ひとがた流し (新潮文庫)

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著者 : 北村薫
  • 新潮社 (2009年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373317

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ひとがた流し (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 北村薫さんの作品一冊目。スキップ同様、中盤までなかなか読み進めることができなかったけれど、だんだん味がついてくる。事件やどんでん返しがあるわけではないけれど、登場人物一人一人がすごく魅力的で見守っていたくなる作品。あ〜こういうの好きだなぁ。

    《二回目追記》2016/03/19
    初めて読んでから約10年くらい経ち、一回しか目を通していないのにわたしの1番好きな小説と周りに言いふらしてました。
    今年二回目で再度読み、やっぱりこれだなって思うくらい、暖かいものがあるとおもいます。
    すっかり忘れていたけど、病院での千波と牧子が夕日を眺めているところ。本当に涙が止まらない。

  • 十代の頃からの女友達3人。
    時には離れ、それでも関係は繋がってきた。
    それぞれに事情を抱えている。
    だけど、友情は途切れずに、それどころか家族以上に大事な存在となっている。
    その関係は、明るく楽しく、そして切なく・・・
    最後は涙が止まらなかった。

  • 40代になっても、こんな風にお互いを想い合える友達がいたらいいなと思う。遠すぎず近づきすぎず、その頃合いをはかれる、とても綺麗で優しい大人の友情。
    文章が若干読みづらくてら新聞掲載小説なので文字数に苦心してたのかなと想像するのだけど、そういうわけではないのかな。
    個人的にはサキちゃんが小さい頃の「月の砂漠をさばさばと」が大好き。

  • 40代ともなると、長い付き合いの友との永遠の別れ…なんていうのも現実味を帯びてくるんだなぁ。仕事に明け暮れていた千波が、最後の最後に素敵なパートナーを得たのが救われる。それと、千波も牧子も美々も、それぞれの友人の子供に対しても、自分の子と同じくらい真剣に思いやって接してくれてるのが良かったなぁ。

  • 【53/10000】初めて投稿します。だいぶ前にドラマ化されていたようです。北村薫さんはどうしてこんなに女性の心の動きを繊細に描くことが出来るんでしょうね。たまたま年末に読んだ「旅猫レポート」と全然ストーリーは違うんだけど、友情だったり死と向き合う姿だったりなんか通じるものを感じました。

  • 淡々と話が進むので、時間がかかった。新聞連載された作品。女性の名前ばかりで、誰が誰か実は混ざってしまった。ほんと、この著者さんは、女性か!ってぐらい女性心理をつかんでると思った。

  • 泣ける本がいい本ではないが、これを読んでいて自分に置き換えて泣けた。しかも複数の事象で。読まれた方ある程度生きていると皆当てはまる部分あるんじゃないかな。やはり北村薫さんは視線が優しい。

  • 表紙の女子学生3人の仲良しが、40歳代になっても、独身、シングルマザー、再婚者なのに、付かれ離れずで、仲良く交友を深めている物語である。

    石川千波が、どうして、トムさんと呼ばれているか?
    先日、パソコンを見ていたら、食事に行って待っている予約に、名前を書いたら、「シエロ様」!?と、、、、「江口です!」と言うのが、載っていた。
    このトムの由来も 石川の石→Tと、口→O、川が、続け字で、Mと言うわけでトムになった話や、月の砂漠の替え唄等、面白い設定なのに、奥が深い。

    美々のご主人 日高 類氏の吊りバンドの話で、笑ってしまうような、たわいない出来事を 詐欺師でなくペテン師と、つなげて
    日常的な、友とのつながりを、現している。

    四国の祖谷のかずら橋、金毘羅さんに、家族で行ったので、背景が、良く分かる。

    水沢牧子と さきのシングルマザー 親子も、血のつながりのない類氏と 玲との親子関係も、とても、良い関係で、安心して読めるのに、千波の病気発見で、物語が、ハラハラしてしまうが、珍しい名前の鴨足屋(いちょうや)の年下の職場の男性と、結ばれ、最後まで、寄り添ってくれる事に、読んでいる側も、安心感を与えている。

    1月の雪を眺める所から、物語が、始まったのに、翌年、千波の病気が、見つかり、最後に行きたいと、思った場所は、イタリア、スペインの地中海で無く、瀬戸内海の徳島、祖谷のかずら橋であったのと、ホスピスに、移っても、千波の死に対して、暗いつらい思いを、牧子の足首骨折と言う事態に、ぼかされ、死への哀しさを薄めている。

