- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101385327
感想・レビュー・書評
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薫くんシリーズ2冊目。今回は、由美ちゃんとの関係性に大きな変化が訪れるのか?と思わせる展開。結局この後、2人が正式に恋人同士になったのかどうかは分からないけれど、付き合いましょうそうしましょう、なんて口約束は必要ないのかもしれない。だって、薫くんは由美ちゃんの、由美ちゃんは薫くんの、心の片割れなのだから。
薫くんが自分自身と戦う様子は、今回も圧巻。でもね、そんなにずーっと色んなことを考えてたら、いつか気が狂ってしまうんじゃないかと心配になる。たまには、流れに身を任せてもいいんじゃない? -
庄司薫くんシリーズ2弾。薫くんは浪人で迎える春休み。相変わらず幼馴染の由美ちゃんとの攻防が面白い。由美ちゃんって繊細すぎる気がするけど、昔のインテリな女の子はみんなあんなだったのかな。それを言うなら今も薫くんのような男の子はいるのかしら。いたらいいなあ、と思いを馳せつつ再読。
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主人公薫くんの幼なじみである由美の物語の印象が強い。確かに彼女が大きな困難(?)に直面し、それを乗り越える話が大きなウエイトを占めるのだけど、実はむしろ、薫くんの成長の方がメインなのだと、再読をして初めて気がついた。もちろん、彼女も大きく成長しているのは確かで、感動的であるのだけれど。
また、ずいぶん昔読んで以来、あまり印象に残っていなかった薫くんの男友達たちのエピソードもなかなかおもしろかった。こちらの方は、こう言っちゃ何だけど、身に覚えがあるというか、その「トタバタ」ぶりは、とっても懐かしく共感できるのである。こうやって、ほとんど無駄と行ってもいいくらいの堂々巡りを、思い切り真剣にやっていたなって自分や仲間のことを思い出したりする。今だって別の形でやっているんだけどね。
でもやっぱり印象的なのは、薫くんと由美、それぞれの成長と関係。個人的には「お雑煮」の使われ方が、いかにも男の子のかっこ悪さを気持ちよく象徴していて好きだった。まあ、クライマックス(?)はとても印象的なんだけど、それはもしかしたら、僕自身はああいうかっこつけ方はたぶんできないって思うからかもしれない。今までちょっと余裕を持って眺めていたはずの薫くんが、すっと高いところへ行ってしまったような感じがすると言ったら言い過ぎだろうか。
魅力的な冗長文体は健在。「赤頭巾ちゃん気をつけて」に比べてやや控えめな気がするのは、物語中で流れる時間が長くて、その分事件が起こりやすく、結果的に思索を書き表すことがメインになる箇所が減るからだろう。小説としては、こっちのほうがずっと読みやすく感じた。 -
青い。青臭すぎる。でも本当は薫くんみたいな男の子、女子はみんな大好きなんだよね。それは時代が変わったって変わらないと思う。生きること死ぬこと真正面から立ち向かって悩んで大事な女の子を一生懸命守る。もがき苦しまないと見つけられない答えがある。そこから逃げちゃいけないってこと、薫くんから叱咤激励された気分で読了。
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庄司薫『白鳥の歌なんか聞えない』本筋とは離れるけど…前作では知性と感性と真っ向から対峙しようと四苦八苦していた小林くんが、どこまで本気かは分からんが便箋100枚ものラブレターとともに駆け落ち騒ぎを起こしちゃうところがすげーよかった。
ラストのモクレンのくだりも素敵。
ザッツ青春文学!って感じ。 -
2012.10.27読了。
全ての男の子が通る道である。あの人も、この人も、人生のどこかに「薫くん」的1ページは挟まっているのだと思う。