あかんべえ〈下〉 (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (2006年12月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369303

あかんべえ〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  ふね屋に住む亡者たちの因縁に迫っていく下巻。

     下巻の前半から中盤にかけては、上巻で行われたふね屋での霊能力比べの際に起こった事件の真相を探っていく展開。

     関係者全員が集まっての大立ち回りは結構混乱もしましたが、(亡者は人によって見えたり見えなかったりするので生者と亡者が一堂に会すると誰が誰の声を聞いているのか、見えているのか非常に分かりづらいのです)
    そこで明らかになっていく人の業の深さ、感情の機微の書き分けの素晴らしさは相変わらずのクオリティの高さ!

     生死の境を彷徨ったおりんを除いて生者が亡者を見るために必要な条件は、「亡者と生者が同じ境遇や心情を抱えているということ」例えば、親のいない子どもの霊が見えるのは同じように親のいない子どもだけという具合です。

     だからこそ亡者たちは生者たちに強く呼びかけます。
    それは「お前の気持ちはわかる。お前も一緒に堕ちよう」という悪魔のささやきであったり「お前はこうなるべきではない」という心からの叫びであったり、
    そうした叫びを通して人の在り方、業の深さを強く考えさせられました。

     クライマックスの霊たちの因縁が明らかになるところが中盤の大立ち回りと比較してあっさり気味に感じられたのが残念なところ…。もうあと100ページあっても全然文句はないのに(苦笑)。

     でも別れのシーンはやっぱりグッときました。特におりんとおりんに対してあかんべえばかりしていた、亡者のお梅が最後におりんにかけた言葉は悲しくも温かかったです。

  • 他の人とは異なり、自宅の料理屋「ふね屋」の幽霊全員を見ることができるおりん。
    そんな小さな女の子おりんがふね屋で彷徨っていた5人の幽霊との関わりから世の中の憂いも楽しさも義理も知っていく。

    他の幽霊を見ることができる人でも、ある人は小さい女の子だけ、ある人は料理人だけ、と特定の幽霊しか見えていないようだ、と次第に分かってくる。
    それは、
    「お化けとその人間のあいだに、似たようなものがある場合――それぞれに、似たような気持ちのしこりを抱えている場合」
    「大人はいろいろな思い出を持っている。生きていると、否応なしに色々の重いが溜まるものだから」

    「亡者は、それを見る人の心を映すものなんだ」
    ・・・・・・と。


    本の中のお化けや人物のしこりや暗い屈託を通して、自分の中のそれを眺めることができる。自分の中の暗いものを欲のままに押し通してしまったらどうなるのか、潔い・気持ちの良い生き方は何なのか、考えさせられた。

    話の重さと反比例に幽霊たちがお茶目だったり、おりんちゃんのかわいらしくまっすぐな気性も手伝って、気持ちよく読み進められた♪

  • そんなに急展開でもないけど、
    いままでの あれやこれやが どんどんつながっていって
    あっさりと終わってしまった。

    お梅の最後が腑に落ちないかなー

  • 謎を解こうと一生懸命のおりんにも、試練が!
    いままで普通の人、
    好い人だったのが、
    意外な過去が暴かれていくのですからね。
    それだけ人の闇の部分は深いってことか。

  • おばけさんたちのことよりふね屋がどうなるのかのほうが気になって最後まで読んだのになんもなしか。

  • (2017-07-06L)

  • 面白い。それなりに謎や不思議があり。ちょっぴり切なさも感動もあって。
    他の人が書かれてるそつのない面白さっていうのがすごくしっくりきた。そういうとなんだかあんまり良い印象ではないかもしれないけど、なんていうか、良い意味で(もわるい意味でも?)枠から出ない安定した面白さだと思う。

  • 幾度も重なる幽霊騒動で暖簾に何度も泥を塗っているふね屋の行く末を心配しつつ、おりんの健気さに助けられた。 中盤まではふね屋がこのままでは潰れてしまうとはらはらしていました。おりんの出生の秘密も明かされ、おりんも少し不安定になってしまう。 それでも全てを受け入れたおりんの「私は愛されて生きている!」という感覚は力強い。その真っ直ぐな心に幽霊たちは惹かれているんだろうと思った。 最後の最後まで目が離せない。

  • 読んで良かった。読み終えて、非常に面白かったという充実感に満ちたのも久々。
    料理屋の土地に因縁を持つ幽霊が集まり、騒動を起こす。この下巻は、様々な因縁や、幽霊の謎の解決編。
    すっきりと、すがすがしい終わりで良かったです。ファンタジー的な小説であり、上下巻とありますが、そう分量も多くなく、趣味としての読書には最適でしょう。
    それにしても、心の闇に共通点があると見えるようになるという幽霊。ホントにいたら、ちょっとやだなあと思うのでした。

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