本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (1995年8月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369150

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本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 本所深川に噂される七不思議をベースに、人間模様が描かれている短編集。
    ハッピーエンドでもなければ後味の悪さもない。主人公だけが報われるということもない。なのに不思議と温かい気持ちになれた。
    なかなか個人の努力では変えられない大きな物語をそれぞれに抱えている。実直に頑張り続けたって冷や水を浴びせられるようなこともしばしば。この短編集に出てくる主人公たちは、そんな生活の中でも人を思いやる気持ちを見つけて、決して「自分だけが苦労していて自分だけが不幸だ」という道には入り込まない。努力している、十分に勤めていると思い込み、自分より恵まれた環境にいる人間にたいしての嫉妬心を見つけてしまったり、自分の心なさに気付いたりもする。
    「消えずの行灯」という短編はこの短編集のうまみが全部詰まったような作品。
    私が読んでひときわ心に残ったのは「片葉の芦」「馬鹿囃子」「落葉なしの椎」。「落葉なしの椎」は結局なんて書いてあるのかを書かなかったところがなんとも粋だと思います。

  • 江戸の深川で噂される「本所七不思議」をモチーフに描かれた7つの短編集。どの物語も人の業を如実に語っていて悲しい雰囲気。でも全て面白かった。回向院の茂七の人情が、様々な罪や町人の悩みを解決しています。深川の辺りは下町で、御大尽なんて一握りでみんなカツカツの暮らしです。そんな貧しさと不自由の中でも人間らしく笑って泣いて生きている人々が描かれていて心に沁みます。人の暮らしってこういうものだよな。潔く人生を見つめる最後の物語「消えずの行灯」のおゆうを見習いたい。

  • 題名に惹かれました!・・怖くありませんように・・

    こわくないどころか、
    本所七不思議を1編づつのタイトルにして、
    回向院の茂七が全編登場する、人情時代劇でした。

    なじみの土地でもあり、読み進めが楽しくもありました。
    1編1編それぞれ読み終わるたび、じんわりと・・
    表面でみられることが全てではないことがわかり、人生の深さを考えさせられました。
    今後、何度も読み返す本となることでしょう。

  • 深川七不思議を巧みに物語に絡めた全七編の短編集。
    うーん、とてもよかったです。

    それぞれ無理なく、というかしっくりと七不思議が物語のスパイスとしてきいていて素敵。七不思議という少し非現実的な要素が江戸時代というまだ少しそういった不思議が生活に馴染んでいた時代とマッチしててとてもよいです。それぞれのお話はどちらかというと少し物悲しかったりままならなかったりするお話ばかりなんですけど、人情染み渡るお話ばかりでした。

    七編中、どのお話にも茂七という岡っ引きが出てきますが彼もまたいい味だしてますね。
    特に好きなのが馬鹿囃子。気がすこしふれた子がつぶやく「男なんてみんな馬鹿囃子なんだ」「あんただって馬鹿囃子じゃないか」っていう言葉に、妙にああ、こういうのわかるな、切ないなと思いました。
    あとは片葉の葦、これも片方しか葉のない葦をいろいろなもののたとえにしているのが面白かった。親子関係然り、彦次の思い然り。
    あと消えずの行灯は主人公の妙にドライで生きていくことに必死な女の子が好きでした。自分の目で見たものしか信じない、自分一人で生きていこうって腹をくくってる感じとか。

  • 七不思議。今でいえば、都市伝説。 題材もよいし、登場人物もよい。 回向院の茂七。脇役として出てくる。 大川を渡った深川は江戸ではないのかもしれない。 時代物が苦手な人でも楽しめる。

  • 本所深川を取り締まっている岡っ引き茂七が関わった事件を七つの話にまとめた人情モノの短篇集


    時代小説自体が大好きなのでちょっとばかし甘い評価かもしれませんがかなり面白かった。個人的には最初と最後の話が印象的です

  • 初宮部作品。
    本所深川の七不思議にまつわる7つの短編集。
    様々な人間模様が描かれていて、めでたし、めでたしの話ばかりではないけれど、どの話にも出てくる茂七親分の存在が心に灯を灯す。
    とにかく夢中になって読んでしまった。
    他の作品を読むのが楽しみ☆

