理由 (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (2004年6月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (686ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369235

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理由 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 第120回直木賞受賞、宮部みゆき氏の長編ミステリー小説。

    宮部みゆき氏のミステリーは、短編などサクサク読めるものから、本作のような長編で重厚なものと様々。今回は読みごたえがありました。

    宮部みゆき氏曰く「NHK特集のような手法」で書かれた作品で、関係者にインタビューをしながら特集記事を作っていくような、そんなドキュメンタリータッチな作品です。自分は初めて読むスタイルでした。直木賞を受賞している作品なので単純なミステリーではないだろうとは思っていましたが、まさか書かれ方が独特だとは。。でも面白かったです。

    関係者が語るにつれて事実が少しずつ明らかになっていくのですが、関係者が多くても雑にならず、事件への関わり方がしっかり書き込まれているので、本当に特集記事を読んでいるかのようでした。

  • よく製造業で言われるなぜなぜみたいに、不自然な事象のなぜ?を悉く追い続ける作品です。

    ミステリの基本なんでしょうが、あらゆる角度から突き詰めていく過程で徐々に真実が明らかになっていくところが物語りの醍醐味です。

  • うーん「火車」の方が面白かったです・・・。
    以下、ネタバレです。

    ある中年男性がいまして、家族が複雑で不幸で、結婚して子供もいたのに、蒸発します。
    蒸発して根無し草な人生を送っていて、でも根はいい人みたいで、
    同じく根無し草な人々と共同生活を送ります。
    怪我のショックでボケちゃったおばあさん。
    男性関係でだらしない人生になってしまい、地元を流浪した中年女性。
    やはり不幸な両親環境で育って、家族を拒否して孤独な人生を送っている、若い男性。
    この4人で擬似家族みたいに、それぞれの都合のために一緒に暮らしています。
    それが、怪しい不動産屋に利用されて、「占有屋」として、いわくつきの競売物件に住み着いて、
    新しい買主を困らせる、そんな裏社会の仕事をします。
    その都合で4人は一応、家族を名乗る。
    とある高級マンションの一室を占有しているときに、
    若い男が、だんだんその擬似家族が疎ましくなる。
    おまけに、家族を拒否してたのに、惚れた女ができて、子供もできてしまう。
    色んな意味で独立したい。まとまったお金が欲しい。
    抜けがけて買主と取引しようとする。
    露見して言い争いになる。
    若い男は、不幸な家族環境で育ったせいか、どこか世間のモラルから浮遊していて、男、老婆、女、の三名を殺害してしまう。
    たまたま、呼び出された買主がそこにやってくる。
    パニックになる。
    たまたま、そこに、若い男の恋人がやってくる。
    言い争いになり、たまたま、ベランダで、女が男を突き落としてしまう(ベランダで女が若い強い男を突き落とすってどうやって・・・)。

    という殺人事件の、発端から真相がわかるまでの、お話。
    それを、擬似ルポルタージュの手法で書いている。
    殺人事件の当夜の発見者たちの証言からはじまって。
    関係者それぞれから話を聞いて紐解いていく手法で。
    味噌は、その過程のひとりひとりの、生い立ちやら背景やら家族問題やらを、丁寧にルポ的に書いていく。
    その中で、日本の現代史が見えてきたり、バブル崩壊という世相が見えてきたり、現代日本の、階層社会、孤独社会、家族崩壊みたいな事情が見えてきたりする。
    という小説なんですけどね。

    発端から1/3はワクワクして読みましたが。
    中盤から「もう、テーマ性と手法はわかったからもったいぶらないでよ・・・」という感じになり。
    終盤は「えー?それだけの落ちなの?」という感じ。

    これだったら、読み物としては、メグレ警視ものの方が面白い・・・。
    ミステリー、犯罪警察捜査物語の中で、加害者被害者の人生模様が見えてくる、っていう意味では・・・。

    ちょっと、ルポ調の手法に独善的に酔ってる気がしてしまって・・・。

    面白い部分もあったんですけどね。
    一個の事件の中に、それぞれの「理由」があるというお話で。

    うーん。やや技法に走った感がしました。好みですけどね。

  • 冒頭の部分が進んでいかなかったのですが、いざ読みだすと止まらなくなりました。
    いろんな家族のあり方があり、またそれぞれに問題を抱えていて現代の闇が浮かび上がっていましたね。
    ミステリーとしてもドキュメントとしても読みごたえがある作品でした。

  • 出だしから引き込まれた。この本がきっかけで宮部みゆきの本を読むようになったかも。ミステリー小説でお勧め聞かれたら紹介する一冊。

  • 10数年ぶりに再読。様々な家庭の内側を描き出すことにより、社会をリアルに写しだした作品。以前読んだときは、サスペンスとしての展開ばかりを期待しすぎて、登場人物が多いのと、インタビュー形式で冗漫に語りすぎるのが嫌だったけれど、今回まったく気にならなく面白く読めた。小説のジャンル分けって、時に鑑賞を邪魔するかも。

