火車 (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • ¥ 1,069
  • 新潮社 (1998年1月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369181

火車 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • クレジットカード社会の問題(カード破産など)をテーマにした社会派小説

    ページ数も多く、読みでがありました

  • 他人に成りすました女性の行方を追う。
    いまさらながらの、初めての宮部みゆき。
    なぜいままで手に取らなかったのでしょう。分厚い内容をもろともしない面白い展開で、あっという間に読んでしまいました。

  • 20年ぶり、内容を忘れていてまた夢中になって読んだ。ストーリーが面白いのは勿論、人情の機微?の表現がうまいなぁ~と思った。

  • 二人の若い女性が、借金による生活の破綻で人生が交錯する物語。サラ金が社会問題化する1990年ころが舞台。
    みんな人生を背伸びして生きている。幸せと夢を追い求めた追い求めるために。しかし、その結果、自分ではない誰かになっていってしまう...
    佐高信さんがあとがきで、この小説が直木賞を取れなかったのは経済小説を軽んじる審査員のせいだと書いていたが、全く同感です。
    先日の都知事選で出馬しようとした弁護士・宇都宮健児さんが、作中の弁護士のモデルと知って読みました。
    映画になっていれば、見たいものだと思ったが、韓国で2012年に映画化されているが、日本ではテレビドラマに2回なっている。
    日本での美貌のヒロインは、1991年が財前直見、2011年が
    佐々木希。前者がぴったり来るが、後者がどんな演技で臨んだのか見てみたい。

  • 20年ぶりの再読。
    1980年代後半から90年代にかけての懐かしい風景がよみがえってきた。まだ携帯電話が普及していない時代。人々のコミュニケーションの濃密さ、人間臭さに引き込まれていった。休職中の刑事、本間は、さほど仲のいいわけでもない従兄弟のため、私生活をなげうって失踪した「彼女」を探す。途中で知り合った保もまた、真相を突き止めたい強い思いから、本間に協力。さらに、本間の息子である智や、彼の面倒を見てくれる近所の夫妻、本間を助ける同僚の碇など、互いが互いのために動くのだ。(一体みんな、どこまでおせっかいなの?と言いたくなった。)

    本書の中心は、第三者になりすます女性、多重債務の問題である。物語は一貫して「喬子」を追う。遠い昔読んだ時は、最後に彼女がどのように姿を現すかに焦点を当てていたと思う。

    今回の読書では、作者、宮部みゆきさんの登場人物に向ける公平な眼差しに心が温かくなった。加害者、被害者の別なく、人間性に対して客観的、という意味である。

    再読のきっかけは同タイトルの韓国映画だった。映画を観ても遠い昔に読んだ本書を思い出せず、もどかしかったからだ。結果的には、内容を忘れていたからこそ、映画も、その後に読んだ物語も両方楽しめたのだと思う。

    あと20年もたてば本書の内容をかなり忘れているだろう。そのころ再読してみよう。時代の変遷をどのように感じることができるか、今から楽しみだ。

  • 今さらながら、初めて手を出した宮部みゆき。
    スピード感のある小説をネットで探して、引っかかった作品。

    読み始めてすぐに内容に引き込まれ、展開が気になり一気読み、かなり楽しんで読めた。
    最後のシーン、「新城喬子」本人からの告白の部分をもう少し聞きたい気持ちになったが、深みを持たせる意味でココで終わる形が良かったようにも思う。

    東野圭吾と作風が似ているが、より一歩個々の人物、その内面に寄り添うところが特徴だと思う。

    <印象に残った言葉>

    ・たぶん、彼女、自分に負けている仲間を探していたんだと思うな。(P345 大杉郁美)

    ・一生懸命、何度も何度も脱皮しているうちに、いつか足が生えてくるって信じてるからなんですってさ。今度こそ、今度こそ、ってね。足なんか生えてこなくても、立派に蛇なんだから。だけど、蛇は思ってるの。足があるほうがいい。足があるほうが幸せだって。(P488 宮城富美恵)

  • 題材も時代背景も古いと思いつつ、それがかえって味わい深いです。バブル崩壊直後あたりなんですね。
    最後にどんでん返しとかサプライズが用意されているわけではなく、主人公の大まかな仮説に添えられた幾多の謎が納得の形で解き明かされていき、読み味はとてもよいです。
    家政夫や息子など掘り下げたら面白そうな設定も魅力のひとつです。

  • 名作でした。最初は正体不明で君が悪かった偽物の存在。物語が進むにつれ、段々とその偽物の人の壮絶な人生が明らかになっていき、自分ならどうしただろう、と悩んでしまいました。最高の作品ですね。

  • 今年読んだ中で一番面白かった!小説は読まない夫もこれは面白いと話しています。

  • テレビで観て再度読みたくなりました。ドラマとの違いなんかもわかってとても楽しかった。
    宮部みゆきさんはすごいね。

  • 現代のクレジットカードの怖さについても学べた。また、借金取り立てに慄く人々の人生についても学べた。過去も未来も自分という存在では幸せにはなれないと思ったきょうこさんが、同じ境遇をもった若い女の人を狙い人物ごと成り代わるという物語には衝撃的でした。
    宮部みゆきさんの作品を初めて読みましたが、ミステリー小説のエースと言われてるだけあって中々内容に取り込まれていきました。

