先を読む頭脳 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2009年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101374710

先を読む頭脳 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 羽生善治の将棋的世界観を 
    認知科学(伊藤)と人工知能(松原)から
    科学的にアプローチする。

    コンピュータはニンゲンの知的行動を模倣する。
    ニンゲンの臨機応変な対応。
    的確な判断を直感的にくだす。
    経験的な知識を用いて常識的に考える。

    羽生善治の『頭脳の回転の速さ』『泰然とした余裕』
    的確に、わかりやすく応える。
    自分の思考力を極めて客観的にとらえる能力。
    →メタ認識。
    それを包みかくさず理路整然と説明する能力。
    →自己説明能力。

    超エキスパートの形成
    ステップがある。
    『友達から教わる』『興味』『どんどん指す』『道場に通う』
    『さらに専門書などを読んで自分で勉強する』
    『自分を見つめるメタ認識』
    『自分なりの学習スタイル』
    『反射思考』『熟考する』
    『パターンで理解する』『理解する』
    『10代で将棋の骨格が決まる』
    『センス』『継続力』『飽くなき情熱』
    『熟達化すると言うことは、無意識で処理できる』

    コンピュータには、ニンゲンの直感や常識の扱い方がわからない。

    考えることは、『新しい課題をみつけつづけること』
    →『問題発見能力』

    『序盤戦研究』『知識の体系化』『手で覚える知識』
    →絶対将棋感。
    羽生善治は、どんな将棋でも指しこなす。
    『将棋を理論的にとらえることを定着させたのは羽生善治』
    それ以前は 対戦相手との駆け引き。
    『指運』『勝負勘』

    『できるだけ可能性を残す』
    『この手を指すぐらいだったら、むしろ指さない方がいい』
    『将棋とは 対応する手を見つけるゲーム』
    『形勢判断は流れから』
    『時間配分とメタ思考』
    『発見と創造ーそれがモチベーション』

    熟達者の思考プロセス
    局面→良さそうな手→先読み→確認→一手。
    コンピュータは 膨大に読む。
    網羅的検索 ー 直線的検索。
    静的評価関数 ー 大局観。
    膨大な検査により評価値の高いものを選択 ー 経験に基づく直観

    『情報の集約力』
    問題局面→局面理解→候補手生成→先読み→評価→次の一手
    『流れ形勢判断をする』

    『棋は対話なり』
    →相手によって指し手は変えない。
    『棋風』
    『内的な要因と外的な要因』
    『負けから学ぶこと』『言語化の重要性』

    トッププロの記憶力。
    コンピュータの思考方法とトッププロとの思考方法が
    まったく違う。
    思考方法が どう追いつくかになってくるのか?
    思考方法が 変えないと行けないのか

    確かに 羽生善治によって
    将棋そのものの闘い方が 大きく変化している。
    その変化に対して、一番良く見えているのが
    羽生善治なのかもしれない。

  • 本当に頭のいい人は、難しい内容を平易な言葉で
    とても分かりやすく話すんだなと思った

    将棋の歴史や奥深さ、また羽生さん自身の強さの秘密についてなど
    ページ数はそんなに多くないけれど内容の濃い1冊
    将棋のルールはまったく知らないけど、かなりおもしろかった

    あと、数学大嫌いなド文系の私ですが、
    認知科学という分野にはすごく興味がわいた!

  • 二人完全情報確定ゼロ和ゲーム。勝敗が明確で、情報が完全公開され、不確定要素を含まぬゲームという事だ。駒の役割が限定的である以上、どんな打ち手にも必ず勝てる道がある。しかし、その解析は天文学的数値の世界に入らざるを得ない。その世界で勝負しているのがプロの棋士たちであるが、そこにコンピューターが挑む。

    複雑な相互作用や役割の無限性を許容するなら、人間社会も同じような解析が成り立ち得るか。いや、無限性といいつつ、個々の反応は、ある常識という想定可能な範囲に留まるのであるから、まるで社会は盤上のように。従い、このことが勝ち組を生み、出来る奴は出来るというカラクリが生まれる。この個々の反応を読む力が感受性であり、感受性と論理性を備えた人間は、多くの課題に王手をかけ、解決する力を持つ。

    将棋という世界の盤上は、それより遥かに限定された中で、お互いの感性と論理を戦わせる場だ。完全論理とは、網羅するシステムだが、コンピューターが勝つためには、その完全な網羅が必要だろう。人間には不可能だ。網羅ではなく、感応力で情報の行間を理解するようにならねば。

