無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫)

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著者 : 草間彌生
  • 新潮社 (2012年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101365411

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無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 草間弥生は、あの脅迫的な芸風の根底にあるトラウマが何であるのか興味があったので読んでみたのですが、なんかもう、すごいなあ。とんがってるなあ。あの昭和の時代に、こんな前衛的なことやってたんだ!って、驚愕の連続。かっこいいなあ。

  • 10歳で網と水玉をモチーフに絵を書き出して70年以上、今なお旺盛な創作を続ける天才、草間弥生の自伝。最先端のアートが生まれる街となった60年代、70年代のニューヨークで過激なパフォーマンスを繰り広げるところは圧巻です。作品も面白いけど、作っている人間はもっと面白い、と実感させられる本なのです。

  • 彼女の展覧会を見に行ったことがある。
    全然理解なんてできないけれど、とにかくパワーを感じて圧倒された。エネルギーに満ち溢れていた。

    この本の感想もほぼ同じだ。
    その作品をつくっている本人の自伝なのだから、当然のことかもしれない。

  • 直島のかぼちゃで初めて草間彌生さんを知りました。自分の病を癒すために絵を描いていたこと、性の解放への想い、芸術に関する日本の意識の低さなど、草間さん自身の言葉で興味深い話がたくさん聞けてよかった。

  • メディアライブラリー主催の読書セミナーで紹介された本です。
    読書セミナーのコーナーに並んでいます。

  • 理解し難い表現も多い現代アートの中でも、そのアーティストの考え方を含めた人生が色々と書かれている良著。

  • 大学の取手キャンパスでの現代美術論の講義で、講師が「草間彌生は頭がチョットね…」と言っていたのを思い出す。自身の精神病理を克服する手段としての表現でとどまるなら、それはアウトサイダー・アートに過ぎない。しかし本書を読めばわかるように、草間彌生は、「頭のおかしさ」を無尽蔵のエネルギー源にして絶え間無く制作しながら、アート・シーンに食い込む行動を選択する冷静さがあった。もしも仮に黒の下地の巨大なキャンバスに白の絵の具で延々と網を描いていた頃、最初のニューヨークの個展が成功しなかったら、自殺していたであろう。今では同じような気質の人が同じようなことをしても、まずこれほど露出することはない。草間の圧倒的な行動力と先見性と、そしてそれを根本で支えた病理性などが時代を吸い寄せたように思える。強烈な個性。一日に原稿を160枚も書くスピード[p238]が自伝をまとまったものにしたのかもしれない。昔は違ったかもしれないが、今はもう草間彌生は自身の病理性を演じているのかもしれない。そうでなければ、これほど冷静で完成度の高いまとまった自伝が書けるだろうか。所詮、草間彌生もアーティストに着地するということか。

  • 読んで、草間彌生さんが大好きになった。
    あのドットは何を意味ていたのか。やはり、芸術には全て背景があって、そのコンテクストを探るところから始まるのかな。

    恐怖を乗り越えるための芸術。アート。expression。

  • いやー、非常に面白かった。彼女しかできない生き方を一生かけて全うするものすごいエネルギー。現代美術はよく分からないけど、自分の人生の生き方という意味で私も私らしく生きたいと思う。死に際が近づいているからこそ作品を残すパワーにみなぎって勢力的に活動しているというのも素敵だと思う。アーティストってはちゃめちゃなんだけど、やっぱりとことん魅力的だなあ。クレージーな天才であるサルバドールダリとも交遊があったと知り、やはり類は類を呼ぶなあと。日本の画一的な右倣えを暗黙に求める没個性なところに辟易する気持ちと共に、海外から日本に帰って、日本の自然の美しさや人の優しさに感動する気持ちも共感できる。そして、海外に住む日本人の悪い日本人のところ、まあ妬みやらがみえて辟易する気持ちにも同調。。私が、初めて彼女を知ったのは二年前の六本木ヒルズのヴィトンの路面店のショーウィンドウに飾られていた彼女の水玉だった。閉店後の夜の明かりに照らされて不思議な気持ちになった。そのときは一緒にいた友人がおー、草間彌生のデザインだーと写真を撮っていてへー有名なのかあと思ったくらい。この本も偶然美術館のショップで見つけて購入。最初のアメリカに渡った地がシアトルであることに勝手に親近感を覚え、ニューヨークで活躍しはじめるアメリカンドリームな話も読んで面白かった。いつか作品展行ってみたいものだ。

  • 確固たる自己。途轍もない自画自賛。さすが芸術家だなぁと思うが、そこに至るまでの過程を読んで納得。セックスの表現も、果てしないモチーフの繰り返しも、全て恐怖心を克服するための手段だったのか。

