下町不思議町物語 (新潮文庫)

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著者 : 香月日輪
  • 新潮社 (2012年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101381619

下町不思議町物語 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 路地の向こうの不思議な町――ああなんて素敵な響き。
    大好きな柏葉幸子さんの『霧のむこうのふしぎな町』を思い出させるキィワードにまず惹かれて手にしたのだけど、読んでよかった。

    主人公の直之は大阪から転校してきた小学6年生。
    大きな病気のせいで、成長の遅れがあるが毎日を元気に過ごしている。
    彼の元気のモトは不思議な町の不思議な住人たち。
    なかでも同じ関西弁を話す高塔を「師匠」と呼び、懐いている。
    常に着物に煙管の彼の肩書きは修繕屋(リペアラー)。

    師匠の家には不思議なモノがいっぱいで、なんとトトロ(小)までいる!
    ネコバスならぬネコ○○も出てくる!!

    毎日通ってくる直之を受け入れる高塔がとても自然で、注がれる眼差しは温かい。
    直之が自身の遅れ(読み書きがニガテ、食事が遅い、食べ物をこぼすなど)を気にしないようにかける言葉がどれもさらりとしているのに優しい。
    また直之も素直で何事にも一生懸命で、かわいい。

    「不思議な力で解決☆」だけではなく、高塔・花野・クラスメイトたちのちゃんと直之を見ているからこその言葉を聞き、祖母と父親がいかに自分たちが直之に向き合っていなかったかに気付く、というのがよかった。

    他のシリーズとも繋がりがあるようなので、そちらも読んでみたい。

  • 妖怪アパートシリーズの方だったので、ブックオフで見かけて購入。
    香月さんワールド健在。
    主人公の小学6年生の直之が、一生懸命でけなげで。
    病気で色々と遅れがある直之が、自分の息子と重なって、ウルウルだった。

    「お前は病気をして発達が遅れているのが、今のお前の自然な姿で、お前のそういう事情を察するのは、相手も仕事や。相手が頭のええ奴なら、何か事情がありそうやなとわかってくれるし、頭の悪い奴は、お前の事情を説明したところでわかってくれへん。どの道、お前はなにも気にせんと、今のお前らしく堂々としてればええんや」

    このことばに、直之は頭がすっきりしていくのだけど、
    私も、そうやなと、ホッとした。

  • さすがの香月ワールド炸裂です。
    妖怪アパートからのファンなのですが、薄くてサラッと読めてしまう上に、登場人物に…あ、あれっ?!見覚えが( •̀ .̫ •́ )✧

    短期間ではありますが主人公の少年の成長と、少年の心の素直さに周りの大人がどんどん引き寄せられて行く気持ち良さ!笑
    そして、少年を温かく見つめる不思議町の面々。

    ほんっとに、香月ワールド大好きです(≧∇≦)

  • お話としてはファンタジックで、挿絵マンガな感じで、著者の「妖怪アパート」シリーズのちょっと児童向け版みたいな感じでしょうか。
    ところどころに宝石のようにいいセリフが散りばめられています
    「お化け屋敷にて」で高塔さんの言う言葉がとても印象的でした。
    主人公の少年にある、ちょっとした事情による人との違い、に対して「そういう事情を察するのは相手の仕事。頭のいい奴はなにか事情がありそうだとわかってくれる、頭の悪い奴はお前が説明してもわかってくれない、だから自然なままで堂々としていろ」と。
    確かに説明しないと、相手のことを思いやれない人に、いくら言っても伝わらないのかも知れません。
    非常に私の勇気になったセリフでした。

  • 読み終わりました!…良かったです。:゚(。ノω\。)゚・。
    今まで香月日輪さんと村山早紀さんの作品を読んでいて気づいたのですが、
    意外な共通点を発見してしまいましたo((〃∇〃o))((o〃∇〃))o
    それは。。

    香月さんの作品も村山さんの作品も、どちらも
    この作品にあの作品の登場人物がいて、この作品にはあの人がいる…この人もいる!!!と
    本を読むたびに嬉しい発見があることです♡♡

    妖かし達や不思議な人々と人間が暮らす物語!!
    不思議な物語なところも似ています////
    二人の作家様のどちらの作品も読み終わった後は
    温かい気持ちになります(〃^ω^〃)


    さて。。ここからは本の感想を(笑)
    古本屋さんが出てきたときは驚きました!
    もしかしてと思ったら、やっぱりそうみたいで嬉しかったです♡他にもあの人物も!

    解説を読んだら…高塔さん。。
    『大江戸かわら版』にも出てたっけ??
    これから出てくるのかな?それとも見逃しちゃったとか!?
    謎が残りました(笑)

    実は最初。。表紙を見たら、髪型が雀に似ている!
    大きくなった姿かなと思ってました(∀・;)
    違うんですね。。


    大阪弁はやっぱりイイですね!
    久しぶりに本の中で大阪弁を喋る人に出会いましたww
    あさのあつこさんの『The MANZAI』以来です////

    大阪弁といえば。。
    コブクロさんのお二人を思い出します♡


    イラストが時々出てて嬉しかったです!
    3話は。。カカシ先生か!?と突っ込まずにはいられなかったです(≧ω≦。)プププ

    この本。。続編出るのかな??
    出るかもしれないと書いてあったけど、もし出たら嬉しいな♪
    カカシ先生みたいな謎な男の人や高塔さん…
    読んでいて、もっと登場人物のことが知りたくなりました!

