わたしがいなかった街で (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101376424

感想・レビュー・書評

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  • 難しいけど、すごくうなづけるというか。

    この

    昔の人が生きたその場所に今自分が立っている

    感覚は旅先の城などで感じる事が多くあるけれど…
    日々の生活に感じることはない。

    自分という存在が何かのタイミングで消えていたかもしれないという、いくつかの分岐を思い巡らせる感じを、私は孤独を感じた時にほど思い巡らせる気がする。

    死と生は常に紙一重でそこには、自分の意志とは関係のない部分で一瞬の出来事によって左右される事が大半を占める。

    だったら、今自分の立っているこの場所は、何かから決定されてここにいるのか?

    私も戦争のビデオを小さい頃から興味があり見てきたので、このように感じることがあり。
    なんとなく自分がギュッとつかまれたような感覚の中読んだ。

    図書館の期限が迫っていたので、またゆっくり時間をかけながら読みたいと思った。

  • どうも今の私には合わなかったようです。文字がなかなか頭に入ってこない。でも時々ハッとしたりグサッときたりする表現があったので、何年か寝かせて再チャレンジしたい。

  • わかる、わかるけれどそんなになにもかも書いてしまう必要あるのだろうか、とも思う、けど夏の三人称一元視点に移るところ、そうして思いがけないかのじょの重たい過去がほのめかされるところはとてもよかった、「ここで、ここで」の終電から知らない街をながめるシーンすごく好き。

  • 出版か10年前じゃないか

  • 登場人物の思考の巡らせ方がとてもリアル。
    人には言えない、説明できない、したところで理解されないであろうなと思う、自分の中でぽろぽろと湧き出てくる思考が、細かく丁寧に描写されていた。
    その考えを他人に話してみたり、わかってもらいたいと思っている平尾さんが自分とは違っていて、不思議な気持ちになった。
    バーで会った嫌味っぽい男ともっと話してみたいと感じているところが、自分だったら絶対そんなことは思はないだろうと印象に残った。
    上手く喋れないとわかっているのに、この先に自分と繋がりがあまりないかもしれない人にも、自分の内側を言葉にして発してみる。ものすごく不器用な生き方に終始ハラハラしていた気がする。
    そこにばかり目がいってしまい、苦しくなってしまった。
    でも、小説の中の人々が生々しくて、暮らしていて、知らないどこかで繋がっていたりして、生きて日々を過ごしていくのだなあと感じた。
    また、会えるかもしれないと思うことはできる。

  • 主人公の思考回路が私のそれと似ていた。
    これから二度と会わないだろう人と、死んだ人は何が違うのか。

  • 現在と過去、あちこちに思いを馳せながら「なんで私はここで生きているんだろう」と問い続ける。時代や視点の交わり方が丁寧。
    途中で集中力が切れてしまったので、ゆっくり、もう一度読み直したい。
    「会えない人と死んだ人と、全然違うとしたら、どこに決定的な違いがあるのか。」という一文が印象的だった。

  • 戦争のシーンなど、技巧派っぽい感じは何となくいいなと思ったけどイマイチ入り込めず。

  • ああ、またしても難解な小説をお書きになられて……理解できる、自分の中に落とし込むまでには程遠い

  • 二度と会わない人と毎日出会っている

    1年前に離婚した砂羽は、物流会社で契約社員として働きながら、家では戦争のドキュメンタリーを見たり、戦中戦後に残された日記を読んだりしている。何のために、何を求めて見ているのかもわからないまま、毎夜見続けていた。
    大きな事件も出来事も一切なく進む展開だが、主人公の砂羽のことがわかってくるにつれて、どことなく自分と重ねていってしまう。今、ココで生きるということを、過ぎ去る日々の中で、一瞬考えさせられた一冊。

著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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