飲めば都 (新潮文庫)

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著者 : 北村薫
  • 新潮社 (2013年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101373331

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飲めば都 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 酒は飲んでも飲まれるな。

    お酒を絡めた失敗談を基軸にした、OLさんの成長?記。ちょっと変わった切り口です。
    個々のエピソードの間に結構な年月の開きがあって、1冊トータルだと結構長い時間が経過しています。題材は全然違うけど、加納朋子「七人の敵がいる」をちょっと思い出しました。

    前後不覚になるまで酔いつぶれた経験がないので、正直酔っ払い談には感情移入できる要素がないのですが、人間模様の軽妙さに助けられてサクサク読み進めることができます。

    …なーんて軽い気持ちでいたところに指輪エピソードだもんなあ。ガツンとやられました。そして月形君のまさかの顛末。やがて巡ってくる、都さんのターン。

    北村薫氏が覆面作家だった頃、多くの人が女性だと思っていたという逸話は有名ですが、本作を読んでも、やっぱり氏が男性だとは信じられない。見返しの著者近影、何かの間違いではないのだろうか。

    女と男の機微を、女性目線から細やかに、そしてリアルに描き出してしまう。ライトな作品だけど、北村薫ってやっぱり恐ろしい作家です。

  • 性別は違うけど、他人とは思えない飲みっぷりと記憶の無くしぶりに、不思議な親近感がわいてきます(自分も酒大好き&酔うと記憶を無くす系なので)。

    そうした酒飲みあるある的な、けれどほっこりするゆる〜い感じのエピソードの数々にとても癒されました。

  • 北村薫の飲めば都を読みました。

    ヒロインの小酒井都は30歳でこぼこの雑誌の編集者、独身です。
    ところが、都は酒好きで、酒を飲むとちょっと性格が過激になるという性癖があるため、酒にまつわる失敗談は数知れず。
    でも、都はかわいい性格なので、失敗も何のその明るく仕事をしていくのでした。

    都は気になる男性小此木さんと飲みに行くのですが、その後記憶がなくなります。
    自分のマンションまで来てもらったぼんやりとした記憶があり、何かを押しつけた記憶もあるのですが、それが何か思い出せません。
    そして、なくなってはいけないものが、いくら探しても見つかりません。
    「探し物は何ですか」事件は抱腹絶倒でした。
    そして、下には下がいる、小此木さんは都の嘘の説明を信じてしまうのでした。

    都の職場は文庫や雑誌を編集しているところなので、言葉に関する蘊蓄もあって、おもしろく読みました。
    あられもない、とはどういう意味なのか、ということに別々の嘘の解説が出来てしまうところなどは、さすが北村薫です。
    また、漱石の「夢十夜」のパロディ「嫁十夜」も面白いけど怖かったのでした。

    こんな飲んべえの女性はよく見かけるような気もして、親近感がわいてしまいます。

  • 酒にまつわる話で下品にならないところは、さすが北村センセイ。編集者の仕事ぶりも読んでいておもしろかった。

  • 北村薫は初。
    前から、ベッキーさんシリーズを読みたいなーって思ってたんだけど、それより先にこちらを読んじゃいました。
    書店でタイトル買い。主人公が編集者ってところにも惹かれました。
    ……が、前半は「コレジャナイ」感があって。
    「指輪物語」は良かったけど。

    オコジョさんとの恋が始まってからは面白かった!
    勘違いでパニックになっちゃう「王妃の髪飾り」とかね。
    後半は一気読みでした♪

  • 北村さんの本は初でした。なんか、最初のページでガッツリ捕まっちゃったみたい。楽しいお酒が飲みたくてしょうがない…って気分にさせられちゃいました。どのキャラ達も個性的で、なのにアクが強すぎるって事もなく、お酒のお供にぴったりでした。

  • 呑み助(女性に助は失礼か)の都さんの呑み談話。呑む人なら経験した、もしくはしそうになった事が結構載っており、笑いながら読むことができました。また、お酒の名前もちょいちょい出てきて、「知ってる!知ってる!」と思いまた飲みたくなったりするんですよね。個人的には口説き上手の下り好きでした