  • 自分の好きな人の一人である、羽生さんの本です。
    少し前にコンピューターとプロ棋士が対局して、プロ棋士が負けたのが話題になったのを思い出しました。
    チェスの世界ではコンピューターが人間と同等以上の戦いができるのに対して、将棋は「取った駒を使える」というルールによってゲームが奥深くなり、コンピューターはトッププロには及ばないと言われていたのも昔の話になりました。
    本書で羽生さんはコンピューターが強くなるのを「楽しみ」と感じている様に思いました。いつも相手の得意戦法を拒まないスタイルもそうですが、男らしい!の一言です。

  • 私の将棋観は3月のライオンぐらいしかないんだけど、この手の知的ゲームをやりたくなった。

  • 羽生さんの語る、
    将棋を知ったきっかけ、
    成長ともに変化していった勉強法と思考法、
    そして勝利を導くための発想法に対して
    人工知能、認知科学の研究結果をもってその意味を説明していく
    というスタイルの本。

     初心者と熟達者の思考法の差、
     コンピュータと人間の思考法の差(全件解析的な結果から導いているのか、直感的に常識的に正しいもの(大局的に正しいもの)を選んでいるのか)、
     成長時期と勉強法の変化の話(子どものころは手を使い数をこなす、思春期からは理由を深く考えるようにする)、
     自分でテーマを見つけてずっと考えつづけていける継続力とか、
     好不調をメタ認知するとか、

    どれもなかなか面白い観点だと思います。
    自分の頭の中でちらかっている情報を整理できるのではないのでしょうか。

    2011/04/30

  • 積読を解消。来年の卒論に向けて読ませよう。

  • 人間の思考方式から学ぶ。ノービスとプロの思考様式は大きく異なる。

  • 将棋を知らなくても読めるけど、コンピューターと人間の先読みによる勝敗の行方の比較を数学的に解説してあるのでいまいち。

    ただ、人間は画像や文字を見るだけで情報を得ているのではなく五感で情報収集しているのだと分かる内容には共感した。人間はペーパーレスでなくて手で見て触ってってのが必要なんだな。

  • チャンクという考え方が良かった
    今は米長邦雄さんがコンピュータに負けたのだが、それを予言した本でもある

  • 「自分は選択の幅をたくさん残しながら、相手の手は限定されるように指していって、ゲームが進むにつれて、最終的に相手には戦略的に有効な手がないという場面だすのが、理想的な指し方となるのです」

     これはあらゆるゲーム(囲碁・チェス・戦争・外交・経営・政治等々)について言える、まさに究極的な考え方ではないかと思う。あらゆるゲームの手段、戦略は相手がどういう手を使っても、それに対して互角か勝つ状態を作ることを方向として持っている。

     またそれはゲーム内における戦略オプションをいかに豊富に持つかということだけでなく、時にはルールさえも変更することをも考慮に入れるべきものである。

     ゲームに弱いプレイヤーとはつまるところ下手に動いて、自ら戦略オプションを減少させることをいう。つまり、ゲームにおいて考えることは、
    ・自分の戦略オプションが増えるように行動すること
    ・相手の戦略オプションが減るように行動すること
    のいずれかでしかない。

     ほとんどのゲームにおいて、詰めろの局面までが読めない段階では「防御は最大の攻撃」である。相手の出すカードを見てから、自分の出すカードを選ぶ方が有利になるからだ。例外と言えるのは、ゲームの構造上、戦略オプションを獲得できる地点(ポジション)が明らかな場合は先制攻撃が有利になる。いわゆる天王山である。

     問題はそのポジションが定点なのか動点なのかということである。つまりポジションが明示的、限定的であるならば先制攻撃はクリティカルヒットになる。しかし、それが暗示的、発生的であるならば後手が有利になる。発生条件が後手で決定することが多いからである。そのためにはゲームのルールとルールの可変性を見極めることが決定的に重要である。

  • 頭がいいというのもそうなんだけど、感情をコントロールする能力がすごいと思う。

  • 羽生さんと脳科学者お二人の共著。羽生さんが自身の将棋観、子供のころからのトレーニングなどについて語り、それを科学的な視野から二人の科学者が解説していく。
    将棋における序盤、中盤、終盤の考え方、他のボードゲームと将棋の違い、大局観の重要性、コンピュータの発想と人間の指す将棋の発想の違いなど興味深い話が満載で、ビジネスにも生活にも非常に参考になる。中でも、羽生さんが他の著作でも強調されている大局観の重要性については、あらためて共感しました。
    将棋好きにはたまらない1冊ですが、そうでなくても十分に参考になる。それは、第一人者の羽生さんがここまで自分の思考をオープンにし、研究材料として提供する姿勢があればこそ。羽生さんという極めて稀な人材を得た将棋界のなんと幸せなことか。

