あかんべえ(上) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369297

感想・レビュー・書評

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  • 読んだ気になってたけれど、もしかしたら読み忘れてるかも。

  • これ読み落としていた!と気づいて、喜々として読みました。
    好みとしても上位に入る作品。
    素直な女の子が主人公も時代小説。幽霊も出てきます。

    江戸、深川で、太一郎夫婦は「ふね屋」という念願の店を構えた。
    太一郎が勤めていた賄い屋・高田屋の主の七兵衛が、料理屋を出すのが夢だったと店を出して独立させてくれたのだ。
    ところが、何故か縁起でもないことばかり。
    最初の宴席で、抜き身の刀が暴れるという怪現象が。

    一人娘のおりんは、12歳。
    引っ越す早々に高熱を出して生死の境をさまよい、そのためか幽霊が見えるようになる。
    幽霊本人も何故ここにいるのかはわからないという。
    あかんべえをする少女、美男の若侍・玄之介、色っぽい姐さん・おみつ、按摩の爺さん、おどろ髪の浪人風の男。
    この組み合わせも不思議なのだが?

    幽霊たちが成仏できないのは何故か、調べようと差配の孫兵衛の家を訪ねる。
    そこで働いている男の子は「ヒネ勝」と呼ばれているぐらい、かわいげがない。
    すぐにケンカになってしまい、なかなか差配さんには会えず、事情も教えて貰えないのだが。
    ヒネ勝は女の子の幽霊だけは見えているらしく、お梅と呼ぶ。

    いぜん向いの土地には寺があり、火事で焼けた30年前に大変な事件があったとわかってくる。
    そして店の土地は、その寺の墓地だったのだ。
    隣には人の良さそうな侍夫婦が住んでいるが、敷地は広くとも名ばかりで、店よりもよほど貧しそうな様子。
    果たして、幽霊たちは…
    店の成り行きは?

    高田屋からの人間関係も含めて、事態は大きく動く。
    善意の人はややこしいことに気づかなかったり、しっかり者には幽霊のことが理解できないといったあたりも面白い。
    思春期にさしかかる少女の成長も含めて。
    ファンタジーとミステリと人情味が上手く溶け込んだ感動の時代小説。
    平成14年刊行。

  • 時代小説。幽霊が見えるおりんの物語。上巻。
    前段がちょっと長くて戸惑ったけど、本題に入ってから徐々に面白くなってきた。
    ちょいちょい細かい描写があって先に進まないとなりつつも、どんどん読み進めることができた。
    下巻が楽しみ。

  •  おばけが見えることは、いいことなのか、どうなのか?この屋敷に関わる因縁とは果たして何。

  • 感想は<下>

  • 下巻に記載。

  • 腕のいい料理人の娘は新しく両親が開いた ふね屋で、幽霊に会った。おりんにしか見えない幽霊。
    幽霊が出る料理屋で、客足に影響する。どうするおりん。幽霊と仲良くなったし。

  •  江戸・深川の料理屋「ふね屋」の12歳の娘「りん」が主人公の歴史ファンタジー&ミステリー。りんにはお化けが見え、そのお化けたちと会話ができる能力がある。このふな屋には5体のお化けが存在する。
     りんの父が始めたふな屋では初めての団体客を迎えた際、お化けの一人が暴れてしまい宴席を滅茶苦茶にしてしまう。そして、その後再起をかけた宴席でも、今度は他所から来たお化けがまた宴席を壊してしまう。
     本巻は上巻なので謎が提示されただけだが、少なくとも2つの謎がある。一つはふな屋がある場所にお化けたちが存在する意味、そしてもう一つはふな屋で働く人に纏わる謎である。果たしてこれらがどんな展開を見せるか、下巻が楽しみである。

  • 幽霊が出る建物は、昔は墓場だった(117頁)。東急不動産のマンション「シーサイドコート鎌倉若宮大路」も昔は墓地であり、、建設時に人骨が出土した。マンションの広告チラシを配布するアルバイトの気分が悪くなるという異変があったという話がある。

  • 作品の雰囲気が凄く好み。読んだのはかなり前だけど今でも時々読み直したくなる

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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