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    人生の大切なことは、本とお酒に教わった―日々読み、日々飲み、本創りのために、好奇心を力に突き進む女性文芸編集者・小酒井都。新入社員時代の仕事の失敗、先輩編集者たちとの微妙なおつきあい、小説と作家への深い愛情…。本を創って酒を飲む、タガを外して人と会う、そんな都の恋の行く先は?本好き、酒好き女子必読、酔っぱらい体験もリアルな、ワーキングガール小説。

    酒に飲まれてぐだぐだになる女の人ってどうなのかな?と思いつつ読んでいると一緒に飲みに行きたいかもと思ってしまった。酒と編集の話しばかりですが、淡々と進んでいく日常を描いたような連作は好きなので楽しんで読めました。その反面ちょっと染み込みは弱いので直ぐどんな本だったか忘れてしまいますですね。

  • 永遠の直木賞候補と呼ばれた北村薫の、酒飲み女性編集者を主人公とした連作短編。
    面白いんだけど、なかなか直木賞にならないのがよく分かる。いまいち詰めが甘いんだよな。そこが魅力なんだろうけど。

  • 「愛おしいお酒の失敗」と、特に「女性の感情の機微」を、温かくユーモラスで薀蓄に富んだ文章で綴ってあります。

    まさに文章中の「≪単なる打撲≫ではなく≪たんこぶですよ≫というのが、(中略) 柔らかく嬉しく、そしておかしく響いた」という感覚。

    女性の登場人物たちの人間的で小気味良いリアルな存在感にも、心惹かれます。友人になりたい。

    文章だけ見ても、ふっと微笑みを誘う可愛い表現で次の本を手に取りたいと感じさせます。
    「装丁のことなど、あれこれ案を練っていたという。和菓子屋のようだ。」うん、甘くて可愛い。1949年生まれの男性が書くとは、参りました。

  • 良いタイトルですよねえ。良い題名ですよねえ。
    「飲めば都」と耳にすれば「住めば都」とピピーンと連想してしまいますが、
    「どんな場所でも住んじゃえば都でしょ。居心地最高でしょ」ってな諺の意?のごとく
    「どんな時でも飲みましょうよ、お酒を。それが一番です。色々あるけど、楽しいお酒を飲みましょうよ。それですぐに都気分。はあ、極楽極楽」
    ってなもんですかね?秀逸なタイトルだなあ、とか思ってましたら、

    この場合の「都」は、小説内の女性主人公の名前、だったのですね。で、「お酒と言ったら都さんでしょ」「酒飲みのエピソードっちゅうたら、都ちゃんが抜群ですな。ありゃあ、大した女傑ですわ」といわんばかりに、主人公の小酒井都さんを中心に繰り広げられる、酒飲み仲間の愉快痛快エピソードの数々。

    その語り口が、北村さんの抜群の文体で延べられるんだから、そらもうオモロイことこの上なしです。北村さんの文章は、ホンマもう、キリッとしてるし、優しいし、ちゃんとしてるし、読んでてこう、すんごく、しっくりくるんですよねえ。お見事、という他なし。

    あと、最初は、酒飲みエピソード満載の面白小説だとばっかり思っていたら、途中からですね、恋愛小説?といいますか、結婚小説?という感じに、かじ取りがギューンと変わりまして、ちょいとビックリしました。いやあ、でも、北村薫さんの文章は、ホンマにこう、良い。日本語の美しさをシミジミと感じさせてくれるのです。綺麗なんだよなあ~ホンマ。

  • 出版社に勤める若い女性編集者を中心とした酔っ払いの物語。
    あくまで第三者目線で、まるでドラマのナレーターのように呑んべえたちの珍妙な言動や心理状態を冷静に描写することろが何とも愉快です。
    かつて覆面作家時代は性別不明と言われていた北村氏だけあって、その中性的で上品かつユニークな文章は読んでいて心地よく、控えめに登場する幅広い知識も小気味よいアクセントになっています。
    他の作品でも感じますが、型にはまった女らしさではなく、むしろサバサバした魅力の女性の描き方が好みです。