  • 人から教わり、興味からどんどん実践し、道場に通い、専門書などで自分で勉強するという学習プロセス。
    ある分野を掘り下げて、考え続けること。

  •  先を読む頭脳を育む。考えることも集中することも苦痛である。苦痛を乗り越え何かに集中して取り組めば飛躍的な伸びが期待できる。形の良し悪しの感覚が、あるレベルを超えさせてくれる。納得いくまで深く煮詰めて考える時間が与えられたとき、力は飛躍的に伸びる。知識を増やすことはできても、感覚はかなり早い段階で形成される。あとは考え続ける力である。

  • 頭脳明晰な人は、難しいことを例えるのが巧みだ。羽生さんの本を読むといつもそう感じる。
    やはり、羽生さんのような人たちは、抽象的な概念を簡単な絵や言葉に写像する能力がずば抜けているのだと読む度に感心してしまう。
    羽生さんは小さい頃から、考える癖が付けていたため、その土台が徐々にできあがっていったようだ。そして、その訓練の重ねが先を読む力に結びつく。あたかも、一本の糸筋が結論まで俊敏に結びつくかのように、先を見越せるのである。

    小さい頃に考える癖を身につけておけば良かったと思うが、如何せん、考察力を問われることが苦手だったあの頃は、いつも答えを丸暗記して、逃げていた。

  • 羽生名人のたおやか且つしなやかな思想を科学的な視点から解説した一冊。将棋を使った様々な実験結果なども載っていて面白い。

  • 将棋の話なのですが、これは勉強というか色々なことを学ぶことに応用がきく内容だと思いました。かなりお薦めの本です

  • 天才と称される事の多い方に関する本。称され方が一般人と違っている為,その全てを参考に出来るわけではないが,その思考回路を垣間みれる分には嬉しいかぎりではないだろうか。
    また,最終的にタイトル通りの本とは受け止める事が出来なかったのは残念な部分と次第である。

    メタ認知を用いての直感を発揮し,それが大局観を伴う事に繋がる流れ。
    駒をさす事自体がマイナスであり,出来ればささずに済ませたいという見方にはさすがに驚かされる。

    見た瞬間は違和感を感じ,考えれば考える程にそうだなぁと思ったのは『 将棋は性善説で成り立っている 』という言葉。
    試験の問題をその試験中にネットで質問するということが,将棋の世界では起きていない,また起こってはいけないということ。他の部分でもそうであって欲しいという気持ちも分かる。

    なるほどねぇ。

  • 本当に頭のいい人は、難しい内容を平易な言葉で
    とてもわかりやすく話すんだなと思った

    将棋の歴史や奥深さ、また羽生さん自身の強さの秘密についてなど
    ページ数はそんなに多くないけれど内容の濃い1冊
    将棋のルールはまったく知らないけれど、かなりおもしろかった

    あと、数字大嫌いなド文系の私ですが、
    認知科学という分野にはすごく興味がわいた!

  • 将棋を取り上げていますが、内容は脳科学よりだと思います。

    なぜ、将棋でコンピュータ相手に人間が勝てるのか不思議に思って買いました。

    だって、コンピュータが全パターン予想すれば人間が勝てるわけないでしょ?

    本書を読めば、人間の不思議、特に脳の不思議に興味を持つのではないでしょうか。

    脳科学的に重要だと思ったのは下記1点のみでした。

    「人間はある事柄を理解するとき、その事柄を自分がすでに持っている知識に照らし合わして、なんらかのマッチングをとって解釈している」

    この点は非常に重要だと思います。
    上記のように、すでに持っている知識に照らし合わせるのであれば、すでに持っている知識が多いと照らし合わせる数が増えます。そして、照らし合わすことができた数だけ記憶に残る可能性が高くなると思うのです。したがって、大人になったからといって記憶力が低下するという見解はこの側面からは考えにくいです。なんせ、人間の脳の容量は無限に近いと言われていますから。

    このように考えると、大人になってからの勉強の仕方を変えたりしなければいけないのかとも考えさせられます。

  • 「良い手を見つける」「形勢判断する」といった、先を読む力たるや脱帽でした。数十手先を読む、ビジネスの世界にも応用出来る内容が書かれていると感じました。

  • 勝ち続けると見えるものがあるということでしょうか。
    これを呼んだ先輩が、「メタ認知」の境地だ、とおっしゃってました。

    ロジックが反射的になる先に見えてくる世界です。

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天才は何がすごいのか?そんな素朴な疑問を、誰もが認める天才棋士・羽生善治をモデルに徹底解明。将棋との出会い、勉強法、対局で大切にしていることなど、本人が明かす驚愕思考を最新科学がすっきり整理し、ついに能力の秘密が明らかになる。多くの決断を迫られる将棋だからこそ、その極意は人生の様々な局面に生きてくるはず。向上心ある日本人のための画期的な一冊。

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