  • 草間彌生は数年前のNHKで放送していた特番を観てから好きな芸術家のひとりだったが、この本を読んでみると知らなかったことが多すぎてもっと人のことを調べようと思った。一番興味深いのは子ども時代とNY時代の話。とくにNY時代は過激でめちゃくちゃで面白い。これを読んでつくづく思ったのは、天才はその世界でしか生きられないということ。もっとたくさん本を読んで美術に触れて色々な人と知り合って好きなことをして生きようと思った。自分は凡人なのに読んだら急に焦るような本だった。

  • 草間彌生に関して、あまり多くの情報を知らなかったためか、非常に興味深い一冊であった。やはり彼女の行動力、学ぶものが多い人間には、必ずあるものがそれだ、と確信する。芸術とは、何なのだろうか。当てもなく、また、そのようなことを考えつつ、最後まで一気に読むことができた。ジョゼフ・コーネルは作品こそ見たことがあったが、草間彌生とこのような関係にあった人とは存じなかった。
    現代美術の入門書としてもお勧めできる一冊、また自己啓発本にもなりえるだろう。

  • 嫌いなものを増幅させて征服するとは相当荒療治。なんと強いこと!辛い過去を背負い病と闘いながら、自分と世界を愛し生きることに希望を見出している草間彌生の生き方は、とてもかっこいいと思う。尊敬する。作品展に行きたくなった!

  • 生き様を垣間見る事と読み物として面白いかどうかはまた別なもの。
    印象的なのは「誰々に何々をして欲しいと言われていたのに忙しくて・忘れていて、出来なかった」というくだりがいくつもある事。思わず微笑んでしまう。

  • アーティスト・草間彌生の自伝を読んでみた。草間彌生と言えば、ドットを使用したモチーフで有名。ドットを見ると、彼女のことを思い出してしまうくらい。
    彼女は裕福な家に生まれながらも、少女時代から統合失調症という病にかかり、幻覚や幻聴に襲われたらしい。そしてそれらを描きとめることから、絵を描き始めたようだ。
    (そう言えば香取慎吾くんも草間さんのファン!)
    ドットの作品や彼女の奇抜なルックスは知っていたが、男根状のオブジェをイメージした立体作品を制作したり、ニューヨークではハプニングと言われるセックスをテーマにした過激なパフォーマンス等も行っていたことは知らなかった。彼女は、性に対して計り知れない嫌悪感を持ちながらも(幼い頃の父親の影響が大きい)、それを乗り越えてアートとした。
    本当に過激で波瀾万丈な人生だ。到底理解出来ない世界だ、と正直思ってしまう。
    しかし、モノ作りに対するストイックさは素晴らしい。
    「私は、これからは日本で誰もやっていないような新しい世界と新しい思想を作って行くつもりである。これから先、もしも400年くらいかからないと全部できないという仕事を前にしても、それでもいま私は出発する、そんな気持ちでいるのだ。」
    彼女はこの本を書いたのが今から10年程前なので73歳。なかなかこういう宣言は出来ない。まだまだ若い我々も見習わなければ。
    アートの島・直島に、彼女の代表的作品とも言える「南瓜」が展示されている。いつかそれを観に行きたい。

  • 今読んだんかいっ!すげーな彌生、すげーなわたし。って気づくの遅いか。

  • 今現在のものが第二次草間ブームだとしたら、第一次はもっと面白かったんだろうなあと思わせてくれる自伝。アーティストとしての姿を知りながら家族との軋轢等の記述を読むと、そんなことあるのかと思ったりするが、ふと彼女が80歳を過ぎた、一般的には「おばあちゃん」であることを思い出して納得する。戦前戦後の日本では確かに大変だっただろうなあと。

  • 一年ほど前にルイ・ヴィトンや各種メディアで取り上げられておりました草間彌生先生の自伝でございます。

    いやこれがもう何が凄いってすべてですよ。すべて。
    日本での活動、アメリカでの活動、世界での活動。それぞれが織り交ぜられながら大まかな時代ごとで分けて書かれておりますが、書かれているそのすべてが規格外でございます。
    と申しますのも、先生。幼い頃から幻視・幻聴に悩まされながらも描くことで表現することで生き延びてきたそうなのです。周囲、特に母親からの圧迫に耐え、もともと敏感だったのでしょう幼い頃から無意識化の情動に接し、見えているものを描き表現されてきたのです。
    「日本では自分は生きることができない。この狭苦しく閉じこもった日本から早く飛びたしたい」(要約)
    そう仰りながらも先生は渡米前に既に日本で業績をある程度認められております。もうスケールと申しますか見ているものが違うのだとワタクシ呆気にとられるばかりでございます。


