ターン (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373225

感想・レビュー・書評

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  • 同じ一日を繰り返すという不可思議な現象を通して、明日があって、未来の為に何かを遺すことができる事の有り難さを改めて噛み締めることができた。「声」の主については言及されなかったが、泉さんだといいなと思う。主人公の知らない事を話していたし、自分自身ではないかなと。

  • 「スキップ」とは違い
    救いのあるファンタジー。
    そう。ファンタジー。

    体と心がひとつに溶け合った
    その瞬間 それまで
    どこへともなく捨てられてきた
    繰り返しの1日が
    ちゃんと彼女の中に
    積み重ねられたことになる。
    取り戻した…そんな感覚で。

    このまま映画になりそう…と
    思って調べたら やはりなってましたか。

    柿崎が北村一輝とは…ハマり過ぎ(笑)

    真希と泉の交わす会話が
    とても深くて しみた。

    ではシリーズ最後の「リセット」に
    取りかかります。

    母を喪ってから こんなにも
    本を読むのに時間がかかるように
    なってしまうとは。

    失われて 戻らないものが
    私の中にはあるのだろう。。。

  • 端正。
    ゆるやかな時の流れ。
    時間に取り残された孤島であんなド変態と一緒になるとはなァ、ドッキドキしちゃうんだな。

  • スキップに続けて、読み直し。
    スキップがえぇ?!ってなったので、よかったのひとことである笑

    ずーっと同じ日が繰り返されるってつらいよね、やっぱり。
    今は時間が足らないって思っちゃうけど、ずーっと同じ日になったら…なにも残すことができない日になったら、私も何をしたら良いのか見失うだろうなー。図書館にずっといれるのは楽しそうだけど笑

    泉さんと声の人は同じ人というか…てわけですよね?てことはやはり運命なのだろうか。
    だから泉さんの声だけ電話で聞こえるんだけども…色んな奇跡というか時間が重なっているね。

    北村さんの文章って文章の中の温度の変化が楽しいよね。ワクワクするときもあれば、怖いときもあって。すごく引き込まれる。

  • 好き、だけどどことなく怖い。

  • 時と人の3部作、2作目。ただし前作「スキップ」が未読でも大丈夫です。

    交通事故を契機に、不可思議な世界へ迷い込んでしまった主人公。繰り返される同じ日々、誰も居ない世界。恐ろしい舞台設定です。自分がこうなったら…と連想するとぞっとしますね。
    だけどホラーテイストにならず、きっちりとハートウォームな物語になっている、というのは物凄いと思います。クライマックスのドキドキ感も好きですけれど、そこに至るまでの連綿と続く日々にも、ある種の美しさを感じます。

    405頁、「そして、この日のために~」の一文が不思議と心に残っています。北村薫さんって、こうした何気ない一文が時として物凄くツボにはまるんですよね…

  • 前半は物凄く読みにくい文章だなぁって感じで最後までは読めないかなぁと思いました。が突然真希の家の電話が鳴ったところから話が急展開してまるで違う作者の物語になったみたいに読みやすくてスラスラ物語に吸い込まれちゃいました。
    最後に載ってる作者の解説はわかりにくかったけどターンの理屈がどうこういうことを考えずに素直に楽しめる作品だと思います。

  • 最初は誰が喋っているのか、結局この喋っている人は何なのか、あまり解らない所がありました。全体的にちょっと読み辛さも感じました。ドラマの様に激しい起承転結がなく、非常に緩やかな描写が多いです。
    ですが、誰もいない世界で一人同じ日をターンし続ける主人公の姿勢や世界感の描写は何故だかとても美しいと感じました。
    ターンの仕組みを利用して近づこうとする男の存在に嫌な感じがしましたが、殆ど杞憂に終わって安心しました。
    現実世界であろうとターンの世界であろうと、その日を感じて生きる心の在りようは一緒であると爽やかに読了出来て、心地よかったです。

  • 中学生のころの推薦図書。
    読みやすいおもしろい!北村薫さんの感性がとてもよく出ていると思う。
    繰り返し何度も読んでいる本の一冊。

  • 珍しや二人称小説(途中から変わるけど)( ´ ▽ ` )ノ。
    それにもちゃんと理由があるんだけど、なんかフランス文学っぽい感じになった( ´ ▽ ` )ノ。
    どうせなら会話文を
    「こんにちは」  でなく
    ――こんにちは  とすれば、もっとそれっぽくなってよかった( ´ ▽ ` )ノ。

    作品世界は正直ぬるすぎ(>_<)。女性向けだね。
    ループSF設定のツメも粗すぎ(>_<)。ジュブナイル。
    なにせ「くるりん」だもんなあ……こういう語選を歓迎する層には受けるんだろうな(´ェ`)ン-…。
    DQN登場以降、グッとサスペンス色が増したのはよかった( ´ ▽ ` )ノ。
    まあ、結局そうでもないと抜けられないほど、ぬるま湯的な心地良い涅槃世界なんだけどね( ´ ▽ ` )ノ。

    巻末の「付記」は余計( ´ ▽ ` )ノ。
    問題はそこ「だけ」じゃないんだから( ´ ▽ ` )ノ。
    SF風アイディアはあくまで雰囲気を作るためのダシ。それでよかったんじゃないの?( ´ ▽ ` )ノ。

    北村薫先生の小説はむかし新聞連載で挫折して以来だったけど、やっぱり自分には合わないな( ´ ▽ ` )ノ。
    コアな女性ファン向け( ´ ▽ ` )ノ。


    ……こうしてレビューを書くために作品内容を思い出していると、ほんとよく出来たアイディア・テーマだな~と改めて感心(。・ω・))フムフム。
    でも、やっぱり自分向けではない。


    2016/05/10

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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