トリックスターから、空へ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101383514

作品紹介・あらすじ

私は何者なのか-。自分の居場所を探し続ける爆笑問題・太田光が真摯に綴ったはるかな思い出や日々の出来事。バレンタインデーが嫌いになった中学一年生のあの日。カポーティの小説『冷血』に衝撃を受けた20歳の頃。政治家やマスコミが唱える「テロに屈するな」という言葉への違和感と懐疑。世の中に彩を添える"道化"として現代を見つめる鋭い視線は、ユーモアに満ちている。

感想・レビュー・書評

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  • あ、「愛想」と「読書」の部分しか読んでないので、なんだこいつと思ってもお許しください。

    この筆者にはものすごく共感できた。一言の言葉、ほんのわずかな言葉でも人は変わっていく。
    それはいいことでもあるし、悪いことでもあると思う。私は人の言葉によって良い方へと変われる人でありたい。素晴らしい偶然に出会うために、環境を整えたいと思った。
    読書についての筆者の考えで「心の支えを奪い取るもの」とあったが、その発想に驚かされた。私にとっても読書は筆者にとっての読書と同じような『癖』であるが、私にとっては自分の心に積み重ねていく、溜めていくものなのでそこが異なり、興味深かった。

  • 爆笑問題・太田光のエッセー集。
    書かれたエッセーの日付は、2004年1月から
    2006年10月まで。

    太田光の熱さ・しつこさは、実はワタシは
    嫌いではない。この本でも存分にそれらを
    発揮していて、期待通り!

    熱い・しつこいというのは、実は、自分の軸が
    ずれていないということの裏返しなんでは
    ないか。軸がずれていないから、同じような
    内容や主旨の繰り返しになり、しつこく感じる
    ということではないか。
    彼の持論の展開を前にして、そんなことを
    感じた。

    そして、その彼の軸というのは、前書きにある
    とおり、『私は、遠い未来の人々が「大好き
    な時代」と呼ぶ時代に生きた人になりたい。』
    というもの。

    だから、「戦争」や「平和」に関するエッセーが
    多くなるのも至極当然のこと。


    少し理想論すぎる感じもするけれど、そんな
    指摘をすると、「文字にして、言葉にして発し
    ないと、実現するものも実現しない。理想を
    頭の中だけで思っていちゃ実現するわけが
    ない」なんていう反撃をくらいそうだ。

  • 【本の内容】
    私は何者なのか―。

    自分の居場所を探し続ける爆笑問題・太田光が真摯に綴ったはるかな思い出や日々の出来事。

    バレンタインデーが嫌いになった中学一年生のあの日。

    カポーティの小説『冷血』に衝撃を受けた20歳の頃。

    政治家やマスコミが唱える「テロに屈するな」という言葉への違和感と懐疑。

    世の中に彩を添える“道化”として現代を見つめる鋭い視線は、ユーモアに満ちている。

    [ 目次 ]
    前書き
    ある夜の話
    二十歳の頃
    竜馬と土方
    バレンタインデー
    愛想
    読書
    街の灯
    従順
    覚悟〔ほか〕

    [ POP ]
    イラクで人質事件が起こった2004年、日本が戦後60年を迎えた05年、ライブドア問題に揺れた06年、爆笑問題・太田光は何を考えていたのか。

    戦争と平和、衝撃を受けた本、日常でかわされた何気なくおもしろい会話、少年の日のほろ苦い思い出まで。

    この世界に彩りを与える“イロモノ”という視点から語ったエッセー集。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]

  • 太田光という人は本当に何者なのか…という感じ。芸人だけど、ここまでいろいろなことを考え、自分の言葉として発信出来る頭の良い人だと思った。

  • 太田さんの深い洞察力に驚きました。日本とアメリカの関係や日本が世界の中で果たすべき役割など、こんなに深く考えている芸人さんがいるんだと思って、もっと私もニュースをアナウンサーや解説者の意見を聞きながらも、ちゃんと自分の意見を持つようにしようと思った。

  • 【太田光という男】

    爆笑問題の太田光はなんか違うらしい。そう中学生の時に僕は思った。それから彼の本を読み漁っていた時期が合った。いつの間にか、彼の主義主張を忘れていた。たまたま目に付き久しぶりに彼の本を読んだが、いまだに若くて青くて少し五月蝿いなあと思いつつも嬉しくなった。

    伊集院光に太田光、宇多田光と、僕は光るものが好きなんだな。

  • またしても太田光の著書。彼の類まれな文章力には毎回驚かされる。この作品は、当時の政治や国際情勢に対する彼の意見・主張が多い。私は彼の人となりを知りたくて、手にとったので、思っていたものとは違った。
    彼の好きな文学作品の紹介、評論などが語られる章が個人的には好きである。

  • あとがきで著者本人も書いてるけど、同じことを繰り返しすぎていて食傷気味。梗概に書かれているような、著者本人の思い出話などを期待したけど、ほとんどなかった。編集者の苦肉の策として理解は出来るが、やはり裏切られた感は否めない。

    我々は誰と話す時だって、相手を多少擬人化しているのではないだろうか。人に対して擬人化というのもおかしな表現だが、我々は人を認識する時、その人の全てを確実に把握することなど出来はしない。相手の言葉や表情などを手掛かりにして、自分なりの解釈をして相手はこんな気持ちなのではないかと想像し、人物像を自分の中に作り上げる。これは擬人化ではないか。そして我々はリアルな相手ではなく、自分が作った偶像に近いものと話しているのではないだろうか。もしこの擬人化がなければ、人は人なんか愛せないのではないか。我々はそのままの相手を愛するように見えて、実は相手の言動をヒントにして、自分が想像して膨らました人格を愛するのではないか。だからこそ人は何かに愛情を感じた時、誇らしく、生きていることが喜ばしく感じるのではないか。それは自分を肯定することに他ならないのだから。そしてこの擬人化は、あらゆる領域で行われる。動物は勿論、道具にも、芸術作品にも、自然にも、国にも、時代にも、地球にも、宇宙にも、神という概念にも。

  • 太田光さんの本を読むのはこれで2冊目。日本だけでなく世界の社会情勢から自分の今までの人生に関する事に対しての考えがかなり深く書かれていて勉強になりました。けれど内容を忘れがちなので何回も読まないと理解できないかもしれない。

  •  酒井若菜が太田光の本がかけがえのない1冊的なことを書いていたから読んでみたけれど、さすが太田さん青臭い。
     でも、その青臭さは積極的に守ったものではなく、消極的に残ったものだったんだと思う。
     しかし、ある時から太田さんはそれを積極的に残そうとしたんだと思う。
     積極的に守ろうとしたものじゃないけど、それが自分の大部分を作っていると気づいたんだと思う。
    それが自分を背負うということなんだと思う。

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著者プロフィール

一九六五年埼玉県生まれ。八八年に田中裕二と「爆笑問題」を結成。二〇一〇年初めての小説『マボロシの鳥』を上梓。そのほかの著書に『違和感』『芸人人語』『笑って人類!』などがある。

「2023年 『文明の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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