  • 七つの短編からなる一冊。
    スルッと読める文章なのに、しっかりと絵が浮かぶし、ちゃんと味わいもある。久しぶりに「ああ、上手い」と思える作品でした。楽しかったです。

  • 「本所七不思議」がベースになっているということで、ホラーかな?怖かったら嫌だなと思いつつも、怖いモノみたさという感もあり手にとりました。
    結果的には全然怖い話ではなく、人の心情が丁寧に描かれた作品でとっても面白かった^^
    時代小説はやはり宮部みゆきさんが良い!!と思った一冊です。

  • 本所深川の七不思議にちなむ七作品。
    短い話の中にも人情とか善悪で測れない様々なものが詰まっていました。
    どの作品にも登場する回向院の茂七親分の人柄が温かく、幸せに終われない話でも嫌な後味が残らず良かったです。

  • 新境地開拓も傑作誕生!

  • 回向院の茂七親分がこんなところに それだけで ホクホクして読んでいました。

  • 宮部みゆきの時代ものっていいんだよなー。

  • 続編出ないかな。

  • お江戸の不思議な怪談ありの市井の、日常のお話。

  • 宮部みゆきは90年後半の江戸ものが一番!

  • 江戸宮部。本所深川に伝わる七不思議。事件の数だけ人情がある。回向院の茂七さんが活躍。

    ・第一話 片葉の芦
    主人公・彦次は、貧しい暮らしをしていた子供の頃、お美津という寿司屋の娘に施しを受けた。
    しかししばらくしてそれはお美津の父親であり寿司屋の主人・藤兵衛に見つかる。藤兵衛は「犬に成り下がるな」と彦次を叱り、施しを打ち切る。
    施しをやめて叱咤した藤兵衛は一件厳しい態度を取ったように見える。だがお美津よりも彦次のことを考えていたのは藤兵衛の方だった。彦次が独り立ちして大人になれるようにと思っての行為。お美津は「施しをする自分」を誇るタイプの人間だった。
    何が本当に人のためか、考えさせられる。

    ・第二話 送り提灯
    おりんは奉公先のお嬢様にわがままを言われ、お嬢様の恋愛成就のために毎日夜中にお参りに行かされる。暗い夜道を一人で行かなければならず心を重くしていると、仄かにあこがれていた手代・清助が一緒についていってやると言う。
    おりんは常々、清助がお嬢様のことを好きなのではないかと思っている。その清助のありがたい申し出だが、一人で行けと言うお嬢様の言いつけを守るために、おりんは断る。
    おりんが一人で夜道を歩いていると、提灯のような明かりがぼんやりとついてくるのに気が付いた。化け物かと思い最初は怖かったが次第に慣れる。
    何日か後の夜、おりんはその日もお参りに出ていたが、その時奉公先に押し込み強盗が入り、お嬢様が襲われかける。手代の清助が危ういところで助けに入り事なきを得たが、恥ずかしいところを見られたと言って清助は頸になってしまう。
    実は清助はおりんのことが心配で、毎晩跡をつけたり庭に出て帰りを待っていた。ついてくる提灯の正体である。清助の本当の想い人はおりんだった。
    しかしおりんは清助がお嬢様への想いを伝えられないことを嘆くだけ。清助の本当の想いには気付かない。
    想いがすれ違いまくる話。

    ・第三話 おいてけ堀
    突然夫を切り殺されたおしず。幼い子供を抱えてひとり身になってしまったおしずは疲れ果て、怪談話の広まるおいてけ堀へふらふらと出かける。一歩間違えば入水自殺もしかねない心持ちだったが、その堀で亡き夫の声を聞き、我に返る。
    おいてけ堀の怪談話は回向院の茂七の狂言で、芸者の富士春を傷付け、おしずの夫を殺した犯人をおびき寄せるための策だった。
    ほどなくして犯人は捕まる。おしずは富士春や周りの人の優しさに気が付き、子供と生きていこうと誓う。

