金平糖の味 (新潮文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101379111

作品紹介・あらすじ

家のおやじは金平糖のおやじ、甘いなかから角が出る-。亡くしてから知った親孝行の意味。本物以上に多くのことを教えてくれた贋物の骨董。初めて拝むということを体験した十三歳の伊勢詣で。「自分の色」を見つけることの難しさ。数々の失敗の末に実らせた"韋駄天お正"の人生観とは。忘れ得ぬ人々や旅の思い出、惚れこんだものを深い洞察で捉えたユーモアあふれる名エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 率直さ、強靭さ、造詣の深さ、つつましさ、それらにも増して感じるのは足元の安定感ではなかろうか。これでブレていたとは私には思えない。

  • 日本語はここまで美しい。
    生活は尊く、生命は自由で、死はお隣さん。丁寧に見つめたいものがたくさんあると思った。
    正子さんの他の本も読んでみたい。

  • 人生観から骨董や能楽、家族や友人達の事まで。様々なテーマで語るエッセイ

    文章は軽やかでとても読みやすい。能楽の幽玄の世界に浸る様子を読んで、白洲さんの解説付きで能楽を見たい、と思う。
    愛蔵の骨董品や絵画の写真も掲載されているが、カラー写真でないのが非常に残念…糸数ウナリさんの絵や勾玉や古代ガラスは特に、写真を載せるのならカラーだろう…と思うので星1つマイナス。

  • 能や骨董など趣味の深さが感じられる文

  • 樺山資紀の孫とは知らなかった。

  • 伯爵家の娘は、お姫様と言います。
    世界感が違います。視点が違うことが気付きに繋がり、面白さに。
    近くに居たら、絶対、五月蠅くて面倒なバアさんだと思う。
    白洲次郎は、湯呑みを贈り、バアバと書いたとされるが、ババアだと思う。

  • 暮しの中の美での一文
    鑑賞とは、たびたび言いましたように、手をつかねて物を眺めたり、人の説明を聞くことではなく、自分でそれを作った人の行為に参加することをいうのです。

    値段が高い低いとか、本物か偽物かとかは置いておいて、とりあえず自分が好きなものを思いきって買う、そして始終傍においておく。すると自然と偽物のにおいが分かってくるようになる、という話。

    骨董品の話だったが、骨董に限らず、いくら勉強しても、頭でっかちになるだけで、結局行動しないと、体を使わないと身につかないよ!と言われているような感じがして印象に残った。

    何事のおはしますをば知らねどもでの一文
    何事のおはしますをば知らねども
    かたじけなさに涙こぼるる

    白洲正子自身が13歳の時に初めて伊勢神宮に参拝したときの気持ちをこの歌は語っているように思う、と振り返っている。

    自分が伊勢神宮に参拝したときに感じた気持ちを何とも言い表せずにいたが、この本を読んでこれだ!と思った。

  • 白洲正子の著作は、半年に一度ぐらい、読まずにはいられなくなります。モノに対する審美眼を教えてくれるだけでなく、渇を入れて、襟を正してくれるから。「金平糖の味」は、ごく初期の作品も収められていて、まだ荒削りで熱い文章を読むことが出来ました。夢殿の厨子が開かれたとたん、思わず泣き出してしまった、というエピソードに心を打たれました。

  • 白州正子さんの文章は初めて読むのだけどとても心地好い
    ドラマで中谷美紀さんが演じた白州正子さんはエキセントリックだったけど
    このエッセイからはそういうふうには感じられない
    年を重ねてから書いた文章だからかな

  • この人の本は初めて読んだが、とてもよい文章で、含蓄がある。

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著者プロフィール

1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。

「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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