先生の隠しごと 僕僕先生 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101374352

感想・レビュー・書評

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  • ボクはラクスの妻になることにしたよ――。蛮族と蔑まれ、虐げられる人々にとっての理想郷・ラクシア。その国を治める英雄王の突然の求婚に、僕僕が応じてしまった。なぜ。どうして。王弁は混乱するが、劉欣の助力を得て、光の国の謎に迫る。明かされる僕僕とラクスの関係。秘められた過去。先生、俺とあなたの旅は、ここで終わりですか……? 急転直下のシリーズ第五弾!

    揺れる僕僕先生の心、王弁の成長と僕僕との絆、劉欣の活躍そして王弁に見せる優しさ、・・・と今回もドキドキしながら読むことができました。過去と決別した僕僕先生と王弁たちの前にどんな冒険が待ち受けているか、楽しみです。今回は全体的に切ない感じだったので、次は賑やかな展開になるといいな、と思いつつ。

  • 僕僕先生シリーズの5作目ですが、今回はこれまでの様相と少し異なります。いつもは旅を続ける可憐な乙女姿の僕僕先生(実は仙人)と怠け者で意気地なしの王弁青年との辛辣かつほのぼのとした道中でのやりとりがミソのお話なのですが、今回の僕僕先生はこれまでとは人が(仙人が!?)違ったような言動の数々で、王弁青年は心中穏やかではありません。そのため、却って王弁青年の先生に頼れないという覚悟した行動が目覚ましいものになりました。
    今回のお話の舞台理想の国家(ラクシア)は光のまぶゆい部分だけで成り立つ国でしたが、この国の王、ラクスのことばや人々の様子に胡散臭いものを感じた王弁です。ところが、あろうことか僕僕先生はラクスに魅入られたように彼の求婚を受け入れてしまうのでした・・・僕僕先生は仙人ですから先生の記憶の奥底にある、遠い昔にあったできごとを呼び覚ますものがラクスにはあったのです。すっきりしない僕僕先生の言動に、王弁とともにイライラ感が募った今回の成り行きですが、最後にラクスのその後の行状が明かされ納得しました。「キミは危険すぎる」と僕僕先生が言ったとおりの人物になっていたのでした。

  • 本作は賛否分かれそうだけど自分は好き。

    虐げられるレジスタンスが立ち上がる話ってなんか堪らなく刺さるんです。
    『バーティミアス』とかゲームの『幻想水滸伝』とかみたいな。

    先生抜きでもがんばった王弁くんもえらかったし、他の仲間たちも各々の仕事をしていて良かった。
    特に劉劤は人間的に成長している。ピッコロのようで好き。

    ただ先生には前作までと同様の他を超越した存在であってほしかったのも事実。

  • まさか僕僕先生が人間と結婚するなんて。。。
    表面的に全てが綺麗に見える理想郷を目指す独裁者の危なさと、いざという時に踏ん張れる普通の人の強さが印象的な作品でした。

  • シリーズを読み進めて来て、前作辺りからか?段々とシリアスというか、重めの内容になって来た。
    序盤の設定を描かれた部分を読み進めるのにも、ちょっと疲れるようになってきたかな。
    初刊の緩いノリが影を潜め、登場人物の過去とか核心的な成長とかが描かれるようになって、面白いし先への展開をいろいろと想像させられる...。

  • 第1作からすると、スケールアップ。
    ただ、2作目以降、バトル色が強くなって、ちょっとついていきづらいなあ・・・と思ったのも事実。
    今回もそういう側面はあったけれど、でも、大唐帝国の周縁世界が舞台になっていて面白かった。
    歌垣の習俗や、苗族の衣装の描写の鮮やかなこと。
    極限状態で治療にあたる王弁くんの成長ぶり。
    今回は、一つ一つのエピソードに納得しながら読み勧めることができて、満足。

  • 2014年の初読了は僕僕先生シリーズ第5弾。
    初刊のフワフワした感じはグッと減って、なかなか真面目な題材の取り上げ方です。今回は誰もが自由に暮らせる理想郷を作ろうとする英雄王とその影を描いています。
    もっともキャラは以前のままでオカシイですけどね。相変わらず王弁は生真面目で頼りないし、美少女仙人の先生は可愛いし。
    安定した面白さです。

  • 僕僕先生第五弾。
    王弁くん、とても頑張ってた。
    だんだんかっこよくなってるよ!
    劉欣がちょこちょこ王弁くんのことを気に掛けているのが、なんかいいな。

著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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