    ・第四話 落ち葉なしの椎
    商家の息子と結婚が決まり、そこで暮らすお袖。しかし彼女はなぜか狂ったように落ち葉を掃除する。
    その様子を見ている謎の男。
    近隣で起きた事件との関りを察知した茂七はお袖を見張る。
    実は謎の男はお袖の父親であり、嫁入り前のお袖と会いたいと思って見ていた。お袖や母親を捨てて逃げた過去から名乗り出られず、落ち葉を使って言葉を残していた。お袖は最初はその落ち葉の言葉をかき消すが、最後は自らも落ち葉で返事を返し、父娘のわだかまりが解ける。

    ・第五話 馬鹿囃子
    茂七の姪・おとしは茂吉の家を訪ねてきたおかしな女・お吉を見かける。
    お吉は茂七に何かを訴えているが、どう考えても被害妄想としか思えない戯言である。どうも気が少し触れていて、茂七はそんな彼女の話をただ聞いてやることで息抜きを差せているらしい。
    そんな中、深川では「顔切り事件」が多発する。そしておとしの許嫁・宗吉が着物に白粉をつけて現れ、浮気疑惑が持ち上がる。
    宗吉の元を飛び出したおとしは橋でお吉に出会う。相変わらずわけのわからない妄想をぶつけられるが、そんな折、二人に遅いかかろうとする者がいた。
    それこそが「顔切り」の下手人だった。斬りかかられる寸前でお吉が撃退し、おとしは助かる。
    そこへ茂七と女装した宗吉が現れる。
    実は顔切りをおびき寄せる... 続きを読む

  • 飽きない面白さ。藤沢周平より少し明るい悲哀。

  • その名のとおり、深川に伝わる七不思議に絡めた世話話が7つ。
    再読。

  • 本所に伝わる七不思議をテーマにした短編集。どれも味わい深い話、テーマの扱いがうまいです。ハッピーエンドばかりではないのに、なんかええ話やなあって気がする本と思います。
    物語はもちろん、明日の”おまんま”のために生きるという、ごく当たり前なんだけど、自分も含めていい加減に生きてると見えなくなる、生きることの原点を見せてもらいました。
    一番印象に残ったのは第一話の藤兵衛ですね。この厳しさの中にあるものに気づかず恨んでしまうことって多いんじゃないかなあ。表面しか見ない、見えないって、よくあると思うんですよね。

  • 再読。初読の時もおもしろかったけど、今読んでみると改めて世間で生きるって大変だよなー。としみじみしてしまう。全部がハッピーエンドではないけど、茂七親分を初めとした、あたたかい人もいてなごむ。

  • 本の茂七シリーズ 短編集×3冊と
    TVの茂七の事件簿が
    ごっちゃごっちゃになって
    どれを読んで読んでなくて見たのか見てないのか

    しかもTVドラマの方は
    話の内容よりも何よりも本田博太郎に目を奪われてしまって

    本田博太郎が出ると、つい見てしまう
    どれを見ても本田博太郎役だし

    改めて落ち着いて読んで見ると
    推理小説ながら、時代小説でもあり、人情話も織り込まれていてジーンときた

  • 宮部さんの時代小説。
    本所深川に伝わる七不思議をテーマの短編集。

    相変わらず、町の情景がすばらしい!
    本当にそういう世界があるかのように錯覚する。

    個人的には第四話の落ち葉の椎に感動。人情を大切にいきていきたい。

  • うまい。
    本所深川の七不思議にまつわる短編集なのだが、嘘から始まる人情話や事件やちょっとした恋愛話など、どれも趣向がかぶらなくて面白かった。
    後半はほの暗い話が多いけれど、さくさく読めるライトな時代小説なので読後感は悪くない。

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