- Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101369822
作品紹介・あらすじ
本邦初の総天然色長編映画「カルメン故郷に帰る」、「名もなく貧しく美しく」、「二十四の瞳」、「恍惚の人」…戦後を彩る数々の大ヒット映画の製作裏話と共に、女優・高峰秀子が綴った半生記。養母とのしがらみに苦しむ一方で、谷崎潤一郎や梅原龍三郎らとの交流を成長の糧とし、松山善三との結婚で初めて安息を得たことにより、「ひとりぼっちの渡世」に終止符を打つまでを描く。
感想・レビュー・書評
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古本屋で上巻がなかったんで、下巻だけ買って読了。
映画ファンの人も満足できる内容。高峰秀子さんの人柄がよく分かる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
解説は沢木耕太郎。一見華やかな女優も、生活は楽ではない様子や、さまざまな当時の著名人とのやり取りが生き生きと描かれていて、面白い。
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楠木健先生のDMMのオンラインサロンで、話題になっていた本。楠木先生が、もっとも影響を受けた本として紹介されていました。高峰秀子さんは名前は知っていますが、映画は見たことがありませんでした。楠木先生の紹介が無ければ読むことのない本です。高峰秀子さんが子役として5歳から女優の道を不本意ながら歩き始め、30歳で結婚するまでの半生を自ら書かれています。戦前戦後の映画の世界の裏側が詳しく描かれていて興味深いです。とにかく文章が素晴らしい。さっぱりして、知性に溢れています。人物の観察力がすごいです。当時はゴーストライターが書いているのではと言われたとか。面白くて上下巻、久しぶりに一気に本を読みました。
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文章が いい
語り口が いい
テンポが いい
交友録が いい
どの人物も ほんとうに いい
希代の世相史として 読める
その読み易さが いい
随所に差し込まれた写真が いい
表紙の写真が いい
解説(沢木耕太郎さん)が いい
こういう一冊が
語り継がれていくことが
とても いい -
この表紙の写真がすごくいい。個人的にはキレイなお嬢さん女優(それも素敵なのだけど)のイメージから一転、「二十四の瞳」や「放浪記」の重みのある演技に驚き、感動したものですが、その背景にある彼女自身の生き方に裏打ちされた本質的な「強さ」が、この写真に象徴されているようです。「他者を描くときの的確さと、自己を描くときの突き放した態度」(解説)。物事を捉える眼光の鋭さとともに、文筆家としてもまことに優れた方だと思います。
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美しくて気高くて、賢くて優しくて、きっぷがよくて、お茶目でいじらしくて可愛らしくて…
高峰秀子という大女優の中に、手塚治虫アニメの様々なキャラクターが息づいている感じがした。
何度も読み返して、一生大事にしたいエッセイ。 -
778.2
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文章の上手さに感服。交友(?)の幅広さにも感服。
沢木耕太郎の解説とともに読む価値有り。 -
こんなにいいと思わなかった。
谷崎潤一郎との交流で日本美に、親子についてで人生の深みに。こんなに引き込まれたエッセイってちょっとない。
にしても、このひと文章上手い。沢木さんの解説で締めまで完璧。これは永久保存本行き。