ターン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373225

作品紹介・あらすじ

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。

感想・レビュー・書評

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  • 「ひやり」を「ひいやり」と書くところとか、
    描写とか細かな言い回しが好きでした。

    タイムループのSF要素は薄くて、心情がメインなのかなと感じました。
    こんな状況になったとしてどう行動するかとかを考えながら読むのもおもしろかったです。

  • 映画とかのループもの見ると若干目が回る感じがするが、読んでる分には大丈夫でよかった。主人公と泉さんのひととなりがすごく伝わってきて、応援モード全開!
    ちょっとさしたサスペンスもありでなかなか面白い作品でした。

  • 時と人シリーズの3作品「リセット」「スキップ」と読んでの本作品「ターン」を読んだ。自分には合わなかったが、この話をどう収束させるのかと思っていたところに、同じくターン(くるりん)を繰り返している柿崎登場。期待したが、ただ何となくの収束で「自分は」物足りなかった。
    ただ考えさせられる読者もいると思う。

  • 第101回アワヒニビブリオバトル「再出発」で紹介された本です。オフライン開催。
    2023.7.4

  • 一人ぼっちの寂しさ怖さ、誰かと繋がっているとこんなにも心強くなるものなんだと感じるお話しでした。読みはじめはくるりんの仕組みに理解が難しかったです。真希の賢さ、強さ、優しさに応援したくなりました。後半はハラハラドキドキもあり、結末もホッとしました。

  • 出来事がいろいろと唐突すぎてちょっと自分には合わなかったかな。

  • 読み始めてしばらくは状況を把握するのに戸惑う。
    物語の中の主人公と同じである。
    読者の私は前編にわたってこのような調子で状況説明が続くのだろうかと、危うく本を閉じてしまいそうになる。
    けれど「こちら」と「あちら」が一本の電話で繋がると話は一気に面白くなる。
    本を閉じずによかった。

    第9章のp3368行目から
    「〜愛している片方が、夢をあきらめて、その代わり自分べったりになってくれるとしたら、そんなの我慢できないはずですよね。」と言う文章、以下まだ続くのですが、
    コレ私が以前観た映画「ララランド」の主人公が、自分が彼女から離れて彼女が夢を叶えることに全力をそそげるようにしてあげるのが本当の愛だとおもってとった愛の形と一緒だ。

  • 語り口が軽やかで優しく、それでいて寂しさを感じさせる素敵な小説だった。「世界に一人ぼっち」という世界観もたまらない。電話一本で声しか知らない相手との恋愛がこんなにも尊いとは…最後は誰でもニヤニヤする。

    ☆勝手にイメソン
    older(ファイブ・セカンズ・オブ・サマー)

  • 学生のころ、3部作読みたいなぁと思って
    20年くらい経って。ふと思い出して読んでみた。

    前半のゆっくりした時間の流れから一転、
    後半の特に柿崎が出てきてからのストーリーは
    手に汗握る、緊張の展開でおもしろかった!

    自分が柿崎と二人だったらと思うと
    背中に冷や汗が流れた。。怖すぎる。。

    あたまの中の彼のことは、よく分からなかったけど…物語の随所に作者の伝えたいメッセージが込められていて。

    特に、好きな人が好きなこと・大事なものを捨てて、自分のとこへ来てくれても…果たしてそれは、自分が愛したその人なのか?というくだりは、はっとさせられた。好きな人を大事に思うということは、そういう事なんだと。

    個人的に終わり方が好きでした。

    残る2作は未読だけど、またいつか読んでみたい!

  • どきどき吸い込まれるストーリー

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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