ひとがた流し (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 108
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373317

感想・レビュー・書評

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  • 使われている文字に特別なものはない。

    普通の文字を重ね合わせ、日常的に起こりうるエピソードが、柔らかく、そして印象深く描かれ、読み手の心に残って行く様は、作家の文章に対する愛情すらうかがえる。

    物語は、主要な登場人物が、各章ごとにその役割に沿って描かれており、読み終わった頃には、登場した各々に対して思い入れが強くなり、読後の余韻を味わうことができる。

  • 3.1 女性の友情の物語。だれかに必要だと思われることの への切実な思い。人とつながるには、具体的な行動が大切だと教えてくる話。自分はここまで思い入れる人はいないかな。

  • なかなか読むのに時間がかかってしまった。。。

    幼い頃からの女友達3人。
    結婚していても、子供がいなくても、環境に左右されずずっとつむがれてきた友情が、ひしひしと感じられた。

  • 十代(高校時代の同級生)からの女友達三人の友情関係を描く。

    2005/08/20から2006/03/23まで朝日新聞夕刊に連載された新聞小説。

    2007/12/01(土)から2007/12/15(土)までNHK総合でテレビドラマ化(全3話)された。

  • 三人の女性の友情関係と絆を描いた作品。互いが互いを思いやり、支え合う姿が美しい。

  • 「円紫さんと私」シリーズは
    NHKドラマで青春ミステリと題され表されるようなそれだが
    本作はミステリからより日常に寄る題材
    こういう形式様式の小説をどう分類する言葉があるのか
    かぶんにしてご存じございませんのですが
    地の文でなく作中人物のあたりまえな会話にも聡さを表すさまは
    作者の背景を見ればミステリのようであり
    解説の例にある古典文芸の芸であるようでもある
    日常の部分を日常にありうべからざる様式で表現する形式に対して
    意識的である作法が作者の芸

  • 大人になっても関係が続いている高校時代の同級生3人の物語。
    男性作家なのに若い女性の瑞々しさを繊細に表現する点が売りの作家さんだと思っていたのに、成熟した女性もこんなに巧みに描くことができるんですね。
    とても悲しく美しいラストも印象的でした。

  • 10代から続く3人の女性の友情。3人とも独身だったりシングルだったり再婚していたりと様々だけど、1人1人の心理描写が細かくて切なくなります。どうして北村さんはこんなに女性の気持ちが描けるんでしょう。

  • 新聞連載ではとびとびで読んでいた。この文庫を買ったのは平成22年以降。改めて読んでみて、とにかく泣けた。そして笑える。『月の砂漠〜』から繋がっていることもそうだが、こんなに長い付き合いが、私にも覚えのある付き合いがあって、友人知人がどんどん逝ってしまう今日この頃、これが泣けずにいらりょうか?という具合だ。
    描写が泣ける小説を久々に読んだ気がする。良かった。

  • 十代の頃からの女友達3人。
    時には離れ、それでも関係は繋がってきた。
    それぞれに事情を抱えている。
    だけど、友情は途切れずに、それどころか家族以上に大事な存在となっている。
    その関係は、明るく楽しく、そして切なく・・・
    最後は涙が止まらなかった。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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