わたしがいなかった街で (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.43
  • (19)
  • (24)
  • (43)
  • (9)
  • (5)
本棚登録 : 534
感想 : 42
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101376424

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 戦争のシーンなど、技巧派っぽい感じは何となくいいなと思ったけどイマイチ入り込めず。

  • 人と人とが出会えない瞬間のやるせなさが大変よかった。人生のとても悲しい部分をよく切り取れていると思う。淡々とそれを受容する主人公がまたいい。
    コミュニケーションの苦手な主人公は同じようにして正社員という地位ともすれ違い、バーでは同僚の女の子とすれちがい、別の登場人物に物語の語り手を任せて消えてゆく。イヤミスに似たしんどさだけど、エキセントリックでないほどよい苦味。どろどろの水たまりで転んで尻餅をついてしまい、そのまま曇った空を見上げてぼーっとしているようなここちよさ。
    もう一つ収録された短編もよかった。端の上にたって橋が流されていく感覚にとらわれてしまうのってすごくこわいよね。

  • ああ、またしても難解な小説をお書きになられて……理解できる、自分の中に落とし込むまでには程遠い

  • 2019/01/19再読
    2016/01/27了

  • 二度と会わない人と毎日出会っている

    1年前に離婚した砂羽は、物流会社で契約社員として働きながら、家では戦争のドキュメンタリーを見たり、戦中戦後に残された日記を読んだりしている。何のために、何を求めて見ているのかもわからないまま、毎夜見続けていた。
    大きな事件も出来事も一切なく進む展開だが、主人公の砂羽のことがわかってくるにつれて、どことなく自分と重ねていってしまう。今、ココで生きるということを、過ぎ去る日々の中で、一瞬考えさせられた一冊。

  • 私にも「違う人生」が待っていたかもしれない。

  • 途中でさらっとビアンカップルが出てくるんだけど、それが通り過ぎるようで、街中でそんなカップルとすれ違ったような嬉しさを感じた。

  • 現実の自分と、自分が存在していなかった過去の出来事との間に、何とも言えない違和感を感じているような女性の日常を淡々と描いた作品。なのかなぁ。
    愛嬌ある脇役たちの魅力と、1人になった時の主人公の屈折度合いにギャップを感じながらも、柴崎さんらしい繊細な描写に惹かれます。
    解説に書いてあるような複雑な分析は自分には無縁でした。

  • 2015 8/20

  • 主人公を途中で一人加えたことにより、小説の構成に厚みを持たせ、主人公の存在価値を高めている。
    実験的といえば実験的なのだが、不思議な読書体験ができた。
    また、今年は戦後70年という節目の年にあたり、戦争体験のない世代にはピッタリと符号できる小説なのではないかと思った。
    そして、辻原登氏の解説も秀逸でした。

全42件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柴崎友香の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
村田 沙耶香
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×