    人間関係もこれからどうなっていくのか気になりました(〃▽〃)
    喫茶店に香月さんの作品の中から、古本屋さん以外にも
    意外なお客さんがこれからどんどん増えてきたらもっと嬉しい~♪
    ポーとか絶対いそう(≧ω≦。)プププ
    猫のいる喫茶店に猫が。。

    …なんて想像をしてしまいましたww

  • 子供向けだけど大人も童心に帰って楽しめる作品。夏、夏休みに読むのがお勧め。下町のノスタルジックな雰囲気、妖怪の程よい不気味さ、個性的で魅力的なキャラクター。短くて読みやすくきれいにまとまっている。ちょっとした暇な時間に読んで温かい気持ちになれる素敵な作品。夏休みの宿題、読書感想文で何読もうか困っている子におススメ(笑)

  • 主人公が小学生だからか
    『妖怪アパート』シリーズにあるBL感は鳴りを潜めていて
    いい匙加減だった。
    香月さんの話はこのくらいの匙加減で読みたい。個人的に。

    そこらじゅうに素敵な言葉が転がってるのは『妖怪アパート』同様。
    主人公に背負わせる苦難の重さも然り。
    5章『破られたもの』は読んでいて泣きそうになった。
    『妖怪アパート』に出てくる古本屋さんがいい味を出していてよかった。
    さり気なくるり子さんのことも出てきたりしてニヤニヤ。
    というかここまでト○ロのことに言及しまくってジ○リ的には大丈夫なのだろうか(爆)。

    この不思議町の物語、続いてほしいような気もするが
    このテンションで納めてほしいような気もするし。
    …複雑。
    取り敢えず、高塔さんが大活躍だという『大江戸妖怪かわら版』シリーズは読んでみたい。

  • いいねえ 大人がおとならしく
    子どもが子どもらしい。

    両親の離婚で東の街に引っ越してきた少年直之。
    学校もお家も楽しくない、しんどい。
    そんな少年直之が迷い込んだのは
    不思議な町の不思議な人達。
    リペアラーの高塔を師匠と呼ぶ少年直之。
    毎日訪れるその場所で少年直之は、
    成長する。

    高塔師匠のような目で人間を見られたらどんなにいいだろうか。
    自分がそうなる、というよりは
    子育てにしんどかったり
    人間関係にしんどかったり
    そういう人がそんな時に
    出会える存在があればいいのに、と思うのだ。

    あー、私もトトロが見てみたい。
    高塔師匠にいろいろリペアしてほしい。


    軽快な大阪弁がとってもいい感じ。

  • 大阪から東京へ、親の離婚で引っ越してきた直之と、不思議に出逢った不思議な町の住人・高塔と、直之の家族と不思議な町の住人と。
    日常と不思議がいっぱいの、きらきらした物語だった。
    後半を電車の中で読んでいて、不意に泣きそうになった。
    成長であるとか、絆であるとか、いろんなモノが詰まっているけど、わたしは何より直之が羨ましい!(笑)
    沢山の気持ちを抱ける、人に教えたくなる本だった。

  • 本屋さんで別の本を探している時に発見した1冊。
    以前より香月さんの本は大好きで色んな本を買いあさっていたのですが
    それまで集めているシリーズとは違うなと思ったらもう手にとっていました。

    香月さんと言えば、ありきたりな日常の中に寄り添う不思議の数々。
    私はそんな印象を持っているのですが、この作品もまさにソレでした。

    本の中で、主人公の少年がソレをこう表現してました。
    『トトロの家のような』『サツキとメイのような』
    ジブリ作品に馴染んでいる私としては、とてもイメージしやすい表現。

    子供は気付くけど、大人になるにつれてなくしていくモノだったり
    気付けなくなっていくモノだったり、そういう不思議がソコにあるのが
    とっても魅力的な町で、少年が1つ成長するお話。

    少年はとても聡い子で、周囲の感情の方向や自分の立場をきちんと理解して
    その中で出来る限りの精一杯を続けている子。
    そんな子の視点で書かれた物語は、冷たい現実とリアルな危険
    本当ならどこにでも存在する温かい家族の絆が描かれているのではと思います。

    最近涙腺が緩いので、少年が家出をしてしまうシーンで泣いてしまい
    そのままボロボロと(笑)

    でも、最後には笑ってしまえるというか笑顔になれるのが良いなー・・・。
    見所はやはり・・・最後の家出した少年を発見する○○のシーンですかねぇ・・・。
    これは、是非読んで欲しい、少年もそこで吹き出してましたが、
    同じように吹き出すこと間違いなしです(笑)

    ちょっとした不思議な空間に紛れ込んでみたい人にオススメだと思う1作。
    そんなに分厚くもなく、元々が児童文学がベースの方なのであっさり読めると思います。
    是非、お時間がある方は読んでみてくださいませ^^

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下町不思議町物語 (新潮文庫)の作品紹介

西の方から転校してきた小学六年生の直之。病気のせいで体が小さくても、方言をからかわれても、母親がいなくて厳しいおばあちゃんに辛くあたられても、挫けない。彼が元気なのは、路地の向こうの不思議な町で、師匠とその怪しい仲間が温かく迎えてくれるから。でも、ある日、学校でのトラブルがもとで直之は家出する。おばあちゃんとお父さんは、直之との絆を取り戻せるのか…。

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