雨ン中の、らくだ (新潮文庫)

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著者 : 立川志らく
  • 新潮社 (2012年5月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101367217

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雨ン中の、らくだ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 久々に一気読み。談志一門は師匠を筆頭に能筆揃い。昨今では談春の「赤めだか」がベストセラーになった。ちなみに談春と本書の作者の志らくは兄弟弟子の関係にあたる。談春が兄弟子でありながら、真打へは志らくが先に昇進してしまう。談春と志らく、ライバルであり一番の理解者である。本書を読むと「赤めだか」の意趣返しで書かれた本であることが分かる。どちらかでもいい。是非読み比べて欲しい。年齢も落語にかける情熱も変わらない弟子同士でありながら、師匠・談志の描かれ方はこうも違うものか。赤めだかは「私(=談春)と談志」というよりは、若手弟子たちの「落語家青春物語」の印象が強い。方や「雨ん中の、らくだ」は、談志が追求し続けた落語の真髄の考察を開陳し、自身の落語観へと拡げていく。志らくは現在48歳。入門して10年で真打昇進を果たすも、決して順風満帆に進んだものではない。落語の面白さを知り、金原亭馬生に憧れ、落語を覚え、挫折し、天狗になり、苦悩し、時には落語を甞め、落語に飽き、しかし落語のスゴさに驚愕する有為転変の落語人生のあますことなく語っている。「門下の弟子の中ではセンスは一番」と談志が認めた志らくは、談志のセンスに近づくために落語以外のものでも必死に喰らいついていく。映画に昭和歌謡に人物に。師匠と同じ風景を見るために、その貪欲さには刮目するばかりだ。

  • 落語家立川志らく(たてかわしらく)による書。
    単行本が出されたのは、立川談志(1936年1月2日 - 2011年11月21日)がご存命のとき。
    談志亡き今に読んでも、(いや、今だからこそか)かなり心に迫ってくる、志らくによる談志へのラブレターだ。

    18章のタイトルはすべて落語の噺(はなし)で、それぞれに立川志らくの解説やその噺に対する思い入れが描かれている。

    同じく立川談志の弟子、立川談春も『赤めだか』を執筆されている。

    この「雨ン中の、らくだ」は、もともとの企画では「談志音源全集」だったものが、企画変更したもの。
    談春の『赤めだか』が談志落語の「イリュージョン」「帰属論」について書かれていない・・・『ならばそこを私(志らく)が』ということで書こうと思い立ったとのこと。『談志から何を教わったか、そしてそれをどう受け止めたかを書いてみようと』した『志らくの談志論』ということだ。

    内容は、志らくの落語に対する考え方や解説のみならず、志らくの落語家人生と談志のそばで歩んだ奇跡が描かれている。
    描き方が美味い!
    非常に読みやすく、落語ファンのみならず楽しめると思う。

    時に笑い、時に感嘆、時に涙・・・
    まえがきには、名人宣言をした談春の『赤めだか』と、狂人宣言をした著者志らくのこの本を比較して『泣かせませんよ』なんて書かれていたのだが、けっこうグッとくるものがあった。

    タイトルの『雨ン中の、らくだ』はあまりにも深い・・・。

    ※ちなみに、文庫本17頁にある題字(単行本には表紙にある)は立川談志によるもの。

    ----------------
    【目次】
    第一章 松曳き
    第二章 粗忽長屋
    第三章 鉄拐
    第四章 二人旅
    第五章 らくだ
    第六章 お化け長屋
    第七章 居残り佐平次
    第八章 短命
    第九章 黄金餅
    第十章 富久
    第十一章 堀の内
    第十二章 三軒茶屋
    第十三章 やかん
    第十四章 天災
    第十五章 よかちょろ
    第十六章 源平盛衰記
    第十七章 金玉医者
    第十八章 芝浜
    ----------------