  • 宮部みゆきさんの本、ずっと気になってたけれど、初めて読みました。

    事件物、サスペンス物とかはあまり得意ではないんだけど、この作品は気持ちを入れやすい事件物で面白かった。

    最後の先にある、彼女の口からそれまでの彼女の半生の話を聞いてみたかった。

  • 作中に、自分の人生の転落を振り返ってぽつり、ただ幸せになりたかっただけ、との一言がある。誰しも、はじめから誤りを起こそうとするのではない。一種、用意周到に外されたレールを前にブレーキが間に合わず、いつしか火花を立てて加速し、奈落のそこへと飛び込んでいく。地獄に人を送り込むという、火車、本作で描かれる、その人生の変貌ぶりのみならず、読了感としても、火車よろしく、穏やかに始まったものの、あっという間に引き込まれ、放心状態で立ち尽くしているよう。

  • ミステリーと思って読んでみたが、ちょっと期待外れというか、良く分からない。
    別人だったという話以外に、驚くべきポイントも無く。

  • 読みごたえのある、とても哀しいお話でした。

    この小説を読むまでは借金地獄や自己破産なんて他人事のように思っていたし、サラ金に手を出したり計画性のない使い方をした本人の自己責任ではないかと思っていたのですが、読後はそれがとんでもない心得違いであり、考えを改めなければならないと思いました。

    ミステリーとしても面白くて引き込まれますし、クレジットやローン、キャッシングに関して現代社会への警鐘を鳴らす役割も果たしている素晴らしい小説だと思います。

  • かなり時間をかけて読み終えた。とても地道な展開の突飛なことのない話。でも中だるみもなく最後まで面白く読んだ。ここで終わるかーという思いはありますが。

  • 作中で喬子と彰子は共食いをした、
    と本間が感じた時がある。

    しかし、私はそうは思わない。
    どちらも同じ借金を抱えた若い女性ではあったけれど、
    彰子は自分のためにお金を使い、
    首が回らなくなって取り立てにはあうものの、
    結果的には自己破産することで借金から逃げられた。

    一方喬子は親の借金。
    法的には関係がないと言われても、
    どこまでも取り立て屋に追われ、
    自分の借金ではないため、自己破産も出来ず、
    ただ逃げ続けるより道がない。

    2人の借金は似て非なるものだ。
    喬子は借金から逃げるために、何が出来ただろう。
    私には、明確に答えを出すことができない。
    だから簡単に、お前のしたことは悪だと
    断罪する気持ちにはなれないのである。

  • 賛否両論ありそうなラストだった。個人的には、あれで終わるのはちょっと…という感じ。

    図書館で官報を見ている喬子の描写が秀逸で、とても印象に残った。あそこまで苦労すると、私もああなってしまうだろうなと思った。16/6/4

  • 韓国でリメイクされたのを観て面白くて、原作も読むことに。細かい設定、結末は映画とは違うものの大筋はあらかた同じで映画、原作と どちらもオリジナリティがあって楽しめた。

    カード、ことにクレジットカードって現金と違ってその場で札や小銭を出すものではないから、実際にはお金を使ってるんだけれど、使ってる意識がないというのは私も経験があって。
    自己破産はないけれど、カードの明細を見て、あっ!こんなに使ってたのか。。。ちょっと使いすぎたなぁ。と後悔した事は、何度かある。しかも、忘れた頃にカードの引き落としはやってくる。
    これが、クレジットカードの怖さかと思う。

    今でこそ自己破産という言葉、債務のご相談は〜なんていう弁護士事務所のCMも頻繁に耳にする。ただ、この物語の中ではそれがまだあまりメジャーじゃないようで、少しびっくりした。

    にしても、新城 喬子とは怖い女だ。彼女、出自が決して良いとは言えないし寧ろ、親のせいで自分の人生が狂ってしまったのは気の毒。気の毒だけれどだからって、そこまでするなんてあまりにもその犠牲になった人間が可哀想ではないだろうか。。。

  • たしかドラマ化もされていたかな、程度に手に取った本。今とは時代も違うのにぐいぐいと引き寄せられて読んでいきました。最後に“彼女”がどんな人なのか言葉を交わすことができないところには賛否両論があるようで、私は期待していただけに残念な気持ちになりました。彼女の思いを聞いてみたかった。しかし、物語中で実際に登場することがない“彼女”にこれほどまでに惹かれるということが、この小説のすごさだと思います。

  • カードってこわいなぁという思いが生まれた本。

    日常生活で欲しいものやまわりが持ってるから買っていく。
    それがもらっていないお給料からでも。
    どんどん分割払いにしていき、とうとう払えなくなる。

    やっぱりカードは払える範囲で使っていかないと!

  • 宮部みゆきはドラマの「ペテロの葬列」を見てから、こんなに面白いのを書く人なんだと思って火車を読んだ。伏線に次ぐ伏線、そして1つずつページを捲るように明らかになる真実、読み応えのとてもある作品でした。

  • 火曜サスペンス…

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火車 (新潮文庫)の単行本

有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。 (torch comics)

ドリヤス工場

名作文学をだいだい10ページの漫画で知る、お手軽な文学入門漫画。

太宰治の「人間失格」や芥川龍之介の「羅生門」、中島敦の「山月記」など、誰もが一度は聞いたことがあるけれど、そういえば話をよく覚えていなかったり、読んでみたことがない作品もあると思います。
そんな名作25作品が、ざっくり10ページくらいの漫画で描かれています。
端折られた部分も多くありますが、名作のあらすじや雰囲気を知ることができます。
この漫画を読んで気になった作品は文庫本を読む、という読書も面白いのではないかと思います。

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