キスカ島 奇跡の撤退―木村昌福中将の生涯 (新潮文庫)

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著者 : 将口泰浩
  • 新潮社 (2012年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101384115

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キスカ島 奇跡の撤退―木村昌福中将の生涯 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 戦時中にこんな撤退(救出)作戦があったのか。もっと詳しく知りたい。

  • 木村昌福氏が死の直前に書道塾の子供たちに宛て随想を書いています。「人の上に立ってものをするとき、部下の者に仕事の一部を任した場合、どちらでもよい事はその人の考え通りやらせておくべし。そのかわり、ここはこうしなければ悪くなるとか、ここで自分が取らなければ、その人に責任がかかるという時には猶予なく自分でとること。人の長足る者心すべき大事なことの一つなり」まったく同感しました。私はこの言葉を肝に銘じたいと思いました。

  • 先の戦争において、キスカ島撤退作戦を率いたある海軍中将(作戦当時は少将)の生涯。


    米軍の攻撃を避けつつ、島に残された兵士を救出するという困難な作戦。
    中将は「全員を無事に救い出す」ということにこだわり、一度はキスカ島目前まで来ていながらも「作戦中止」という決断をした。「引き返す」ことを知らないかのような当時の空気の中で、「引き返して出直す」と言うのはいかに大変なことだったか・・・。



    今更ながらだが、キスカと、やはり戦時中に日本軍が占領したアッツというのはアリューシャン列島にある島々。現在はアメリカ・アラスカ州に属する。なぜかわからないが、これを読むまでなんとなく暑いところを想像していた・・・(わたしが知らなかっただけね)。

  • 木村昌福という指揮官、そんな軍人がいたということを知れてよかったと思える内容。こんな上司がいたら、自分もこんな上司になりたいと思わせる魅力あふれる素晴らしい人だ。

  • キスカ島撤退作戦の功労者である日本海軍側責任者のノンフィクション。
    敗戦が決定し、負けっぱなしの戦況の中、ベストと言っていいぐらいの勝利を描いた作品。
    歴史だけでなくマネージャーのための参考テキストとしても十分価値あります。

    普段通っている本屋に平積みであったのですが、目に留まり購読しました。
    読んでみると、主人公木村昌福と歴史の流れとのバランスが良い作品。こりゃ平積みポジション維持できるのは間違いない!。
    そして、通っている本屋への信頼はさらに向上しました。

  • 連戦連勝で戦線を拡大したのも束の間、米国の圧倒的な物量と工業力の前に劣勢に立たされていく大日本帝国。
    なす術もなく命を散らしていく各線戦。
    しかし、敵艦隊に包囲され風前の灯火となっていたキスカ島から一人も残さず奇跡の撤退を成功させた司令官がいた。
    ノンフィクションの戦記物で、これほど爽やかな読後感を得られるのも珍しい。
    奇跡の撤退を成し遂げた司令官、木村昌福中将の人柄によるものでしょう。

  • 仕事をやり遂げても、何も言わない人って、昔、本当に居ました。

  • 木村さん、あれ結果が出ず先にやられてたりしたらこんなに讃えられることもなかったろう。
    それでもこの人物は凄いな。とゆうか陸軍の牟田口と対比されるけど、牟田口が人として酷すぎるのかも…
    航海長が判断に迷った時「まっすぐ行け」だとか、ハンモックナンバーの割に実力で中将までいったり、主計長に忙しい戦時でも人事しっかりやれと言ったこととか、陸軍に撤退の際に銃を捨てさせた話とか、ムダに命を奪わんとことか、そうゆうところが理想的な海軍の指揮官だなと思う。
    この本はキスカやアッツの戦いを結構詳細に述べていて、あまり知らなかったことをよく知れた。むしろ半分は木村さんよりこの二島のことだったよな。キスカのパーフェクトゲームの陰にはアッツで散っていった英霊達がいるのだ。

  • 二十年の小艦すまいも今はただ夢の如【ごと】くに思はるるかも
    木村昌福

     かつて、日本の海軍での出世は、兵学校卒業時の席次(ハンモックナンバー)で決まると言われていた。その慣例を崩したのが、木村昌福【まさとみ】。最下位に近い席次だったが、太平洋戦争下のキスカ島撤退作戦成功で、最終的に中将となった人物である。
     1942年、日本軍は、米国領のアッツ島とキスカ島を占領した。南方での苦戦から国民の目を逸らすための陽動作戦でもあった。
     だが翌年、米軍はアッツ島を攻撃。2千人を超える犠牲者が出た。「玉砕」の語の重みのなか、極秘で、キスカ島撤退作戦は進行。米艦艇の警戒網をかいくぐり、5千人以上のキスカ島守備隊を1人残さず撤退させる「ケ号作戦」である。その指揮にあたったのが、木村昌福であった。
     第1次作戦は悪天候のために断念。臆病だと、木村をののしる声もあった。けれども、その慎重な指揮が功を奏したようだ。第2次作戦では、1時間という短時間で見事、完全撤退を成し遂げたのだ。
     掲出歌は、日中戦争下、特設工作船艦長に抜擢【ばってき】された折の感慨。「小艦」での家族的雰囲気が性に合っていたようだが、大艦を任せられても、信頼する部下たちを無事に家族と再会させる努力を惜しまなかった。
     木村の上司ぶりを知り、話題の小説、百田尚樹「永遠の0【ゼロ】」を思い出した。戦場であっても人命を第一とする上司が登場しており、木村もまた、撤退を前向きにとらえ、人命を尊重した。そのような上司像が、今日求められているのかもしれない。

    (2012年12月9日掲載)

  • アメリカ軍をして「パーフェクトゲーム」と言わしめた、
    キスカ島撤退作戦の指揮官、木村昌福少将の生涯について記した本。

    キスカ島撤退作戦に至るまでの木村少将の人生や戦績を見ると、
    輸送艦攻撃に際しては、その乗組員が退艦することを見届けてから、
    撃沈していたりと、キスカ島撤退作戦が成功するべくして
    成功していたと思わずにはいられない。

    キスカ島撤退作戦の際も、第一次作戦時、
    「帰ろう。帰れば、またこれるからな。」と言って
    撤退したことから見えるように、その信念は徹底されている。

    勇猛果敢と言うタイプではないが、慎重に慎重に作戦を遂行し、
    命を大事にするこの様な指揮官がもっと日本に多かったならば・・・と
    思わずには居られない。

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キスカ島 奇跡の撤退―木村昌福中将の生涯 (新潮文庫)の作品紹介

昭和18年、壮絶な玉砕で知られるアッツ島の隣島キスカからの撤退は、完璧に成し遂げられた。陸海軍将兵5183名の全てを敵包囲下から救出したのだ。指揮を執ったのは、木村昌福。海軍兵学校卒業時の席次はかなりの下位。だが、将たる器とユーモアをそなえ、厚く信頼された男だった。彼の生涯と米軍に「パーフェクトゲーム」と言わしめた撤退作戦を描く。

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