  •  “らくだ”といえば王子と王女が月の砂漠を行く物悲しい童謡とか、キャメルというらくだを描いたパーケージの洋モクもあったね!落語の演目のひとつに登場する人物の名前なのだが、それがタイトルにつけられている。
     そして本書の著者、志らくの名前の由来はというと、師匠・立川談志がフランスでシラクというパリの市長に会い、何れ大統領になると思い、期待を込めてつけたそうだ。先見の明があるというか、なるほどって納得!
     25年に亘る自らの失敗談やら映画論やら師匠への熱き思いを語るというもので十八章からなっており、落語のタイトルがつけられそれぞれ噺がかいつまんでちょろっと挿入されている。楽しめる一冊だ

     ちなみに一度だけ、立川談志の落語を聴きに行ったことがある。アジアのどこかの国から帰って来たばかりで、時差ぼけだと云っていた覚えがあるが、何の噺だったか記憶にない、もしかしたら夢みてたのかも(-_-)zzz 

  • 立川志らく――家元・談志の「狂気」を最も色濃く継ぐ落語家。
    いったいどんな本を書くのか、気になっていました。

    まず気づいたのは、志らく師匠の文章は上手い、ということです。とても読みやすい。すらすらと読めてしまった。

    次に、家元の落語を見事に分析していることに驚きました。彼くらい熱心な家元信者はいないくらいに言われてますので、家元全肯定かと思っていました。しかし実際は、家元の研究家としての面もあるようです。つまり、家元を客観的に分析しているのです。その結果、志らく師匠は、家元の視点を獲得するに至っています。

    志らく師匠は落語立川流のなかで異端児であるようです。立川談春師匠の『赤めだか』では、彼とその仲間とのエピソードが結構含まれていました。しかし、本書では、志らく師匠と立川流の仲間との絡みが、あまりありません。あっても間接的なものが多いです。これは、彼が人見知りする性格だからなのか、それとも家元に可愛がられていたことに因る嫉妬のせいなのか、彼の「狂気」のせいなのか?それは分かりませんが…。

    談志さんの落語を聴かなければ、と思わせてくれる一冊です。もちろん、志らく師匠の落語も。是非、生で観たいものです。

  • 家元、立川談志門下の立川流四天王においても最も談志に近かった弟子である筆者による自伝的エッセイ。

    立川志らくがどうして立川談志の弟子になったのか、志らくから見た談志論、そして立川藤志楼こと高田文夫との交流など落語好きならまあ読もうよとりあえず、という本なのだけど、何より凄いのはこの本、おそらく落語について何も知らない人が読んでもきちんと読める所。

    ネタの説明、噺家の説明、とにかく描写がきちんとしてる。談志は知ってるけど志らくは知らない、という人に一番オススメ。個人的には談春と志らくの青春エッセイとして好き。

  • 赤めだかのドラマや原作本に出てくる志らくさんが好きだったので読んでみたのだけど、本人の語りから見えてくる志らくさんはあんまり好きじゃないかも?
    談春さんは終始小馬鹿にされているけれど、やはり意識せざるを得ない存在なのでしょう。同じエピソードでも立場が違うと見解も違うし、性格も違うからか印象まで変わってくるので、やはり両意見を聞くのは大切。
    好みが分かれるという談志師匠の様々な落語の解釈や、自分の目指す落語を語っているので、落語に詳しい人が読むとまた味わい深いのかもしれない。

  • 落語には疎いが立川談志の凄味、革新性、優しさなどが伝わる一冊だった。

  • 仏映画「奇人たちの晩餐会」は、私の大好きな映画!なんだか嬉しかった。
    落語家の本を読むのは初めてだったので、後半ではあるが映画の話題から、ようやく面白くなった。
    落語も聞きに行きたくなった。

  • 帯文(裏表紙):"十八の噺に重ねあわせて描く、師匠談志と落語への熱き恋文。"

    目次:まえがき、第1章「松曳き」、第2章「粗忽長屋」、第3章「鉄拐」、第4章「二人旅」、第5章「らくだ」、第6章「お化け長屋」、第7章「居残り佐平次」、第8章「短命」、第9章「黄金餅」、第10章「富久」、第11章「堀の内」、第12章「三軒長屋」、…他

