火車 (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • ¥ 1,069
  • 新潮社 (1998年1月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369181

火車 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 題材も時代背景も古いと思いつつ、それがかえって味わい深いです。バブル崩壊直後あたりなんですね。
    最後にどんでん返しとかサプライズが用意されているわけではなく、主人公の大まかな仮説に添えられた幾多の謎が納得の形で解き明かされていき、読み味はとてもよいです。
    家政夫や息子など掘り下げたら面白そうな設定も魅力のひとつです。

  • 名作でした。最初は正体不明で君が悪かった偽物の存在。物語が進むにつれ、段々とその偽物の人の壮絶な人生が明らかになっていき、自分ならどうしただろう、と悩んでしまいました。最高の作品ですね。

  • 今年読んだ中で一番面白かった!小説は読まない夫もこれは面白いと話しています。

  • テレビで観て再度読みたくなりました。ドラマとの違いなんかもわかってとても楽しかった。
    宮部みゆきさんはすごいね。

  • 現代のクレジットカードの怖さについても学べた。また、借金取り立てに慄く人々の人生についても学べた。過去も未来も自分という存在では幸せにはなれないと思ったきょうこさんが、同じ境遇をもった若い女の人を狙い人物ごと成り代わるという物語には衝撃的でした。
    宮部みゆきさんの作品を初めて読みましたが、ミステリー小説のエースと言われてるだけあって中々内容に取り込まれていきました。

  • 宮部みゆきさんの本、ずっと気になってたけれど、初めて読みました。

    事件物、サスペンス物とかはあまり得意ではないんだけど、この作品は気持ちを入れやすい事件物で面白かった。

    最後の先にある、彼女の口からそれまでの彼女の半生の話を聞いてみたかった。

  • 作中に、自分の人生の転落を振り返ってぽつり、ただ幸せになりたかっただけ、との一言がある。誰しも、はじめから誤りを起こそうとするのではない。一種、用意周到に外されたレールを前にブレーキが間に合わず、いつしか火花を立てて加速し、奈落のそこへと飛び込んでいく。地獄に人を送り込むという、火車、本作で描かれる、その人生の変貌ぶりのみならず、読了感としても、火車よろしく、穏やかに始まったものの、あっという間に引き込まれ、放心状態で立ち尽くしているよう。

  • ミステリーと思って読んでみたが、ちょっと期待外れというか、良く分からない。
    別人だったという話以外に、驚くべきポイントも無く。

  • 読みごたえのある、とても哀しいお話でした。

    この小説を読むまでは借金地獄や自己破産なんて他人事のように思っていたし、サラ金に手を出したり計画性のない使い方をした本人の自己責任ではないかと思っていたのですが、読後はそれがとんでもない心得違いであり、考えを改めなければならないと思いました。

    ミステリーとしても面白くて引き込まれますし、クレジットやローン、キャッシングに関して現代社会への警鐘を鳴らす役割も果たしている素晴らしい小説だと思います。

  • かなり時間をかけて読み終えた。とても地道な展開の突飛なことのない話。でも中だるみもなく最後まで面白く読んだ。ここで終わるかーという思いはありますが。

  • 作中で喬子と彰子は共食いをした、
    と本間が感じた時がある。

    しかし、私はそうは思わない。
    どちらも同じ借金を抱えた若い女性ではあったけれど、
    彰子は自分のためにお金を使い、
    首が回らなくなって取り立てにはあうものの、
    結果的には自己破産することで借金から逃げられた。

    一方喬子は親の借金。
    法的には関係がないと言われても、
    どこまでも取り立て屋に追われ、
    自分の借金ではないため、自己破産も出来ず、
    ただ逃げ続けるより道がない。

    2人の借金は似て非なるものだ。
    喬子は借金から逃げるために、何が出来ただろう。
    私には、明確に答えを出すことができない。
    だから簡単に、お前のしたことは悪だと
    断罪する気持ちにはなれないのである。

  • 賛否両論ありそうなラストだった。個人的には、あれで終わるのはちょっと…という感じ。

    図書館で官報を見ている喬子の描写が秀逸で、とても印象に残った。あそこまで苦労すると、私もああなってしまうだろうなと思った。16/6/4

  • 韓国でリメイクされたのを観て面白くて、原作も読むことに。細かい設定、結末は映画とは違うものの大筋はあらかた同じで映画、原作と どちらもオリジナリティがあって楽しめた。

    カード、ことにクレジットカードって現金と違ってその場で札や小銭を出すものではないから、実際にはお金を使ってるんだけれど、使ってる意識がないというのは私も経験があって。
    自己破産はないけれど、カードの明細を見て、あっ!こんなに使ってたのか。。。ちょっと使いすぎたなぁ。と後悔した事は、何度かある。しかも、忘れた頃にカードの引き落としはやってくる。
    これが、クレジットカードの怖さかと思う。

    今でこそ自己破産という言葉、債務のご相談は〜なんていう弁護士事務所のCMも頻繁に耳にする。ただ、この物語の中ではそれがまだあまりメジャーじゃないようで、少しびっくりした。

    にしても、新城 喬子とは怖い女だ。彼女、出自が決して良いとは言えないし寧ろ、親のせいで自分の人生が狂ってしまったのは気の毒。気の毒だけれどだからって、そこまでするなんてあまりにもその犠牲になった人間が可哀想ではないだろうか。。。

  • たしかドラマ化もされていたかな、程度に手に取った本。今とは時代も違うのにぐいぐいと引き寄せられて読んでいきました。最後に“彼女”がどんな人なのか言葉を交わすことができないところには賛否両論があるようで、私は期待していただけに残念な気持ちになりました。彼女の思いを聞いてみたかった。しかし、物語中で実際に登場することがない“彼女”にこれほどまでに惹かれるということが、この小説のすごさだと思います。

  • カードってこわいなぁという思いが生まれた本。

    日常生活で欲しいものやまわりが持ってるから買っていく。
    それがもらっていないお給料からでも。
    どんどん分割払いにしていき、とうとう払えなくなる。

    やっぱりカードは払える範囲で使っていかないと!

