月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)

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著者 : 北村薫
制作 : おーなり 由子 
  • 新潮社 (2002年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373270

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月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 行きつけの図書館で、司書さんお勧めのコーナーにあった一冊。北村薫によるお話と、おーなり由子のほんわかとし雰囲気のイラストが続きます。

    想像力豊かな作家のおかあさんと、ちょっと大人びたさきちゃんの日常のやりとり。新井さん宅に住み着いた白熊が”アライグマ”になってしまったり、初めの数話では「おちはどこだ!」と期待しながら読んでいました。

    読み進めると、二人の会話にほんわり、しんみりとされてきます。親子と言うよりは友達同士のよう。お父さんが登場しない理由もそれとなく理解。こんな感受性豊かな親子の関係っていいですねえ。

    「聞き間違い」では笑みがこぼれ、「連絡帳」ではニンマリ。「猫が飼いたい」では少し切なくしんみり。

    月の砂漠をー
    さーばーさーばと
    さばのー 味噌煮がー
    ゆーきーました

    さばが歩いている?どんな風景なんだ!

  • なんて事のない日常を優しく切なく描いた母娘の12の物語。

    さきちゃんとお母さんの可愛く心温まるお話が私を過去の世界へ誘う。母を思ったり娘を思ったりしながら物語を進めていく。
    名札のつけ忘れ、補助なし自転車の練習、交通旗振り当番、名前の由来、連絡帳のチェック、動物を飼いたいと言われた時、新聞紙を持っての前髪をカット…。
    ある、ある、思い出される愛おしい日々。喧嘩もたくさんした、もっと違ったやり方もあったのかな?
    だけど、さきちゃんのお母さんならこれでいいんだよ〜と優しく笑ってくれるはず。

  • お母さんと娘であるさきちゃんの日常を綴った短編集。
    さきちゃんの日記を垣間見ているかのような展開で、2人の掛け合いや発想にほのぼのとしたり、はっとさせられる。母娘の仲睦まじいやり取りを余所に、父が不在であることの切なさも垣間見え一辺倒にはいかない流れはさすが。

    年齢を重ねても、いつまでも2人のような柔軟な発想を持っていたいなぁと思う。傍に置いておきたい1冊です。

  • #読了。
    さきちゃんと作家のお母さんの、ほのぼのとする二人暮らしを描く。二人のやりとりや会話からあたたかい気持ちや大切なものが何なのかを考えさせられる12の話。
    何気ない生活の中に、少しの寂しさや切なさを感じさせる場面もあるが、それも生活の1コマとして大切にしている様子が伺える。読後感はよく、あたたかな気持ちにさせられると同時に、子供の感覚や感情表現の素晴らしさを再認識する作品。

  • 現実を見がちなわたし。
    でも娘たちにはこんなワクワクがいっぱいの生活が楽しいに決まってる。
    私ならこうしちゃうなってとこも、ちゃんと向き合ってあげて一捻りもふた捻りもできるこのお母さんがとっても素敵に見えた。
    試しに寝る前のお話を1話みたいにしてみたら、娘たちの目が爛々とした! キラキラしてた。
    おーなりさんの挿絵がすごくほっこり。そして少し切ない。
    楽しい嬉しいだけじゃない、日常のいろんな感情を、それでも愛情あるフィルターで見つめる2人。これって人生において一番大事なことなんじゃないかと思う。何が起こるか、よりどう感じていくか。
    楽しく生きれば楽しい人生になる!

  • 2015.12月3日読了。

    ああ、いいな、この関係。
    母と娘のゆるいけど強いつながり。
    この距離感。

    ああ、いい。

  • さきちゃんはおかあさんと二人暮し。日常にある小さな出来事がとても愛おしく過ぎていきます。何か事件かあるわけではないのだけどとても優しい気持ちになる本です。一緒にかいてあるイラストもとてもかわいらしくて雰囲気ぴったり。

  • なによ、とってもいいじゃない。
    絵が描いてある、と思って最後に追加した本だ。
    アライグマになっちゃった新井クマさんのところで掴まれる。そのあとじわじわくるおかぁさんの気持ちも、大人びた、自分の意見をはっきり言えるさきちゃんも、とってもいい。大好きになった。
    人に勧めたい本でした。
    たくさん、何度も読み返したい本になりました。


