模倣犯3 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369266

感想・レビュー・書評

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  • あぁ、このままではカズくんが犯罪者になってしまうよ。何とかならないのか?


    群馬県の山道から練馬ナンバーの車が転落炎上。二人の若い男が死亡し、トランクから変死体が見つかった。死亡したのは、栗橋浩美と高井和明。二人は幼なじみだった。この若者たちが真犯人なのか、全国の注目が集まった。家宅捜索の結果、栗橋の部屋から右腕の欠けた遺骨が発見され、臨時ニュースは「容疑者判明」を伝えた――。だが、本当に「犯人」はこの二人で、事件は終結したのだろうか?

  • 止まらない。止まらない。
    3巻は最速で読了。
    あ、警察が出てこなかったかも。
    なんとなくネットで映画の批評を見てしまい、ピースが中居くんにしか思えなくなって少し反省。
    さ、あと2巻楽しもう!

  • Audibleで読みました。
    この巻で女性殺害事件の犯人サイドの動機が判明し、時系列もつながってスッキリ。
    これほどまでに登場人物に細かな設定を与える宮部みゆきという人の深奥な作家性が窺えます。ここまでの設定を作りこんでおいて、どの巻のどのタイミングでどれを出すのか、を構成するなんて自分に対するサディスティックなおしおきにしか思えません。

    さて、てっきりサイコパスかと思いきや実はサイコパスの2世で愛着障害を抱えていた犯人の、狂おしいまでの葛藤がまぁ痛々しいことこの上なしです。もちろん共感はしませんがひょっとして彼も被害者なの⁉︎なんて読んでしまったら作者の思う壷のように思えます。
    当然、家族全員を惨殺された過去を持つ塚田真一とのコントラストも考えさせられる要素の一つかと思います。結局のところ、犯人は選んでその道を手繰ってきた、ということかと思います。まるで不幸な偶然の積み重ねのようでいて、間違いなく節々に意図した選択を行なった結果として、最大級に不幸な今日に至っているということです。裏を返せば、巻末の走馬灯は、それぞれに逆のあるいは異なる選択肢もあったのだ、と作者は言いたかったのではないでしょうか。良い選択をしましょう、的な。

    次巻以降は真一と、ルポライターの前畑の動きが語られていないので気になります。にしても一体何が模倣犯なのか。もしや気づいてないのは自分だけなのか。

  • カズと浩美がすでに一巻の終わりで死んでいるので、その経緯を逆に追う形で物語は進行する。最後まで浩美の事を思うカズはやさしくてかわいそうな人。すでに分かっている死にむかって物語は進む。これで1巻から始まった物語の内容はすべて明らかになっている。残るは「ピース」の事だけ。「ピース」は何者?結果的には「ピース」のもくろみどうりの犯人死亡という結果になったのだろうか。

  • ざっくりなんやけど、1は被害者家族目線、2は加害者目線、そして3は加害者と犯行を止めたい幼馴染目線、って感じ。どんどん犯人や被害者が深掘りされてて息苦しくなる。しんどさしかないけど先を読みたい。これからどんな展開になってくか怖い。

  • まだ中盤なのに事件は結構進んでいっていて、どんな進み方、終わり方をするのか楽しみ。

    作者が誰であってもミステリー小説の中のアタオカな殺人犯は親の影響だったり幼少期にトラウマ抱えてたり、レイプするよなぁ、これが1番社会問題なんですかねぇ(小並)

  • 2021.12.17読了
    複雑に人間関係が絡み合い、主軸となる人物の視点が度々入れ替わる。
    どのキャラクターの人物描写もとても丁寧で、さすがだなぁ、と。
    浩美にしろ、ピ-スにしろ相変わらずの卑劣っぷりにうんざり。
    ピ-ス、一体何者なんでしょうか?

  • 高井和明というここまで純粋な人間が大層な事件の共犯者として扱われることがより一層憎くなる・悔しくなることが盛り込まれた第3巻。
    ピースの存在に対して尊敬とか憧れだけではなく, 嫉妬や羨望といった気持ちも入っていた栗橋浩美にとっては, カズはどこか心の中の最後の拠り所だったんだろうな。本人はもちろんそんなことには気が付いていないけれど。逆にカズはそのことも含めて浩美を受け入れる位の度量があったのでは, と思ってしまう程にカズに感情移入してしまう話が盛り込まれていた。カズの浩美への思いが真っ直ぐな程心が痛い。

  • 1巻で死亡した2人の視点から事件を辿っていく第3巻。それぞれの事件自体は結構あっさりとしており、事件の発端やヒロミの気持ち、カズの想いなどが丁寧に描かれている。
    言い訳にはならないが、ヒロミの環境もなかなか壮絶。まさにジワジワと殺されてきたようなものだと思う。ピースにさえ出会わなければと思うと残念。カズはとても一途でいいやつだが、ちょっと思い込みが激しい気もする。ヒロミの動機が本当に姉の話だけだといえるのかとか、捕まったらおそらく死刑になるだろうこととか。最後の最後でヒロミを操ったのはカズだったのでは?ヒロミは結局他人にコントロールされ続けた人生だったのでは?
    中二病をこじらせたのか、万能感や選民思想を持ちつつ、誤りを指摘されても受け入れられないピースがこれからどう動くのか。先が読めず気になる。

  • 2017.10.15再読了。
    「犯人」の事故死からスタートして、そこに至るまでが描かれる。
    事故は出来事として記憶しているけど、ピースと浩美のやり取りや、和明を巻き込んでからの流れなんかは、うろ覚えだった。
    和明は、描かれる場面毎に違う人の様な印象を受ける。
    周りが思うより、ずっとずっと大人で、ずっとずっと頭のいい人だった様に感じた。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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