  • 最初は分厚くて、えーって思いましたが、どんどん進みました。法律的な?若干理解が難しいところもありましたが、謎だし殺されたのもわけわからないしすごく面白みがありました。宮部みゆきってやっぱり面白いんだって思えた作品です。

  • 社会的に不思議な事件ものを読みたかったので。

    模倣犯>理由
    かな。

  • ものすごい面白いわけじゃないと思う。
    すごく続きが気になるわけでもないのに惹きつけられる。

    それが不思議。

    最初から最後まで変わらないテンポで続くその話を別段おもしろくないなと思いながら完読してしまいました。

    「理由」は推理もの。
    高級マンションで一家四人が殺害されたって冒頭。
    でも殺された四人は元々すんでた人たちじゃなくて、しかも一家を装っていたただの他人同士で…と謎だらけのお話。

    話の形式はインタビュー風シーンと回想シーンでほぼ構成されている。
    いろんな人のいろんな話を聞いて確信にせまってく感じ。

    オチはそんなに強烈ではないけど…でも惹きつけられるんだなぁ、変な達成感があるんだなぁ。

    不思議!

  • 自分的に「読む機会を逸していたエンタメの名作を読んでみようキャンペーン」を勝手に繰り広げているのだが、その第1作。
    数ヵ月ぶりのエンタメ読書だったので、最初はそのつるっとした文章やきっちり立っているキャラにちょっと興ざめするところもなくはなかったのだけど、エンタメに乗る方法を思い出してからは、逆にそれこそがエンタメの醍醐味だよね!って感じで一気に読みました。
    少し時間が経ってしまったので細かいレビューは割愛。最後の少年の一言が悲しい。

  • 読み終わった
    宮部みゆきにはまったきっかけの一冊。最高の社会派ミステリー。でもこれを映画化ってどうやったんだろう?

  • 入院中に病院文庫で。

  • 火車から引き続き、宮部みゆきさんの理由。

    荒川の高層マンションで一家4人の殺人事件が起きた。しかし殺された4人はそこに住んでいたはずの小糸一家ではなかった。殺されたのは誰で、なぜそこに住んでいて、なぜ殺されたのか、そして殺したのは誰なのか。
    事件解決後に関係者へインタビューしてるという形式で、物語は進む。

    直木賞とってるみだし間違いなくおもしろかった。しかし個人的には火車のほうが好きかも。
    基本的に時系列順に事実が判明していくから内容自体はわかりやすい。
    ちょっとクズな人が多めな気もするから、なんでそこでそんなことするの??とか思いながら読むとイライラする。

    ちょうどこれを読んでる時に引越しして、契約の説明時に物件が担保になってるから競売にかけられる可能性があります。とか説明されて、あーこれ読んだやつだー!ってなんかうれしかった。

  • 自分のなかでは4.4点。10年ほど前に読んで「おもしろい」という記憶はあったが内容は99.9%忘れていた。
    約700ページとボリュームたっぷりなのにグイグイ読めた。その理由は殺人事件の異常さと関係者を順序よく語らせるスピード感。しかも殺人に至る過程が非常に凝っている。まさに大作。
    1点だけ残念なのは、犯人も被害者も異常な境遇なのにそこに至った経緯の説明が雑。それで100%はのめり込めなかった。
    とはいえ、今まで読んだ殺人ものでは最上級に楽しめた。

  • 【あらすじ】
    高層マンションの一室で、4人の死体が発見された。そのうちひとりは転落死で、他の3人は殺された形跡があった。発見当初は家族との見解が強かったが、捜査が進むに従ってまったくの他人同士だったことが判明する。では、彼らは一体誰なのか。また、犯人は何者なのか。様々な関係者の証言によって、事件を多角的にあぶりだし、やがて見えてきた意外な真相とは!?

    【感想】

  • 家族。
    うちの家族は仲が悪いわけではないけれど、大切なことをお互いに伝えあえていなかったり、思いやりが足りなかったりする。
    たまには息苦しく感じたり、逆に迷惑をかけすぎて一緒にいるのが申し訳なったりすることもある。
    それでも、我が家にはこの本に描かれている要んような「歪み」はなくて、いざとなったら必要と思い合える仲だと思う。
    それがとても幸運なことだと気付きました。

    ドキュメンタリー風なストーリー進行が魅力ですが、私にはちょっと合わなかったかな。。
    有名な作品で期待していただけに…(・_・)