  • 酒の席での主人公含め女性達の話しの突き放し方が面白。色々な雑学やエピソードを楽しく話せる人がいたら、お酒が美味しく飲めるのだろうと思うし、そう出来たらとも思う。「酒飲みの論理というのは常識を超越する」は笑ってしまった。酔っ払いに論理笑

  • 酒飲みの論理というのは常識を超越する……というか、酔っ払いには論理なんてないような気がする。そんな酒飲み達の生態をこんなに面白く書いていた小説は他に思い浮かびません。読んでいて何度も吹き出してしまいました。ほんとに、水だとこんなに飲めないという量を何故にアルコールなら呑めるのか、人体の七不思議です。可笑しいだけじゃなくて、指輪物語や智恵子抄でのオチのつけかたがやられたって感じで、流石に日常ミステリーの草分け的な存在なのだなあと感じ入ったと共に、絶対こんな失敗するもんかと自分に誓う一冊になりました。

  • 2016/4/18購入
    2016/5/27読了

  • 2013年11月5日購入。

  • 気持ちよくお酒を飲んで、無事お会計を済ませて、一人で家に帰ってお風呂に入ってパジャマに着替えて布団に入る、けれども翌朝起きたときに、お会計から着替えまでの記憶が全くない、というような経験を持つ女性にぜひ読んでほしい。
    あと、毎度のことだけれど、北村薫はほんとに女性の心理をとらまえるのがうまいですな。

  • 酒好きな女性編集者の主に酒、ちょっと恋の話。
    登場人物が癖はあるけどほぼ善人なのが良かった。
    お酒、ほとんど飲めないのでこういうのを読むとちょっと羨ましくなる。

  • 酒好きで酒がからんだ失敗は星の数のごとくちらばっている。どれもこれも可笑しい。久しぶりに声をあげて笑わせてもらった。数多の試練、山坂を冷や冷やさせながらも度胸と愛嬌で見事に乗り越えていく。天真爛漫、純な都が何とも愛らしい。小説なのに他人事とはとても思えない親さを感じた。父か兄のような心境で行を追う。成長の過程を思わず目を細めて眺めた。「二人で暮らしていると、してもらうのもいいが、してあげられるのが有り難い」。都の独白にこんなことも言えるようになったのかと、感慨深いものをおぼえた。往時茫々。過ぎ去りし日は遠く遥か。

  • するする、とんとん、と、進む小説でした。

  •  お酒が飲みたい!!と読んでいる間ずっと思っていたような気がする。楽しそうな飲酒シーンがとても多いけれど、時には泥酔して失敗したり、シビアなことを語り合ったりする中で都ちゃん達が良好な人間関係を築いているのを読むと、これぞ良い飲みニケーションだなぁと思った。ユーモラスで温かく、でも時に生じる齟齬は厳しく現実的で、読んでいて唸らされることも多数あり、読後の充実感は大きい。解説で豊崎さんが仰っている「北村薫は女たらしである」ということ、大いに納得した。

  • 相変わらす何故ここまで女性目線で女性らしい話が書けるのかと感心する。
    ただ今までの北村作品と比べると楽しくはあるもストーリーはフラットで少し物足りない。主人公も前向きと言うよりは打算的な感じ。

  • いいね、都さんのような陽気な飲んべえは楽しいかも。
    最初は作者の自伝かと思った。ちゃんとした(?)ラブストーリーだったのね。

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飲めば都 (新潮文庫)の作品紹介

人生の大切なことは、本とお酒に教わった――日々読み、日々飲み、本創りのために、好奇心を力に突き進む女性文芸編集者・小酒井都。新入社員時代の仕事の失敗、先輩編集者たちとの微妙なおつきあい、小説と作家への深い愛情……。本を創って酒を飲む、タガを外して人と会う、そんな都の恋の行く先は? 本好き、酒好き女子必読、酔っぱらい体験もリアルな、ワーキングガール小説。

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