  • 宮部みゆきはドラマの「ペテロの葬列」を見てから、こんなに面白いのを書く人なんだと思って火車を読んだ。伏線に次ぐ伏線、そして1つずつページを捲るように明らかになる真実、読み応えのとてもある作品でした。

  • 火曜サスペンス…

  • 宮部みゆきさんの本は文章が合わないのでもう読む事ないなと思ってましたが、これだけは内容的に興味をもち読んでみたいと思ってました。
    読み終えての感想としては内容はまあまあ。
    でも、やはり文章が合わないので何となく読んでてイライラしてしまう・・・いつも通りでした。

    休職中の刑事が主人公。
    彼は亡き妻の親戚の男性から失踪した婚約者について調べて欲しいという依頼を受ける。
    銀行員の彼と結婚するはずだったその女性はクレジットカードを作る際に以前自己破産していたという事が分かり、その後失踪。
    主人公は彼女の事を調べていく内に実は彼女は元婚約者の名前をかたりなりすましていた別人だという事をつきとめる。
    その後、彼は彼女が何故、別人になりすましたか、彼女の生い立ちや人生を追っていく。
    そして、見えてきたものは-。

    蛇足的な文章が多すぎる。
    いつも通りの読み手の想像力を奪う文章。
    この本、結構分厚いけど、その文章を省いたら半分くらいのボリュームになるんじゃないかと思う。
    そして、内容は興味深いものであるのに、物足りない。
    それは失踪した女性側の目線で書かれた話がなく、知りたいと思う部分があっさりと書かれているからだと思う。
    それなのに結末に到るまでの話が長すぎて冗長気味。
    これを丁寧に描かれていると感じるかどうかは個人的な好みの差だと思う。

    あと時代が昭和50年代くらいを舞台にしたもので、当時はそれほどクレジットカードが普及してなかった、という事もあるし、事件のなりゆきとかも時代を感じさせて、ちょっと古臭さが否めなかった。
    それも話に入りこめなかった一因ではあると思う。

    タイトルの火車は文字通り、金が回らない火の車という事だけれど、それが今の世の中、昔よりも見えにくくなっているのが恐いよな・・・と全くこの本の内容とは違う感想をチラッと感じました。

  • 読み進めたくなった

  • やっと読み終えたというかんじだった。長かった。やっと探し会えた。すっと彼女をさがしていた・・・という感じで読んでいて自分も大阪に行ったり、宇都宮に行ったりしていた。人探しというのは本当に辛い仕事だなあと思う。ただ、この小説はそれだけではないけど・・・。そう、この話は借金地獄だ。私もクレジットカードは持っているけど、それなりの使い方を知っている。自分の身の程をしっているから、やはり何事も行過ぎはよくないと思った。

  • 高校時代に宮部作品を読んで何故か馴染めずそれ以来読まずにいたのですが、ミステリ好きなら必ず読むべき、とこの作品がやたら上げられるので手に取る事にしました。

    何故今まで読まなかったのか…!
    徐々に「彼女」へ近付いていく臨場感が素晴らしいです。
    今や学生証もクレジット機能が付いている時代なのでこういうカード・ローンは身近どころか生活と切っても切り離せない様になってきたからこそ、この怖さを感じますね。

    ラストのそこで終わるのか!感には感動すらします。
    あくまで「彼女」へ近付くまでのお話なんですね。
    読んでよかった。

  • 成りすますために人を殺すほどの、自由を手に入れたいという人間の執念をとても感じました。クレジットカードというお金の闇に恐怖を感じた作品でした。あえてああいう結末にするのが後のキョウコの想いを考えることができました。

  • 宮部みゆきの作家性が凝縮された一作。

    絶対的な個としての「悪」ではなく、大きな流れの中で少しずつ生じる「ズレ」が積み重なり、恐ろしい出来事を起こす。時には、自分の幸せを追い求めることが他者を滅ぼすことにさえなる。

    「火車」では、その不条理がすぐそばで起こり、そして自分に降りかかってくることの恐怖が、練達した文章で綴られている。

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ちょいな人々

荻原 浩

ちょっとおバカだけど憎めない人々の日常を、ユーモアたっぷりに描いた物語。

隣の庭木を憎む主婦、いじめられっ子と一緒に復讐する相談員など、「ちょい◯◯」な人をブラックユーモアも交えながらコミカルに描いた、全7話の短編集です。
どこかから回っているけど憎めない登場人物ばかりで、現実に遠くなく、こういう人いそう!と思わず納得してしまう面白さがあります。
もしかしたら、今、フツーにとなりにいるアノ人も、よく観察したら「ちょい」な人かもしれません...(笑)

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