  • 江東区高橋 深川警察署 露見 簡易宿泊施設 馬喰町 姑との諍い 清澄通り 鬱積した感情の逃げ道 平成二年、バブル崩壊の年だ。混乱の渦中に身を置いていた 居住者が入れ替わって 違う用向き 万事に遺漏がございません 分不相応 上野毛 ふたりの証言には齟齬がなく 排他的でいるくらいが 現代は「気分の時代だ」 心地よい特権 相模原と荒川区は土地柄もまったく違うし、距離も西と東に離れている 玉石混淆こんこう 競売 夜逃げ 差し押さえ いわゆる『占有屋』 意気軒昂 この利発な長男が、時折子供とは思えないような洞察力を見せ、なおかつそれを表現する語彙も獲得していることを承知していたし、宝井家のなかには、家族の話は傾聴するという、なかなか気持ちのいい習慣があった。 彼女の惑乱 姉さんは情が濃い人だ 敏子としこ 睦夫むつお 寝具しんぐに負けず劣らず真っ白だ 路傍に立つ標識 東京都日野市平田町 築浅のモダンな構えの家 賃貸し だび荼毘にふされて 斜めに遺伝 謹厳きんげん 接骨師 カイロプラクティック 偏頭痛へんずつう 頻繁 情操教育 ヴァンダール千住北ニューシティ 輸入インポートもの専門のブティック ハウスマヌカン 目に見えないものインビシブル 孤軍奮闘 伏魔殿ふくまでん 草加市 買受人 競売物件 古典的・典型的な手口 厚遇こうぐう 執行妨害 思想的な理由がある確信犯 偽の賃貸借契約ちんたいしゃくけいやく 相応の立ち退き料 詐術さじゅつ 迂遠うえんな方法 抵当権者や買受人の側は、なんとかしてこの嘘を暴き、これが不法な占有であることを証明して、占有者を排除してもらうことに全力をあげなければならなくなってしまいます。エネルギーをとられること甚だしい。 知能暴力犯 賃貸人ちんたいにん 法律の隙間で活動する占有屋の問題 浦安 晴海 門前仲町 出来高制 しゅうたんば愁嘆場を演じたところで 康隆は肉親の想いと「良心」という理の間でゆらゆらと揺れながら レプリカント=人造人間 生態のわからない生き物に遭遇してしまったというような感じだった 語彙の幼さ 成人した男の言うことじゃないよ アイロニー=逆説 皆殺しの憂き目にあった 難詰された 痛罵する 溜飲が下がった 経済的な逼迫ひっぱく 辛辣 埼玉県深谷市 高崎線沿線の小都市 隣市の熊谷市が上越新幹線の停車駅を獲得したのと引き替えに失なってしまった街の情緒を、まだそこここに漂わせている。 死んだ人が遺族に報せにくる メモリアルパーク=お墓 分不相応な買い物 そこにハーケンを打ち込むのを躊躇わせるようなあやふやな部分があった 鬼に金棒でしたよ。変な言い方だけど、判りますか? 八代裕司の幽霊 拙著せっちょ 上梓じょうし 現代ミステリ 大林宣彦のぶひこ 心の琴線に触れる意義深い状況 多角的に検証 叙述 暗闇の灯台の夜を作品 現代社会の複雑な様相がやおら迫り出してくる仕掛けだ 事件の背景にあるバブル崩壊後の日本の惨状をつぶさに知り 家族の崩壊と小さなコミュニティの変貌(しばしば犯罪を誘発し、露顕ろけんを遅らせる状況) 現代社会で跋扈する冷酷な犯罪者と被害者の肖像を鮮烈に描ききっているのだ ファンタジーとリアリズム 希代の語り部 先鋭的な 鋭敏な感性 火車 模倣犯 三大リアリズムの傑作 エピグラフ 内なる殺人者

  • 高級高層マンションでの一家4人殺人事件の真相を追う話。
    様々な登場人物が登場する。
    いろいろな家族があり、家庭があり、いろいろな考えがある。
    事件をとおして、家族とは。という大きなテーマを取り扱う。

  • 長い。その理由がわからず一気に読んだ。

  • 登場人物が多い。
    タイトルがなぜ「理由」なのかを考えながら読むが、読み進めると砂川家だけでなく、この事件に関わる人達の複雑な背景に驚く。
    もちろんフィクションではあるが、この小説の時代が1990年代後半であるなら、さらに複雑な事情の家庭もあることだろう。
    闇は特別な世界にある訳ではない。

    「家族とか、血のつながりとか、誰にとっても面倒くさくてやりきれないもんだよ。だけど、本気でそういうものをスパッと切り捨てて生きていこうって人たちがいるんだね」

  • 火車が面白かったので続けて宮部作品。
    直木賞作品という事でちょっと期待をしすぎた感はあります。
    小説を読んでいるというよりドキュメンタリーを見ている様な感覚でした。
    ひとりひとり視点を変えて見ていく事で事件の全容が見えてくる…。
    見た目は幸せそうに見える家族の歪んだ部分からの破綻を見ている様でした。
    不動産の裏事情も知らないものですね。
    ページ数は多いですが、先が気になってサクサク読めました。
    でもちょっと引っ張りすぎ感もありますね。笑

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