    最後まで、愛されて亡くなった事に、最後の、トムおばさんつむじが2つあったんだと、次世代のまだ見ぬ子へ伝えようとする話に替えている。

    先日、川島なお美さんが、若くして亡くなった。そして、鬼嫁と言われながら、良き母をしている北斗さんも、乳がんで、闘病生活に入った。

    病気には勝てないが、生きている間に、必要な人間だったと、思われるような生活を、全うしたい。

  • とくにラスト近くは、胸が締めつけられるようでした。

  • 女の友情(T_T)泣けました。

  • 謎はないが,「日常」と「友情・愛情」を淡々と美しく書いた作品.各章の終わりに,次の章のさわりをかいてバトンタッチしていくような短編集の体をしつつ,全体としては「トムさん」こと千波を中心にすえて展開していくストーリーは40代である彼女たちの深い友情と,彼女を取り巻く人たちの親子の愛情が感じられ,ラストは静かであるが不覚にも涙しそうになった.効果的につかわれていた「さばさば」エピソードや,写真家の類さんが娘に語る話など読みどころも多くお気に入りの一冊.

  • 埼玉で暮らす40台女性3人の友情と家族を描いた物語。章ごとに語り手がかわるのだけど、そのシーンがつながっているのがちょっと不思議な感覚で面白かった。
    写真家の類が娘に語る言葉がとても深くて印象的でした。
    ただ最初の方、各キャラクターの名前と名字とかがなかなかつながらなくて、全体像をつかむのにちょっと苦労しました。
    ドラマ化されていたんですね。見たかったな。
    とても味わい深い素敵な作品なのですが、絶版になってるようで残念。

  • 文字を追ってもなぜか入ってこなくて
    中止

  • 静かな終わり方をする本。
    いつの間にか穏やかな川に流されてたみたい。
    新聞にはあったおーなり由子さんの絵がなくなっちゃったのは、残念。

  • 先を知りたくないのに読む手が止まらなかった。どう表現していいのか分からないぐらい好きな1冊になりました。良い作品に出会えて良かった。まだ『月の砂漠をさばさばと』を読んでないので早く読みたい。

  • 日常の謎を描くのが上手な北村薫氏の2006年の作品。
    のちNHKでドラマ化された小説。
    主人公はNHKと思われるTV局のアナウンサー。美しく、知性豊かなかの彼女がなぜか独り身。高校時代からの友人もやはり離婚し、娘と二人で暮らしている。もう一人の友人は離婚後、子供が小さいうちにカメラマンと再婚し、やはり近くで暮らしている。
    彼女がやっとアンカーウーマンに抜擢されようとしたときに、悲劇が襲う。悲劇なのだが彼女には残された日々を一緒に生きる伴侶となる人が現れる。つまりミステリーでも何でもないんですね。謎もなにもなかった。
    ただ登場人物の台詞がとても自然で作家の力量を感じさせてくれるのは救いかな。脚本のベースとしてはいい本かもしれません。
    さくっと読めてしまいましたが。

  • 同じ県内に住む千波、牧子、美々。40代高校時代から25年のつきあいです。

    千波はTV局のアナウンサー。猫のギンジローとふたり暮らし。
    作家の牧子は、数年の結婚生活後離婚。県内に戻り娘さきとふたり暮らし。
    元編集者美々は写真家日高類と再婚。娘玲(大学生)がいます。

    40代の3人の女性それぞれの生活があります。
    三人三様のいきさつを経た後のつきあいです。

    千波、牧子、美々3人の周りの人たちの、彼女たちひとりひとりへ、それを通してみる3人のつながりへ注ぐ眼差しが、3人を映し出す鏡です。

    いい時も、つらい時も。

    もってまわったような、それらの章を読みすすむうちに、

    異なる色の繊維がよりあわされて、千波、牧子、美々の3人のつながり方が、ひと言で何色といいきれない微妙な色合いの1本の糸として、ゆんわりと紡ぎあげられていきます。

    緩く紡がれていながらも、切れない糸です。

  • 毎日会ったり話したりできるわけではないけれど、心に確かに住んでいるあの人やあの人のことを思った。

    そんな彼や彼女たちも、いつかのときにわたしを思ったりしてくれるだろうか。

  • あらすじだけ、読むと重たい物語になってしまいそうだけど、
    このお話はあたたかくて、でもさばさばしていて。
    それがとっても心地よかった。

  • 朝日新聞に連載されたもの。

    アナウンサーで独身の千波。
    離婚して娘と暮らす牧子。
    写真家と再婚し、娘と3人で暮らす美々。
    幼馴染みの女友達3人。中年を迎えてのそれぞれの生き様とつながりを描く。



