本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369150

感想・レビュー・書評

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  • 宮部みゆきが初めてかつ時代劇も初めてなので新鮮な気持ちで読んだ!これはこれで楽しい。あと地元がたくさん出てくるのいいね。本所七不思議を題材としてるんどけど、その話がメインってわけでもなくて結構面白かった。茂七の親分がかっこよかったので初ものがたりも読みたいな。

  • 表紙がめっちゃかっこいい
    これも回向院の親分a.k.a岡っ引きの茂七が登場する
    七不思議にまつわる7つの短編集
    読みやすかった

  • 宮部さんの描く時代小説を読むのは2冊目ですが
    なんか優しくて好き。
    伝説とか不思議な話と事件がリンクしていて。

  • 宮部みゆきの時代小説短編集最高‼

  • 宮部みゆきさんの時代物2作目。江戸時代、人々は食べるのに必死だったんだよなぁ。話の中では「足洗い屋敷」が1番好き

  • 「宮部みゆき」の時代小説『本所深川ふしぎ草紙』を読みました。

    「宮部みゆき」作品は、昨年の4月に読んだ『小暮写眞館』以来ですね。

    -----story-------------
    「本所七不思議」にまつわる七つの怪事件を岡っ引きの「茂七」が名推理! 
    下町人情味溢れる連作時代ミステリ。

    「近江屋藤兵衛」が殺された。
    下手人は「藤兵衛」と折り合いの悪かった娘の「お美津」だという噂が流れたが……。
    幼い頃「お美津」に受けた恩義を忘れず、ほのかな思いを抱き続けた職人がことの真相を探る『片葉の芦』。
    お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命ぜられた奉公人の娘「おりん」の出会った怪異の顛末『送り提灯』など深川七不思議を題材に下町人情の世界を描く7編。
    「宮部」ワールド時代小説篇。
    -----------------------

    「植松三十里」の歴史小説『咸臨丸、サンフランシスコにて』を読んで、歴史モノ、時代モノもなかなか面白いなぁ… と思い、本書を読んでみたくなりました。

    本所(東京都墨田区)に江戸時代ころから伝承される奇談・怪談である、本所七不思議(ほんじょななふしぎ)を題材にした、以下の7篇で構成されています。

     ■第一話 片葉の芦
     ■第二話 送り提灯
     ■第三話 置いてけ堀
     ■第四話 落葉なしの椎
     ■第五話 馬鹿囃子<
     ■第六話 足洗い屋敷
     ■第七話 消えずの行灯



    岡っ引きの「茂七」が「回向院の親分」として全作に登場しますが、あくまでも脇役として配置されており、主人公は市井に生きる庶民、、、

    全ての作品が庶民の目線から語られており、人間の優しさや触れ合いを巧く描いた下町の人情物語となっています。

    ほとんどの作品に殺人事件が絡んでいますが、穏やかな雰囲気があり、後味の悪さは感じませんでしたね。


    巧みな語り口のせいか、時代モノなのにリアル感を持って読むことができました、、、

    現代と違って、灯りのない夜は怖いものだったんでしょうねぇ… 数々の奇談・怪談が生まれた理由もわかる気がします。

    あと、物語に出てくる食べもの、、、

    蕎麦、鰻、麦とろ飯、栗ご飯、握り寿司、和菓子… どれもこれもおいしそうでした。

    江戸時代は、意外と食生活の水準が高かったのかもしれませんね。

  • 近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが……。幼い頃お美津に受けた恩義を忘れず、ほのかな思いを抱き続けた職人がことの真相を探る「片葉の芦」。お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命ぜられた奉公人の娘おりんの出会った怪異の顛末「送り提灯」など深川七不思議を題材に下町人情の世界を描く7編。宮部ワールド時代小説篇。

  • ミステリーっぽい歴史もの。でもまぁミステリーというより、江戸時代ぐらいの時代背景における人の心の機微を描いた作品といったほうが正しいか。
    短編集で各話の主人公は、丁稚奉公に出ているぐらいの少年少女~20代程度の若い人たちである。で、彼らに対しちょっとした事件が発生し、それらを通じて心が成長してゆくさまが、上手い具合に描かれている。それを毎回、とある人物が背後から支えている、という図式で、その人物が微妙にいい味を出していた。

  • 本所七不思議を題材にした七つの短編。宮部ワールド全開。引き込まれて、あっという間に読破。

  • 宮部みゆき:16作品目。

    江戸、本所七不思議を基にした、連作短編。

    怖くない怪談?といったところでしょうか。人の生き方とか、切なさとか、大切なものを一つひとつ描き出されている。一遍一遍、暖かいもの、物悲しいものを感じさせられます。

    ◆片葉の芦
    「商いも、生きていくことも、厳しい。だからこそ、人に恵んでもらって生きちゃいけない。恵むことと助けることは違う。恵んだら、恵まれたほうを駄目にする。」重い言葉。そのまま行動に移す父親の姿と対比されるお嬢様。「片葉の芦」は、やはり、「助け」られた方に葉をつけ、「恵んだ」方には葉が。

    ◆消えずの行灯
    火事で娘を亡くしたという現実を受け入れ損なった結果、母親は心を病んだふりをし亭主を憎み、父親は娘の替え玉を探し浮気に走る。「あの夫婦は、亡くした子供を二人で悼むのではなく、その傷をお互いに深くしあって生きてきたのではないか。」切なく、悲しい。「消えずの行灯」は憎しみの油で、これからも燃え続けるかもしれない。破局に向かって、そして、行灯がもし消えた時は…。

    印象的なフレーズは:
    ★この飯は、大川に捨てる飯だ。それをもらいに来ているおめえは、そこらの犬と同じだ。それでいいのか。犬に成り下がってもかまわねえのか?
    ★あっしたちを飢え死にから救ってくれただけじゃねえ、いい夢を見させてくれて、あっしをまともに暮らしていける男にしてくれた。片葉の葦が、…約束したことを、いつも思い出させてくれたんです
    ★俺はおめえたちにお恵みをやるんじゃねえ。これは貸しだ。大人になって、一人前になったら返しておくんな、って
    ★商いも、生きていくことも、本当に厳しいことだって。だからこそ、人に恵んでもらって生きることをしちゃいけねぇって。恵むことと助けることは違う。恵んだら、恵んだ者は良い気持ちかもしれないけれど、恵まれたほうを駄目にするって。
    ★鬼も守銭奴も、大事な看板だからなって
    ★あたしを助けたことを恩に着せないくせに、それを忘れないでいるだろうことが我慢できないの
    ★間違ったことでも、それが心の拠り所になっているとしたら、どうだろう

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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