    ¢20 日本語学校バザー2014

  • 9歳のさきちゃんと作家のお母さんの日常を描いた12の物語。おーなりさんのあたたかくて優しさを添えているイラストにココロ癒されながら読み進めていくと物語の中の温かさ、切なさなどに胸が高鳴っていきました。

    くすくすと笑えるような微笑ましい場面があるかと思いきや、中にはドキッとしてしまうようなところもあってなかなか考えさせられました。

    北村薫作品はこちらが初めてでしたが、こちらの作品はずーっと手元に置いて、何年か後にまた読み返してみたいです。

  • 盤上の敵で落ち込んだため癒しを求めて再読。
    と、思いきやよけいに泣いてしまった。

    お母さんとの、日常の何気ないやりとり。
    本当に何気ない、明日になったら忘れているようなこと。
    でも何年後か、何十年後か、たって懐かしく思い出すのはいつだってそういう記憶たちなのだろう。

    そういうことを思うと、4月から親許を離れることもあり、お母さんが「月の砂漠」を歌う場面では涙が止まらなかった。

    また、聞き間違いは、もっとも身近な「日常の謎」だと思った。
    「さそりの井戸」もいいなあ。

    わたしが初めて読んだ北村薫作品であるが、おすすめの本を尋ねられたら必ずあげている本でもあります。
    本当に素敵な、宝物の本。

  • 2人暮らしのさきちゃんとお母さん。
    お母さんは物書きの仕事をしているので、普段は家にいます。
    寝る前には布団の中で、できたてのお母さんのお話を聞くことができるという、羨ましい環境!!
    そんな、さきちゃんとお母さんの日常のやり取りが、ほのぼのとしていて、なんともいいのです。
    でも、2人暮らしゆえの、ちょっと切ない話しも。
    子どもも、こんな風に大人に、親にさえも気を使って生きている…ということを思い出しました。

    読み返して気づいたのですが、文庫版の解説を梨木香歩さんが書かれていました。
    解説の言葉も、いいのです。
    「日常は意識して守護されなければならない。例えばこういう物語で、幸福の在処を再確認する。そういう時代に、私たちは生きている。」
    そうなのです。
    丁寧に暮らすことを意識していないと、日常はどんどん楽な方へ、愛情をかけるところから遠いところへ流れていってしまう気がします。
    だからこそ、さきちゃんのお母さんのように、ユーモアあふれる暖かい愛情を子どもに注げる母親でありたいものです。

  • 「さきが大きくなって、台所で、さばの味噌煮を作る時、今日のことを思い出すかな、って思ったの」
    (お母さん)

    娘の同級生の男の子と交換日記したり、素敵なお話を聞かせたり、ユーモアのあるお母さん。読後はとてもほっこりとした気持ちになれた。

  • お母さんとさきちゃんの柔らかくて優しい12話の物語。さきちゃんの愛くるしさは然ることながら、北村氏が描く9歳の目線とおーなりの暖かいイラストが印象的だ。さきちゃんのユニークな視点と素直さにほっこりさせられながらもお母さんの時々の行動が一抹の切なさも香らせる。二人の掛け合いは親子でありながら友達のようでもあり、そうした一つひとつの日常の大切さを各エピソードが教えてくれる気がする。

    児童小説ながら父親母親の読んでほしい本である。

  • これは大人向けの童話なのかな。でも本が読めるようになったら我が子にも、こどもの感性を持っているうちにぜひ読んでほしい。
    はじめて読むのに、この物語を知っているような気がした。その理由は最後にわかった。わたしはさきちゃんだったことがあるからだ。わたしには娘がいるのでいまはお母さんだけど、確かにさきちゃんだった頃がある。お母さんがそっとさきちゃんを見守っているように、いままで歩んできた道を今度は娘が歩いてくるのを見守る番。
    どんな女性が書いたのかと思ったが、北村薫さんは立派なおじさんであった。
    挿し絵がいちいちとてもかわいい。又吉さんが人によくプレゼントすると言っていたのがよくわかる。

  • 日常のなんてことない一場面が、自分のこれまでの人生を照らしてくれていたのだと気付いた。思っていたよりもずっと日々は光に満ちていたのかもしれない。毎日は楽しいことばかりではないけれど、悩みや憤りにもがきながらも、それでもありふれた日常の中に発見を見つけていくことによって心がさびつかないようにすることだってできるんだと、ほがらかな感性をもつ本作の親子を通して学んだ。もうそんなことは言ってられないぐらい大人になったのに、与えられる優しさに無邪気に身を預けていた頃の自分がうらましくなった。

