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この作品からのみんなの引用
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自分では無意識であったが、大人になって地方の神社仏閣を取材してまわるうち、いつしか日本の文化に主要な位置をしめている「再生」とか、「復活」の思想に目ざめたのも、思えばあの時の経験の再生であり、復活であったに違いない。それは物の本で読んだのではなく、何十年もかかって、私の「体内」から自然に生まれたものに他ならなかった。
― 69ページ -
私は幸福だった。というより、この雑木林の前に、明るく開けた野原が見えるが、そこへ行けば幸福が待ちうけているような感じがしたのである。
実際には野原ではなく、とうもろこしの畑がつづいていたのだが、その西の空には紫の富士山がそびえており、子供にとっての幸福の象徴とは、正にそのような景色であった。
― 68ページ -
〜中略〜
人間が人間に伝えられるのはほんの僅かのことで、何事でも自得する以外に極意に達する道はない。だから型は単純であればあるほど理想的なのではないかと私は思っている。
― 37ページ
みんなの感想・レビュー・書評
まず表紙の写真に目を奪われる。ちりばめられたエピソードも気持ちよく、育った環境の影響力を素直に認めたくなる。
旧華族の子女、白州次郎の妻という立場のみに留まらず、
自分自身がブランドであり続けた白州正子。
「日本で一番恰好いい女性」として生きた強い輝きと
愛するもの(者、物、モノ)への大いなる献身。
なぜ彼女が今なお女性を引きつけて止まないのか
そのヒントがちりばめられています。
同じ女性として、人生の指針に成り得る本です。
綺麗な文章だなあ。
内容に関しては「所謂お嬢様の独り言、上流社会のハイソな暮らしぶり」といったもので、成程ねえ~といった感想しか出てこないけれど、事、文章に関しては流れるような感じで読んでいて非常に心地良かったです。上品というかおおらかというか、、、日本語って本来はこういったものなんだろうなあ。
読みたいと思ったきっかけは、薩摩隼人の血を汲む、という点。父方の祖父が樺山資紀、母方の祖父が川村純義。 白洲正子が勝気で負けず嫌いの性分であることが頷ける。 自由奔放な生き様に嫌味ではなく爽快さを感じるところは、彼女の心底に明治気質が備わっていたからだろう。 現代社会を明治気質のスクリーンで評するところに心に響くものがある。 皇族、政治家など当時の大物に関するエピソードも興味深い。(例... 続きを読む »
きっぱりと潔い文章は筆者の性質そのままのよう。読み手が不快になるだろうからとネガティブな話題などはその先を書かないところなど、私好みでした。威勢のよさの影に見える繊細さが何度も垣間見えた気がします。澤田美喜や酒井美意子などと共通のノーブレスオブリージュを実感しました。他の本も読んでみたいです。
白洲正子さん関連の評伝と合わせて読むと面白い。裕福な家庭に育ちながらも、目の前の環境に流されることなく、自分の芯を持ち続けた人なのだと思う。
(2011.07.15読了)(2006.07.22購入)
☆白洲正子の本(既読)
「巡礼の旅-西国三十三ヵ所-」白洲正子著、淡交新社、1965.03.30
「能の物語」白洲正子著、講談社文芸文庫、1995.07.10
「遊鬼 わが師わが友」白洲正子著、新潮文庫、1998.07.01
「いまなぜ青山二郎なのか」白洲正子著、新潮文庫、1999.03.01
「十一面観音巡礼」白洲正子著、新潮社、2002.10.25
いや~、これまた凄い本である。昭和の後半に生まれ平成の世に生きる私は、日本の近代のことをほとんど何ひとつ知らなかったと、この本を読んでよくよく思い知った。戦前の日本の”ある地位にいる人々”の暮らしが生き生きと綴られているし、維新前後の脚色されていない生活や人々のつながりなども、「家」という制度を通してこの本から垣間見ることが出来る。先祖の話などを読むと、生きる覚悟が現代の私たちとは全然違うという... 続きを読む »
最近なぜか気になる白洲次郎、正子。
彼女のユニークなキャラクターと、知性と生い立ちが一冊で理解できる本。断片的なエピソードだけれど、ぐいぐい読ませる。こんな大人が周りにいたらなぁ。
一般的な意味でいうと「自伝」ではありません。
時系列にもなっていないし。
書かれていることは、白洲正子を創ったもの、
たとえば、血縁・家庭・能・アメリカ・骨董など、
を取り上げてそれぞれ述べているという感じです。
そしてそれぞれが圧倒的におもしろい。
やはり目利きの人だと思わされます。
20110511読了。
白州正子の美術展に行く機会があったので、事前知識を得るために読んだ。
白州正子の家系や交流のある相手に
日本の重鎮が数多くでてきて驚くばかり。
生き方として
・骨董や自然、人に偏見なくまっさらな気持ちで向き合う
・興味があることについては非常に積極的に行動する
というところが印象的。
著作を読んで、彼女の目利きとしての能力などが
・どのような背景をもって生まれてきたのか、
・彼女の考えはどのような生育環境が生み出したのか
が気になる人にはより興味深く読めそう。
近年注目の白州次郎の妻、白州正子。華族の次女として生まれ、裕福な家庭で育ちながら、自由奔放、独自の価値観で生き抜き、結婚。夫について世界をめぐり、審美眼をみがいていく。やがて全国の寺社を訪れ、日本の伝統的な文化を探求していった彼女の振り返る半生とは… 一昨年からぼちぼちと美術館に通っています。今月末から「白洲正子 神と仏、自然への祈り」が始まるので、その下準備のために自伝を読んでみること... 続きを読む »
白州正子著「白州正子自伝」新潮文庫(1994) 白州次郎の妻の自伝。どんな人が白州次郎の妻だったのか興味があり呼んだ本。各々、お互いに頼ることなく自立した人生を生きていたんだなと感じた本であった。 * 開眼なんてことはいっかいこっきりのもんではなく、一生繰り返しているうちに、ほんとうのものが見えてくるのではあるまいか。そして、めぐりめぐった挙句のはては、そんなものはない、とも言えるので... 続きを読む »
2010/3/5
・こどもは、美しいものはずっと覚えている
・アメリカ人は、「法律は人間が使うもの」と理解している
・昔は、歌舞伎の掛け声で、役者の妾が住む街を言ったりした
・六百年の歴史は伝統の苦しみを能役者に強いており、
自分の芸と引き換えに人生そのものを美神に
召し上げられている。
・陶器は政を現す
・ペルシャ陶器は通り抜けの美術。シルクロードの中国と
ローマの間。
母親の影響から偶然しったこのお方。全てハイカラなこの白州正子さんの生活からして、この教養が生まれ、しかも性格もおてんば。日本の古き良き時代がすごくよく理解できて、夫の白州次郎さんの事も興味がわいた一冊。