    分量はけっこうあるんだけど、北村さんのやさしい文章と新聞小説という特性もあって、わりとさらさらと読めた。

    幼馴染みで近所に住んでいて、そのまま年を取って大人になっても近所で友だちづきあい、という関係は、私の周りにはほとんど存在しないものなので、なんだか新鮮であった。私も母も小さい頃に何度か引越しをしているので、幼馴染みというものがいないので。お留守番頼んだり一緒にゴハン食べたり友だちの娘さんと一緒にでかけたり、なんて、近所では経験したことない。こんな関係もあるのかー、なんて思いながら読んだ。

    年代的にもフィットはしないので、共感という意味でいえば少し遠く感じる小説ではあった。でも逆に親の気持ちも子の気持ちも両方に同じくらい距離おいて読めたのかもなあ。むしろ一番近く感じたのは、独身の千波。だからこそ最後はせつなくて悲しくて、あたたかかったなあ。自分がつらいとき、幼い頃からの自分を知っていてくれる人と話せる安堵。自分以外の誰かが、自分の存在を強く願ってくれるという幸せ。じんわりと伝わる思いに、少し心が柔らかくなる感じがした。

    たしかNHKでドラマ化もされていたはず。1話だけ観た覚えがあって、その部分だけ千波の言葉が沢口靖子さんの声で聞こえてきちゃったなあ。(私は小説作品を読むときに声を与えないタイプなので、ちょっと失敗したなぁと思った。ドラマはドラマでいい感じだったと思うけど、文字だけの世界に映像・音声が入ってくると調子が狂う。)

    (20090926)ブログより転載

  • お涙頂戴というより、情熱的で、懐かしい感じ。人が死ぬ話はどうしてもしんみりしていて、泣かせにかかっている感じが好きになれないのだけど、この話は毛色が違った。こういう形の話もあるのかあ、と驚いたし、楽しめた。
    道路標識、での類さんの語りが特によかった。

  • さらさらと流れていくような印象の作品。共感出来る部分とかいいなぁって思うとこがたくさんあった素敵な物語。途中から一気に切なくなって、電車の中でなければ泣いてたわー。男性作家だから、女性の友情がさっぱりしていてそれも良かった

  • これ新聞連載だったのかー。
    連載で読まれた方はドキドキしながら翌日が待ち遠しかったろうなと思います。
    幼馴染みの女子(敢えてこの呼び方をします)3人が、大人になり母になり働く女性になり。その時々の状況で一年くらい会わない時もあったりしつつも、繋いできた友情。
    年を重ねることで深まるもの、年を重ねることで知る悲しみ。
    北村作品を初めて読んだのは20代前半で、その時にも「このひとオジサンなのに(失礼…)、なんでこんなに女の子のことがわかるんだろう」と驚いたけど、また今回「なんで大人の女性のことがこんなにわかるんだろう」と思ってしまいました。当時は40代の女性なんてまったくリアルでなかったけど、今は確実に近付きつつ、共感できるようになりました。
    これは友情の物語りでもあり、ひとりひとりの物語りでもあるんだなぁ。
    この年齢で、このタイミングで読んだというのも何かのご縁かも。

  • いい本でした。
    一生の友、というものの存在をうらやましく感じたし、彼女たちの強さ、美しさを感じました。

  • 「月の砂漠をさばさばと」がとても好きで、その続編にあたるのがこちらの作品。

    最初、読みにくいかも?・・・と思っていたのだが、さきちゃんが登場したあたりから、あ・いけるかもと思って、あとはいっきに読めました。

    人とどのようにつきあっていくか、を考えさせられました。
    40代で独身・シングルマザー・再婚と3パターンの女性たちの
    お互いのかかわりかた。独身だからこそできたお願い、
    シングルだからこその娘との距離感、再婚した相手と連れ子の関係などなど登場人物の組み合わせで相手との距離感がさまざま。
    私は、そういうのが苦手で、つきあいかたがへたくそだ。

    うらやましく思いつつも、苦手意識が強くて、一人でいるのが楽と思ってしまう。もちろん旦那さんや親兄弟がいるから一人というわけではないけれど・・・。なんだか最近そんなことばかり考えているような・・・そんなことを考えさせられる作品に出会っているような・・・そんなきがしてならない。
    本も出会いだからね、今、考えろってことなのかな・・・。

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