日本のたくみ (新潮文庫)

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著者 : 白洲正子
  • 新潮社 (1984年12月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101379012

日本のたくみ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 著者の夫・白洲次郎をドラマや本(伝記を含む)で知ったのが本書購入の理由。また、日本の職人とその作品がどのようなものか興味を惹かれた。かなり古い本だったようで、著者も、紹介された職人の多くも鬼籍に入っているのだと思う。何せ使われている写真が「時代」を感じさせる。夫と同様に自由奔放に生きた(というイメージの)著者であるが、本書の文面で、恐らく「~されている」という意味で使っているのだろう「~していられる」というのが違和感あり。『押しも押されぬ』などという誤用もあったが、編集部のミスだと思いたい。

  • 日本の伝統工芸とその職人について綴った随筆。伝統工芸というモノに焦点を当ててつつも、それに携わる職人、その人生があって成り立つのだと伝えている。 サイドストーリーではあったが、ある名人が死に際に寝床でひいた糸は、霞のようにそこはかとなく波打っており「糸には命がある」というのがわかる糸だったそう。 時間を掛けることと金に換えるのとを忘れた、その職人の命が掛かっているものは形容しがたいくらいに美しい。いつか出逢ってみたい。

  • モノの良し悪しは、わたしにはわからないけど、説明に影響されることなく、自分の目で見て感じたことを、自信を持って主張できるようになりたい、と思う。

  • 白洲正子が様々な伝統芸術の匠を訪ねる訪問記。志村ふくみさんなど斯界の第一人者から知られざる匠まで、実に面白い。

  • 著者が、扇、染織、陶器、木工、さらには刺青や現代彫刻に至るまで、さまざまな領域で活躍する匠の技を紹介した連載を収録しています。

    手仕事に打ち込む人びとに対する著者の共感を語った文章を通して、現代にまで伝わる日本の伝統工芸に触れることのできる本だと思います。

  • 内容紹介(amazon)
    歴史と伝統に培われ、真に美しいものを目指して打ち込む人々。扇、染織、陶器、木工から、刺青、現代彫刻まで――伝統芸術に深い造詣をもつ著者が、手仕事のすばらしさを静かに守り抜いているさまざまな日本のたくみを訪ねる。その技術や伝統はもちろん、彼らの「つくる喜び」、さらに、つくり出されたものの使い心地や味わいのよさをも紹介する。カラー・モノクロ図版多数収録。

  • 日本ならではのものづくり文化として「たくみ」は英語圏で「TAKUMI」とそのまま英語に訳されるほど認められており、本書で取り上げられているたくみは単に技術が巧いというわけではなく、枕草子や万葉集などの日本の古典と深く結びついていることが特徴として挙げられます。それは日本調というような浅薄なものではなく、日本の古典を知り尽くした上で、近代的な材料と技術を駆使する、まさしくたくみです。

  • 芸術新潮の連載エッセイ。扇、染織、陶器、木工、果ては刺青まで、白洲正子さんが付き合いのあった匠たちを紹介。確かな審美眼に裏付けられた文章は簡潔にして明晰でいいですね。

  • 工芸品に限らず職人がいるものだと感心する。白洲氏の視点を借りて職人の世界を見ていく本。職人が生きていける社会,職人を大切にする社会,職人と呼ばれるほど自分の仕事を高め,矜持を持てるようになりたいものだ。

  • これは、10年以上も前に、一度読んだ本…
    たしか染織についても、紹介されていたな…と思い出し、
    開いてみた…すると…たしかに、あった!
    『花の命を染めるー志村ふくみ』…の一文!

    志村ふくみさんは、人間国宝にもなった、
    染織の重鎮…その方を紹介する一文が、
    厳しく、怜悧な視点で、さらに、そうであるがゆえに、
    とてつもなく深く、暖かい眼差しで語られていたのです!

    白洲正子さんの書くものの、凛としたあたたかさ?を、
    あらためて知るとともに、志村ふくみさんの、
    染織にたずさわる、徹底したこだわりと、愛情を、
    強烈に感じました…それは、ととえば、こんな一節にも!

    ー神様は彼女に稀に見る色彩感覚を与えたが、
     糸の質に関しては、染色ほど鋭敏といえない。
     …素人の私が、なぜこんな生意気なことをいうかと云えば、
     いい糸を用いれば、彼女の色彩はいっそう美しくなるし、
     保存もよくなるからである。
     このことは、実際に着てみてはじめていえるのであって、
     男の方たちは、衣桁にかけて見ているだけでも
     いいではないかという。
     …が、きものである以上、先ず用に立つことが
     先決問題であり、着心地がよくて、きものは完全に
     美しいといえるのだと思う。

    途中、適宜間引きしながら引いたが、白洲正子さんの文章は
    一字一句、無駄なく、ぴちりと書かれている…
    関心のある方は、ぜひ一読をおすすめしたい。そして、
    志村ふくみさんを読みたいと、強く強く感じたのです。

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