返事はいらない (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369136

感想・レビュー・書評

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  • 都会で生きる女性の苦悩をテーマにした短編集。宮部みゆきさんは長編のイメージが強いが短編も面白い!『火車』の原型のような作品も。
    ただし、社会背景がかかわる内容だけに、今読むと古く感じるのは仕方ないところ。女性の会社での立場や年齢に対する焦り、女性そのものの描写もだ。
    ただ、逆にそれが時代を表していて面白くもある。例えば「女子大生と言っても言葉から連想するような外見ではない」というような描写が出てくるが、「女子大生という言葉から連想する外見」ってどんなだろうか?と考えてしまった。物語が書かれた時代から予測すると、おそらく「ワンレンのロングヘアにバッチリメイク、ボディコンを着てディスコで遊び歩くような派手でイケイケな感じ」だろう。なるほどこの時代はそれがステレオタイプの女子大生だったのかもしれないが、今はむしろ上記の登場人物(例えるなら森ガールみたいなイメージ)の方がそれよりは一般的だ。

  • 短編集。細かく丁寧な作りで読みやすく心温まる話でした。子供(少年)が出てくるものはかなり期待してしまいますが、期待通り読後が良い。
    ドルシネアにようこそが一番良かったなぁ。

  • 再読。宮部みゆきさんの作品は時代背景を超えて普遍的なものが多いと思うんだけど、この短編集は時代を色濃く感じる。今読むと古いなあと。だから面白くないってわけじゃないけど、素直に読めには引っ掛かりがある。お金や都会に幻影を見れる時代は遠い過去なんだなあと感じた。「言わずにおいて」の主人公の女性がセクハラ発言満載の上司に捨て台詞をはいて会社をやめる場面は、ちょっと笑えてスッとした。私も辞めるときにはこんな風にブチ切れて辞めたいもんだわさ・・・。(本筋と関係ないけど)

  • 再読。
    表題作の「返事はいらない」がやっぱり一番好き。さよならに返事はいらない。

  • なかなかどれも傑作!サクサク読めました。

  • 作者の最近の作品よりも癖なくさっぱりしていて読みやすい。短編集だがそれそれ中身が濃いかんじで上手くまとまっているし、ストーリー的にも後味が良い。その時期の作者の作品を読みたくなった。

  • 6つの作品集
    再読

  • バブリィだなぁ 人の心の機微にも、世相があらわれること、一方で変わらない部分もあることを感じられる。
    各話のタイトルが味わい深く語りかけて来る。

    返事はいらない
    ドルネシアにようこそ
    言わずにおいて
    聞こえていますか
    裏切らないで
    私はついてない

    追伸。『火車』を読みたくなりました。

  • 短編集。タイトルの付け方が秀逸。物語の雰囲気にピッタリで、読み終わって改めて納得させられます。所々、時代を感じる描写はあるけれど、当時の社会問題や価値観を短い話で綺麗に纏め上げる所はさすがですね。

  • 短編集。キャッシュカード偽造という立派な犯罪を犯しているのに誰も悪人がいないという、読後感爽やかな「返事はいらない」、短編ながら刑事の推理が冴える「裏切らないで」が気に入った。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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