  • 可愛らしい母と娘、
    こんな日常が素敵だなと思う。
    こんな日常を大切にしたい。
    何度でも読み返したい。

  • 9歳のさきちゃんとお母さん。
    お父さんは、いない。
    はじめからなのか、途中からなのか、どうしていないのかはわからない。
    それは敢えて書かれていない。
    だって、二人にとって、二人でいることは楽しいし、それが普通だから。

    子供の聞き間違いも、柔軟な発想も楽しいものだ。
    ピカソは子供のように絵が書けたらと言っていたそうだが、本当にその通り。
    先日、テレビで頭にリーゼントのようなものをつけて登場人物たちが遊んでいた。
    子供はそれを見て、「なんで頭にナスつけてるの?」
    確かに半分にしたナスみたい。
    「聞きまちがい」「ダオベロマン」はそんな日常の小さな面白さを思い出して、口元が緩んでしまう。

    「川の蛇口」ではお母さんとさきちゃんの心の中が覗けて少し切ない気持ちになった。
    「子供のやることにも理屈があるのね。
    (中略)
    でも、あなたの理屈が見えないことはこれからだってきっとある。
    そちらから、こちらが見えないことも。」
    (99頁)

    私なんか母親になるべきじゃなかった。
    そう思いながら何度泣いたことだろう。
    いたずらばかり、困らせてばかり、自分に余裕がなくて、子供に怒鳴ってしまう。
    いけないとわかっているし、直そうとも思って努力もしている。
    でもできない。
    彼には彼の、私には私の理屈があって、お互いにそれをすり合わせることができない。
    きっとこれからもこんなことはたくさんあるのだろう。
    一番近いのに、一番遠い。
    言わなくてもわかることもあるけれど、言っても、言われてもわからないことがたくさんある。
    まま、抱っこ.....そんな言葉に愛しさと切なさが込み上げてくる。

  • 母に勧められて読んでみた。
    子供の発想はとても自由で素敵でかわいい。
    私にもそういう時期はきっとあった。ほわほわしてて、あたたかい。

  • 母と娘のささやかで優しい日常がつまった短編集。とにかく可愛い印象なんだけど、ふとした瞬間にひんやりとしたさびしさとか切なさが見え隠れするあたり(そしてそのさびしさや切なささえあたたかい何かに包まれてるあたり)、さすが北村薫というか…。いまもってこの人が男性ということをたまに忘れてしまいます。個人的には表題作の月の砂漠をさばさばとが一番好きでした。

  • よく読むと、ほのぼのとした生活の中に、さみしさや切なさが隠れていて、でも健気に楽しく生活してる母娘の物語。

  • なんだかちょっと疲れてて、なんだかちょっとほっとしたくて手に取った。
    お母さんと娘という組み合わせで江國香織の神様のボートを思い起こした。あの母娘にもこんなゆるやかな時間はあったのかな。
    私の中ではもう一つの「神様のボート」の本。

  • いつか大きくなった時、今日のことを思い出すかな。子どもに対する温かい視線。「さばのみそ煮」がいい。

  • 童話風だけど大人向けのストーリー
    母と娘の何気ない日常
    さばさばとすすんでいく
    あちこちに挿入されるイラストがいい!
    北村薫さん、男性なのにこういう心情描くのうまいなあ
    ≪ 後になり きっと思い出す その言葉 ≫

  • いひひ、ってかんじの雰囲気と絵がかわいい。

  • 久しぶりにこういう作品を読みました。
    さくさく読めて、ほっこりしました。
    けど、なんだか、切なくなるんですよね。
    久しぶりに味わった読後感でした。

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月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)の作品紹介

9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。お母さんはふと思います。いつか大きくなった時、今日のことを思い出すかな-。どんな時もあなたの味方、といってくれる眼差しに見守られてすごす幸福。かつて自分が通った道をすこやかに歩いてくる娘と、共に生きる喜び、切なさ。やさしく美しいイラストで贈る、少女とお母さんの12の物語。

月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)はこんな本です

月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)の単行本

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