最後のおでん: ああ無情の泥酔日記 (新潮文庫 き 41-2)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101386324

作品紹介・あらすじ

おでんを食べ続けているうちに三日もたっていた。理由はわからない。それは、二〇人前も作ったからや! 見通しが甘く、意志弱く、やすやすと酒に溺れる独身フリーライターが、サボりながらも続けてきた日記。だが、ここにはきっとあなたの人生にとって大切なことが書かれている(かもしれない)。全国の酔っ払い女子たちの圧倒的共感を期待して堂々刊行。キミコの扉は夜開く。

感想・レビュー・書評

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  • 今作も面白く「あたし、生きてていいんだ」と勇気貰う(笑)

  • やってしまった、、、辛い時に読もうと思って読まずに頑張って積読していた北大路公子さんの本を読んでしまった、、、。

    昨日手に取ったはずなのに、もう読み終わるなんて

    北大路公子さんの本は、一人でできる最高の娯楽です

  • 北大路公子氏30代後半の日記。この人の本はやっぱり電車内で読めない。笑いをこらえきれずヘンな声を出してしまったり、笑うまいとして表情が歪んでしまうので。「もう冷えたビールはありません」てお店の人に言われるのって凄いと思う。

  • 魅力的なエッセイは数あれど、これほど短いスパンで読み返したくなるものは珍しい。
    文章ひとつ、言葉ひとつが美味しい。
    斎藤くんへの執拗な愛情、泥酔後の醜態、おでん破棄等、この文章でなければもう少し自重しなさいよと苦言も呈したくなるところ。
    なぜか嫌悪感どころか面白いと思う、不思議。

  • "姪っ子に語る物語や、コダマ(ぜひ本編をお読みください)みたいな話が好き。
    もちろん酔っ払い列伝、武勇伝も楽しい。
    通勤途中で読んでいると、マスクをしていないといきなり笑いだす怪しいオヤジになってしまうので要注意。"

  • 北大路公子さんの5冊目は「最後のおでん ああ無情の泥酔日記」(2015.1 文庫)です。斎藤くんという名前の猫が眠ってるときの観察(いたずら)が細かいですw。猫は穏やかで礼儀正しく寛容だとw。その愛猫は著者が39歳の時、19歳で天国に召されたそうです。20歳から19年間ともに過ごしたんですね。酒については、焼き肉屋でビール飲んでたはずなのに、気がついたらパジャマ裏返しに着て茶の間で爆睡してたそうです。この作品、自分を落として笑わせるサービス精神は健在なれど、面白さでは今一歩でしょうか~。

  • 『枕もとに靴』の続編。
    エッセイというか日記(元はインターネット上の公開日記サイトで書かれていたものらしい)なので、ひたすらキミコさんの日常が綴られています。
    それにしてもまぁ、生活に変化がないこと!書き方が面白いのでそれなりに楽しめますが、私はここのところ連続で読んでいるので、少し飽きてきました(でも、借りた本はあと1冊ある・・・)。

    個人的には親の話が好きです。母親が生協で間違って色々頼みすぎる話には笑いました。

  • この本には、徹底的に意味のないことが書かれています。
    はっきりいって無意味の集合体。
    人生をまじめに生きている人には、お勧めしません。
    あるいは憤慨する方もいるでしょう。
    本書は著者が自身のブログにつづった日記をまとめた「枕もとに靴」の続篇。
    私は両方とも買いました。
    公子さんは相変わらず昼酒は飲むわ、まともに仕事しないわ、猫と飽かず戯れるてるわ、ホント、見事なまでにダラダラと無為に日常を過ごしています。
    本人曰く
    「『暇』を『焦燥感』に変換する装置を搭載せずに生まれてきた」
    のだそうです。
    でも、暇を持て余すどころか愉しむ才能は天下一品で、それを表現する筆も冴えわたっています。
    謹んで一例をご披露いたします。
    □□□
    〈一月二一日〉
    やる気ねー調子わるー肩こったーとダラダラほざいていても日は流れる。仕方がないので、そのうちの「肩こったー」だけでもせめて解消させようとマッサージに出かけた。ここ二週間ほどで三キロの減量(ダイエットというより減量という言葉のせっぱつまった響きにひかれる)をはたした私に、顔なじみのマッサージ師さんが、
    「あれ、痩せましたね、触った感じが全然違いますよ。顔まできれいになって。お祝いに三〇分延長しましょう」
    と身体を揉みしだくなり言い出したらどうしようかとドキドキしながら赴いたのに、全然そんなことはなかった。無言で揉まれて終了。
    帰り際に受付ノートを覗くと、「希望コース(二〇分とか四〇分とか)」を記入する欄に、「六七」と明らかに年齢を記入している人がいて、それ以降の訪問者に「五五」「四七」「三六→二〇」などの混乱をもたらしていた。秩序は悪意と無法によってのみ失われるわけではないのだ。
    □□□
    どうですか、このユーモアとキレッキレの文章。
    ほれぼれするじゃありませんか。
    私は先に「意味」と書きました。
    でも、「意味」とは何でしょう。
    そもそも生きることに「意味」など必要なのでしょうか?
    本書を読んで、改めて考え込んでしまいました。
    うそ。
    考え込んでなんかいません。
    ひたすら愉しみましたよ、ええ、そら、もう。
    世界に背を向け、孤高の道を歩む公子さんを全力で応援しています。
    なお、公子さんは札幌在住。
    北海道の宝です。

  • 『枕もとに靴』よりは読みやすい気がした。何年経っても浴びるようにお酒を飲んで失敗して。ただの泥酔者の日記が面白いのはキミコさんのキャラだけでなく、周りの人々も面白いからだろう。キミコさんの身体の心配をしつつも、まだまだこの人の本を読みたいと思わせる文章力。

  • 点滴中に読了。ハム子さんの泥酔日記、後編。現在は日記の更新はなくなり、日々のつぶやきはTwitterになってるけど、テレビ漬けと朝ドラへの毒吐きは面白いけど、この日記のような面白さはなくなっていて、何だか淋しい。解説にもあるが、ハム子さんの小説、是非読みたいものだ。

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著者プロフィール

1960年代、北海道札幌市生まれ。文筆家。2005年、ネットの公開日記をまとめた『枕もとに靴――ああ無情の泥酔日記』で寿郎社からデビュー。著書に『最後のおでん――続・ああ無情の泥酔日記』『ぐうたら旅日記――恐山・知床をゆく』(以上、寿郎社)、『生きていてもいいかしら日記』『頭の中身が漏れ出る日々』『すべて忘れて生きていく』『私のことはほっといてください』(以上、PHP文芸文庫)、『ロスねこ日記』(小学館)、『いやよいやよも旅のうち』『石の裏にも三年』『晴れても雪でも』(以上、集英社文庫)など。

「2020年 『ハッピーライフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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