英雄の書〈下〉 (新潮文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (2012年6月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101369341

英雄の書〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2012年7月12日読了

    ユーリの旅の目的がすり替わったのが気に入らない。
    目的は達せたし、アッシュたちが黙っていたのもわかるけど、結局ユーリは蚊帳の外みたいな扱いが好きじゃなかった。オルキャストとして精神年齢は上がったのかもしれないけど、蓋を開けてみたら小学生としてしか扱われてなかったような気がする。
    途中、アジュが横暴な切り返しするなとは思ったけど、真実を知った彼なりにユーリを思って、けど彼は若いので上手く折り合いがつけられなかったかもしれない。早く、ユーリと再会してほしい。
    それになりにまとまったとは思うけど、一筋縄ではいかない終わりだったなと思う。それこそRPG的終了ではないよね。"英雄"やオルキャストの存在は輪の中に数多あるということが、綺麗な終わりにさせないのかもしれない。

    新作は、新たなユーリの物語ではないらしい…。
    でも、大人になり一人前の"狼"になったユーリとアッシュの再会の物語が見たいなぁ。ユーリがアッシュを転がす感じで(笑)

  • 図書館で。
    面白い訳ではないなぁと思いながらも最後まで読まされてしまった感があり、そういう意味ではさすがというか。同級生を殺害した兄を探す旅がファンタジー要素が絡んだからといってすべて丸く収まりました、ちゃんちゃん、とすっきり終わるハズ無いものなぁと最初からどんよりした気で読んでいたからかもしれませんが。
    主人公のユリコもなんだかえらい怒りっぽくて感情的で(まああんなことがあったから仕方ないのかもしれないけれども)思い込みが激しく、どこか被害者意識で話が進むので最後まで感情移入できずに終わりました。

    事件が起こり、加害者側を知る人の言葉に「こんな事件を起こす人には見えなかった」というコメントをよく聞くような気がします。社会において普通に暮らしていた人がその判断基準から極端に逸脱する行為を日常的に(もしくは人目に付く所で)しているハズが無いのでこのコメントは至極まっとうなものではあるのですが、それを聞いた他人は疑問に思うわけです。「普通に生きていたこの人を犯罪に駆り立てた動機やきっかけはなんだったのだろうか」と。その疑問ややりきれなさを一つの原因に求めたところからして(つまり物語の成り立ちから)それが理由でイイの?と思ってしまった辺りでこの物語とあまり相性が良くなかったのかなとは思います。

    そういう意味でお兄ちゃんは悪くない、悪いのは「英雄の書」だ、と言える原因を見つけたユリコは心が楽になったのではないかと思うのです。そして彼の心を見つける旅(と言えるかどうかは微妙な所ですが)をしたことにより、感情を吐きだし少しすっきりしたのではないかな、と。でも個人的な感想を言わせてもらうと彼女は一番面倒で怖くてツライ現実をコピー分身に押し付けて「ワタシガ世界ヲ救ウノヨ」みたいな自己中心的なヒロイズムに溺れた世界に逃げ込んだとも言えるわけですよね。まあ逃げるのが悪いとは言わないけどすべてが現実逃避したユリコの妄想…夢だったと言われてもそうだろうな、と納得できるようなお話だった気がします。というわけで自分にはエピソードの狼のくだりは蛇足のように感じました。

    無名の僧もなぁ… まあ、うんそうなんだろうな、って感じでした。ユリコは無名の地に行ってなんだかえらい憤ってましたがそこも理解できなかった。感情も思想も「個」という概念もなくただ為すべきことを為す、という存在があるとしたらそれはヒトという枠からも放たれているという訳で、ヒトと同じ概念を持つ者ではないのではなかろうかと思うわけです。果たして彼女は工場の機械に対して哀れみを覚えるのか?そう言う近視眼なモノの見方が子供だなぁと思うし(実際小学生なので仕方ないのですが)感情の揺れが激しくて読んでいて疲れました…

    個人的にはファンタジー要素を絡めずに兄の事件を妹が振り返る、でも良かったと思うんですがどうなんでしょうねぇ?ファンタジーでアレは「書物」が悪かったと言いきるには兄の犯した罪が大きかったので同情できないというか救いが無いというか。全体として重い話のはずなのに妙に明るい場面があったり、彼女が万能のオルキャスト様を演じる辺りは滑稽というよりは不快に感じました。お前は自分の優越感や選ばれた人的特権意識を満足させるために旅してるのか?みたいな所が特に。

    加害者の家族の救済というのであればなんかもっと書きようがあったと思うんだけどなぁと思います。そしてこの作品で一番悪いのは新人担任の女性教諭だと思った。彼女はせめてユリコの親には事情を説明するべきだったと思う。ミチルさんの件を絡めるかからめないかは置いておいて、彼女は大人なんだから説明義務があったと思う。本当はもっと早く、事件が起きる前に行動を起こすべきだったと思うわけです。

  • 宮部みゆきさんのファンタジー小説は規模がでかくて大好き。
    悲嘆の門を読んで手に取りました。
    クスッと笑えたり、和んだり、怪物と戦うアクションシーンなどがあり、くるくる変わってるんだけどきっちりな内容でした。
    全体的に悲しい内容です。

  • ファンタジーやSFは苦手だけれど、宮部みゆき作だけは読みます。ソラがなぜ秘密めいているのか?アッシュは何を知っているのか?悲しい物語だけどアジュが可愛かったり、ユーリの成長も引き込まれて一気読み

  • 今更ですが、宮部みゆき!本当に多才。続編が気になる。

  • 再読。面倒くさい説明的情景描写は上巻で終えて、下巻は一気に物語が動き出して面白くなってきた。正邪の判断に正解はなく、反発し、苦悩する主人公の女の子は、子供とはいてそのまま私の姿だ。「物語を紡ぐ業」についての記述は、宮部さん自身の作家としての逡巡をうかがわせ、こんなに温かい物語を描く宮部さんでもそんなふうに考えるんだと驚いた。お兄ちゃんが消えるところから後半は泣けた。より成長したユーリに会える続編を期待します。

  • 異世界冒険もの、と称するには現実ととても折り合いの取れた、物語のための物語の一つ。という感じ。英雄の表と裏。無名僧と紡ぐ者。読みやすかったが重い話だった。主人公が小学生の女の子でも、可愛らしいアジュがいても、重たい。無名の地の色の無さがずっと世界を覆っているような。それでも終わり方、彼女の領域でのエピローグは納得がいった。続編、気になります。出来れば成長したユーリで見たかったけど。
    (→引用した文章、すぐに原発を連想させられた。)

  • 下巻は上巻よりも冒険の部分が多く割りとすぐのめり込んで読めました。

    続編を作ってもらいたい終わり方です(笑)

  • 旅立ちまでの前置きが長く、なかなかページも進まなかったが、下巻からは一気に読み。うーん、報われなさが残り、もやもや。

  • 残りページ数を気にしながら展開を予想して読んだけれど、やっぱりその上を行かれてしまった。
    続き…は描かれないだろうなあ。

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英雄の書〈下〉 (新潮文庫)の作品紹介

待ち受ける幾つもの試練と驚異。旅路の果てに、少女は兄の驚くべき真実を知る。手に汗握るめくるめく冒険譚。

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