    セックスクイーン草間彌生

    さて、そんな草間彌生先生ではございますがなんと若き頃はフリーセックスの伝道者だったのでございます。今では水玉のイメージばかりが強く現代アートに興味がある向きでなければ驚いて腰を抜かしてしまうほどかもしれません。ワタクシも話には聞いておりましたが本書を読むまでは詳しくは存じ上げませんでした。
    本書の中でも草間先生が憤っておられたのが日本のマスコミでございます。平気で嘘をつきアートの文脈も読まずに扇情的に非難する。批判ではございません。非難でございます。もちろん当時と現在では外的状況が違うかと存じますが残念ながらワタクシはテレビで当時のセックスシンボルとしての草間先生を視聴したことがございません。結局のところ日本のマスコミの性質自体は変わっていないのではないか。そう考えてしまう今日この頃なのでございます。

    そうは申しましても本書は世界的アーティストの自伝としても読めますし、サクセスストーリーとしての文脈でも読めます。それだけ一人の人間の人生、ましてや波乱万丈を絵に描いたような人間の人生となれば多種多様な切り口がありうる訳でございまして、であるからこそワタクシのこの駄文などささっと読み流して頂き、烈火の勢いで本書をご一読することをご提案致します。何しろ「一回の読書は百の書評に勝る」と申しますから。すいません。申しません。今、考えました。ですがまあこれはこれでひとつの真実でございますからして読者様の寛大な御心で許して頂ければ幸いでございます。

  • これ読んで あらためて作品を観たい
    どこかで回顧展やらないだろうか
    とくにニューヨーク時代のを観たい

  • 前衛芸術家・草間彌生の自伝。水玉模様のデザインが知られていますが、NYでは「ハプニング」等のパーフォーマンスで有名だったらしい。日本人にもこういう人がいたの?というくらい結構刺激的な内容です。

  • 彼女の作品の中では、直島でみた黄色いカボチャがすごく印象的。奇抜だけど、瀬戸内海の水中生物のように妙に溶け込んでいて。

    その意図するところが知りたくて手にとった本ですが、まず驚いたのが、あれだけ強烈な前衛アーティストが言葉でも表現できるのか!ということ。

    そしてあの水玉は、地球の丸でもいいし、太陽の丸でもいいし、生命一つとして捉えると、まさに波うって「無限」に広がってく感覚が、確かにあるなぁと。

    あの印象、衝撃が、彼女の言葉でようやく納得できた。

    おもしろいな〜と、ため息です。

  • 「幻覚や幻聴」
     幼いころからを験する。
     スミレが人間のような顔つきをして話しかけてくる。
     その光景を残しておきたいと絵を描くようになった。
     そのときに感じた驚きや恐怖を絵に描いて静めていく。それが私の絵の原点。

    「カボチャ」
     祖父の採種場でお目にかかった。
     太っ腹の飾らなぬ容貌、たくましい精神的力強さに興味を覚えた。

    「サイコソマティック芸術」
     コンプレックス、恐怖感を表現の対象にファルス、マカロニ、
     その表現の中に埋没し恐怖を克服。オブリタレイト「消滅」。
     バックもすべて水玉模様にしてセルフ・オブリタレーション「自己消滅」。
     水玉がポジ、網目がネガ。ポジとネガが一つになって私の表現となる。

    「私のプラン」
     自分の生きたいように生きる。
     今は、一にも二にも、いい芸術を作りたい。
     今は「死」が主なテーマ。 

  • 小さくてかわいらしい、少し個性的なおばあちゃんという印象だったが、自伝を読んだりニューヨークでの作品を見たら、こんなに前衛的なエネルギーに溢れる人だったということに驚いた。流行りに乗らず、自分自身から湧き出るものを作品にしていった、こんな強い人がいるのだろうか。とても苦しかったと思うけど、苦しみ方もわからない現代人の私にとっては、かっこいい、強い女性だと思う。小説家としての顔も持つ草間さん、文章が難しくて読むが苦痛になりもしたが、重みも厚みもあると思う。

  • どうにも苦手で、苦手意識を払拭するには
    理解せねば、と自伝を手にとったものの、、
    背景は少し理解できたものの、作品の
    苦手さは変わりそうにない。仕方ない。

  • 彼女はもともと作家だったこともあって、文体はとっても面白かった。そしてアーティストのように体全体で表現しているような表現がいくつもあった。めちゃくちゃではないけど、アーティスティックな文体。少し読みづらいって思っちゃう人もいるかもなぁ・・
    しかし、彼女のダイナミックで痛々しい人生に、何かを考え思索しなければならないと思う。恐いけど、愛したくもない。でも応援はしたい。彼女こそthe Artistなんだろうなと思う。

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無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫)の作品紹介

果てしない無限の宇宙の神秘を量り、一個の水玉である自分の生命を描きたい-。長野県の生家を飛びだし、1950年代に単身渡米。ニューヨークでの無名時代の生き地獄、襲いくる心の病にも負けず、社会の既成概念に挑み、芸術への尽きせぬ情熱を開花させた、日本が誇る天才アーティスト。その魂の軌跡と愛した人々、進化し続ける創作について、自らの言葉で綴った、勇気と感動の書。

無限の網―草間彌生自伝 (新潮文庫)の単行本

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