模倣犯(四) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369273

感想・レビュー・書評

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  • 残り1巻しかないのに終わりに近づいている気がしない!どんどんダメな方向へ進んでいるような気がしてハラハラする。関わる人みんな不幸になってしまうのではないかと思えてくる。次で最後。どう終わるのか楽しみだ。

  • 最後の一言には、ん??
    実現してきた脚本を披露し、続きを書き、完結させるということかぁ。

    必ず網川が捕まってほしい。
    有馬義男が捕まえてほしい。

    確かに時代背景的にはインターネットが流行りだすころ。活躍するのかな?いや陳腐だな。

  • 当たり前だけど、犯人の栗橋と高井と書かれるのがとても悲しい。
    読者は裏で何があったのか、何故カズがそこにいるのかを知っているけど、物語の中で今現在それを知っているのはピースだけなのでそういう流れになるのは当然なのだけど。

    ここにきてやっとピースが本当の名前で登場。
    裏でやっていたことを知っているからか、何故かピースの話し方や行動がわざとらしく、演技ぶったように見えてしまう。

  • フラストレーションの溜まる1冊でした。犯人が誰なのかを知っているし、カズの本当の姿を知っているから由美子の訴えていることが分かるし、被害者としての真一の苦悩も痛いほど分かる。そして善人としてピースが登場してくる上、主導権を握っていく。この回はピースが犯人だとは誰もが疑わないから本当にイライラした。だからこそ次の回の裁きがどうなるのかが見もの。

  • 網川(ピース)の狡猾さと有馬氏の人間力に目を見張る第4巻。
    飯田橋ホテルの一件で, 前畑滋子の脆さも出てきて, 登場人物全員が建前ではなく, 本音で大川公園を発端とする事件に向き合うという印象を受けた。
    ピースはこの事件をどこに帰着させようとしているんだろうか。第1巻からは想像もしていなかったストーリーの展開と登場人物同士の偶然の出会いや繋がりに, ページを捲る手が止まらない。
    何より, 有馬氏の聡明さと冷静さは本当に頭が下がる。次で最終巻となるわけだけど, 他の誰よりもこの有馬氏との別れが寂しい。

  • イライラしたり泣いたり忙しい巻だった。
    カズのことを読んできているので、ホテルの支配人とか前畑とか真一にでさえ、「おまえらカズの無実証明されたら絶対謝れよ」と思いながら読んでた。
    ピースの芝居がかった態度、今まで気にならなかったのにこの巻だとやけに幼く感じる。
    由美子は気持ちは痛いほどわかるけど、どうしてもイライラさせられてしまった。
    前畑は一巻から印象変わらず、ただのでしゃばりな女としか思えない。「女」って感じ。
    義夫、真一、カズにとって少しでも明るい終わり方であったらいいなと思う


  • 真一や滋子に肩を入れながら読み進めていった。
    高井和明の無念が晴れるよう、由美子が報われるといいなと思うが、その度に網川が登場。
    5巻ですっきり解決し、全ての被害者は報われることはできるのか。その点は楽しみです。
    また今回は特徴的な言い回しが少し目に残りました。
    (メモしてないので忘れました、、)
    次も早く読みたいと思います。

  • 高井さんの幼い頃の描写にすごく共感した。どん臭いことに、ちゃんと理由があったことの解放感は同じような経験をしないとなかなか理解できないかもしれない。

  • 特捜部は、栗橋、高井を犯人と認めるものの、高井を犯人と確定する物証・アリバイが見つからず、事件の捜査は長期化する

    そんな中で、被害者家族は、もちろんのこと加害者(容疑者)家族は、好奇と非難の目に晒され、仕事、家を奪われ、地域からも追われていく。
    心は疲弊し、壊れていく様子が痛々しく、胸が潰れそうになる

    有馬義男がライターの前畑滋子に突きつけた
    「連中がなぜ鞠子を殺したのか知りたいよ。殺した後どう感じた
    のか知りたいよ。一瞬だって鞠子のことを可哀想だと思わなか
    ったのかどうか知りたいよ。

    だが、それはあんたのような赤の他人の"解説"として知りたい
    んじゃない! あいつらの声で、生身のあいつらにしゃべらせ
    たかったんだ」
    という言葉は残された被害者家族共通の悲痛な心の叫びだと思う

    「もし二人の他に第三の男がいるのだとしたら、事件について、
    しゃべりたくてウズウズしているはずだ。
    遅かれ早かれいつかはしゃべりだす」
    という生田の言葉通り、
    ピースが本名 「網川浩一」を名乗り、マスコミに登場し、5巻へとつながる

    この巻は、事件後の被害者家族、加害者家族、ライターの前畑滋子など、犯人を取り巻く人物の話だったので、やや中だるみの感は、否めない

  • 栗橋と高井の2人が自動車事故で死亡し、2人の共犯ということで連続殺人事件は幕を閉じたかに思えたが、再びピースが動き出すという展開でした。
    ピースの本名がついに明らかになりましたし、ピースが新たに何を考えて行動し始めたのか?なぜ、あえて事件関係者に近づくという危険を冒したのか?というところが謎ですが、ピースという人間の自己顕示欲というか真の悪意というものが、まだ抑え切れていないということなのでしょう。
    だんだんそのピースの感情が暴発気味になってきましたが、本巻での最後のピースオチが次の最終巻で、どのような展開となって、結末がどうなるのか?とても気になります!

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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