  • 2日で読了。語り口が軽妙で読みやすい。談春の赤メダカは以前に読んだが、こちらはより落語オリエンテッド。
    落語とは人間の業の肯定、不合理なイリュージョンの噴出、与太者の悲哀、それゆえ他の芸術にはない魅力があるというのは首肯した。

  • 立川談志の遺伝子を受け継ぐと自負する著者の談志/落語へのラブレター。

    落語に恋し、談志に愛された著者が小粋に語る「落語哲学」は言葉をオブラートに包み隠さず、毒っ気満載でリズム良く語られて清々しい。

    一方で、真打ちになる迄に何度も経験する挫折のエピソードは、著者の思い込みの激しさ、自分の信念を曲げない強情さを現している、やっぱり芸人ていうのはアクの強さが魅力。

    本の中で印象に残っているのは「好かれる」ということに対する考え方。

    「10人いて10人から好かれる奴は偽善者。10人から嫌われる奴は悪党。5人から好かれて5人から嫌われる奴が正直者」

    己が信念を貫き、人に媚びずに生きる男は恰好いいもんです、そうなりたいもんです。

  • 志らくという落語家は知らなかった。これから聞いてみよう。

  • 志らく師匠が綴った、家元のフレーズがたまりませんな。

  •  志らくの談志へのラブレター。談志の生前に書かれたものだが、談志亡き後に読むと、また違った趣である。

     鼻っ柱の強い、強烈な自己主張を示す「生意気」な芸人。
    その道のトップになる人は、多かれ少なかれ、「強烈な(根拠のない)思い込み」を持っているものなのだろうか?考えるより前に、行動しろ、というそのことができずにウジウジしている自分は、こういう生き方はできないんだけど、やっぱり「芸人」ってこういうもんでいつまでもあって欲しいと思う。

  • 立川流は落語に対する理論を知られて面白いのであるが、それが最高の面白さを実現する妨げとなる可能性を考える。志ん生になりきれない怖さがあるか、結局談志の道を辿るのか。たけしや、太田光はその辺のバランスがうまく取れているかもしれない。

  • 立川談四楼 シャレのち曇り
    談志いわく、人間は何かに帰属していないと生きていけない。日本人は日本教に帰属している。よって日本人の美徳からはずれたものを日本人は許さない
    十人に好かれるのは偽善者、十人に嫌われるのは悪党。5人に好かれ、5人に嫌われるの人こそ本当の善人

  • るいるいに借りる。
    談志ってすごいでしょ、その談志に文句なしに一番愛されてる僕ってすごいでしょ、というのが延々続いてる。
    談志が彼を好きなのは、きっと自分を見ているようだからであり、褒めまくるのも恐らくは、談志自身が他人に言ってほしい言葉をかけているような気がする。
    彼が談志を好きなのは、可愛がってくれる人がみんなの尊敬を集めてるひとだからだと思う。なわけで自慢たらたらにしか見えないのだけれど。
    こういう「僕チャンをわかってー!」な落語は遠慮するかもなあ。

  • 決めた。娘と落語を聴きにいく。

  • 落語が聴きたくなった。

  • 寄席に行きたくなりました。

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雨ン中の、らくだ (新潮文庫)の作品紹介

「志らくは俺と同じ価値観を持っている」。師匠はあの日、そう公言してくれた。身が引き締まる思いがした。大学在学中に、高田文夫氏の導きにより、立川談志のもとを訪れた。ドジを繰り返して怒られた入門当時。若い女性たちに追っかけられた、謎のアイドル時代。師の到達点を仰ぎ見つつ、全身落語家として精進を重ねる現在。十八の噺に重ねあわせて描く、師匠談志と落語への熱き恋文。

雨ン中の、らくだ (新潮文庫)はこんな本です

雨ン中の、らくだ (新潮文庫)の単行本

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