孤宿の人(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369310

感想・レビュー・書評

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  • 4月-3。3.5点。
    両親がいなく、阿呆の「ほう」と名付けられた少女。
    丸海藩のごたごたに巻き込まれ…
    上巻は、時間がかかった。かなり丁寧に書いてある印象。
    下巻、一気に進みそう。

  • 1412 宮部作品の時代物って味があってどれも好きです。今作品も背景、キャラ共に深い。下巻が楽しみ!

  • 時代小説はあまり読まないので、なんでこの本を手に取ったのか… 購入したのは大分前なので理由は忘れてしまいましたが、舞台となっている丸海藩は恐らく香川県の丸亀で、2度ほど旅行に行って見知った土地だったことがきっかけだったかなぁ。

    読み慣れない描写から情景を想像できるか不安でしたが、参拝した金比羅山なども出てくるため、状況のイメージは比較的楽でした。(事細かな時代背景描写の場面は自分にとっては少々重く、読む速度がダウンしましたが…)

    さて、そのような舞台に登場する主人公は齢10にも満たない少女「ほう」。その名の由来はなんと「阿呆のほう」だという、何とも不幸な境遇の子。けれど素直で健気なその所作や考えがかわいらしくてたまらない。

    変なしがらみや迷信、思い込みに捕われて愚かしい振る舞いしかできない、本当に阿呆な大人達から無下に扱われる姿を見ると(読むと)、そうしたしょうもない大人達に対して腹が立ってきます。

    なのにほうと来たら「私が阿呆だから」と自分を責めてしまう。

    どんな酷い境遇で育てられてしまったんだろう。ある程度それは語られているけれど、こんな小さいのに自責の念が強すぎるのはかなり異常。洗脳に近い形で「お前は阿呆」と刷り込まれてしまったんだろうか。(フィクションなのに、考え過ぎだと分かっているのですが…)

    そんなほうに激しく感情移入してしまい、彼女の面倒を見てくれた井上家を追い出されるきっかけとなった梶原の美弥が憎らしくてしかたない。諸般の事情で彼女の行いは表に出ることなく、けれどほうはその犠牲となって理不尽な状況に陥る。

    なんですかね、この既視感。現代における、お上の都合で下々のものが泣きを見てる現在進行形の状況と似てる?

    それもあって、ほうや彼女を妹のようにかわいがる宇佐、梶原美弥に想い人を殺された渡部一馬たちに肩入れしてしまいます。この先下巻で、彼らの境遇が良い形で大団円を迎えられるといいなぁ…

  • 評価は下巻まで読み終わってから。
    展開が上巻終わり頃から早く激しくなってきた。

  • 再読。2005年6月上梓。江戸という時代が生み出した社会の中での人の有り様を真摯に描いた物語は圧巻。10才くらいの女の子の「ほう」に声援を送りながら読み進めました。興味を惹くか惹かないかの際どいような世界設定とテーマのなかで、ストーリー展開がやや冗長に感じる部分もありましたが、登場人物達に強く惹かれて、上下巻を一気に読み切りました。

  • 謎の多い加賀様という罪人と、その方を引き受ける丸海藩の過敏な対応。それを背景に翻弄される人々。

    登場人物の心情などが上手く書かれていて、味わい深い。
    下巻に期待。

  • ★評価は読了後に。
    種が次々に明かされていくが、スリリング感は保たれたまま。作家の力量も当然ながら、時代設定も絶妙。現代だとこんなに簡潔に見える話だと現実味がなくなるからなぁ、良いのか悪いのかは別にして。
    何にしろ楽しみに下巻へ。

  • 登場人物紹介と事件の予兆

  • 時代もの?は苦手だったが、ほうの目線で噛み砕いてくれたり、忘れかけた頃には、また説明が入るので、スムーズに読むことができた。それぞれの人物設定がしっかりしているので、感情移入することができた。サスペンスなのかな、と思ったら、簡単に種明かしが進み、サスペンス調だけども、もっと深い時代の空気みたいなのがメインテーマで面白かったです。

  • 2014.5読了。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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