギィのこの言葉大好き。

  • ーあとがき よりー
    星のようにあってほしい人がいます。常に変わらず輝き、不安になったとき、見上げればただそこにいる。近づくことはないけれど、遠ざかることも決してない。

    高校を卒業した彼ら4人の関係はまさにこのようなものではないでしょうか。
    私自身このような友人がおり、とても支えになっています。最後の最、この文章に惹かれたので、感想に引用しました。

  • なんて、なんて、素敵な小説でしょう…
    私が好きな小説のどストライクを行く物語でした。

    主人公は高校生四人。
    高校や家族、それぞれの【戦場】で密かに戦っている【スパイ】。
    個人主義だけど、お互いは特別な絆で繋がっていることを感じる。

    自分が流そうと思っていた出来事を、誰かが受け止めてくれるって本当に大きいことなんだよね。
    それを学生時代に実感できるのは幸せなこと。
    そしてそんなスペシャルを思い出させてくれた本に出会えたのも幸せなこと。

    一生忘れないだろうなぁ。

  • アンソロジー収録のものを含めても
    数多くの坂木司作品を読めてはいないんだけど
    そんな中でも今まで読んだものとこの作品は雰囲気が違った。
    なんというか、登場人物が背負っている痛みの重さが違う。

    それぞれに抱えてる何かに対して向き合ったり逃げてみたり、という側面と
    ちょっと緩い天文部の部員として、更に大きな括りでは高校生として、
    仲間と一緒に何かを成し遂げたり楽しんだりする側面と。
    パッと見両立しなさそうな二つの要素が
    さながら表と裏のように、或いは光と影のように同居している感じ。
    楽しい時間のはずなのに、楽しいだけじゃない。
    あの頃ってこんな感じだったよな、というのが無理なく伝わってきた。
    4人のスパイの掛け合いもさることながら
    (ゲージの軽口に毎回きっちり『蜂蜜じゃない』と返すジョーとか/笑)
    顧問の田代先生とか、ピザ屋のお客さんや店長とか
    脇を濃いキャラクターが固めているのも面白かった。

    抱えてる痛みもひっくるめて輝いてるなーと感じる読後感は
    以前読んだ相沢沙呼氏の『ココロ・ファインダ』とか
    朝井リョウ氏の『もういちど生まれる』に似ている気がした。

    謎の光の正体とか、ファイヤーセットとか、相変わらず謎解きも面白いんだけど
    いちばんシャレてるなーと思ったのはピザのトッピングの謎解きだった。
    それにしてもGUNS'N'ROSESを聴くのはオヤジなのか…軽くショック(´・ω・`)

  • 地味なタイトルと装丁に油断していたら完全にしてやられた。
    今まで読んだ坂木作品とは趣が少し異なるものの、すごく良い作品です。
    つかず離れず心地良い関係の仲間たちのストーリーで、一直線な青春小説ではないところが、今の時代に合っているのでしょうか。

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