脳を鍛える: 東大講義「人間の現在」 (新潮文庫 た 59-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (526ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101387253

感想・レビュー・書評

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  • 自分の教養を鍛えるためにちょいと背伸びして、
    立花隆にチャレンジしてみました。
    立花さんの東大での講義がもとになった本です。
    細かい話ははっきり言って理解できず。。(泣)
    脳の話とか、フランス文学の話とか、一般相対性理論の話とか…。
    一冊の本にここまで多様なトピックが
    ちりばめられていること自体、非常に興味深いです。

    でも。
    何て言ったらいいのか、すごく自分の心に響いてきた本でした。
    大学生になって自分も悩み考えてきたことが、
    どうやら立花さんも二十歳のころに考えていたようで。

    こんな授業、受けてみたかったかなー。
    多分、理解できずに寝てしまうんだろーなー(笑)

  •  この本はまだ1996年の夏学期に東大の教養学部で立花隆氏が行った「人間の現在」というテーマで行った講義がベースとなっている。
     結論的にはとても勉強になった。文系の人間が現代社会のさまざまな知識の基となった原理や法則について何も知らない。日本の教育自体が殆ど19世紀以前のことしか教えていない。
      この本は人類が長い時間をかけて獲得してきた重要な知識をわかりやすく教えてくれる。

  • 時間があれば

  • 文系でもなく理系でもなく、教養として領域をまたがって様々な知識を身につけた人物。とりわけ、多様な価値観と共に、混迷の時代を生きる現代人のあるべき姿なのだろう。

  • この著者は何かを創造したり成し遂げたりした人ではないが、何かの知識を希求するパワーは周囲の人に迫力を感じさせる。ある知の対象に自らのめり込み、それに周りの人間たちも無理矢理引きずり込まれてしまう。最近勉強しなくなったと言われる大学生にとって、この人の講義は強烈なインパクトを与えているのかもしれない。

  • めっちゃ博学なんだな、この人は。読書量ハンパない。知の統合ってのはなかなか難しいけども、おれも分野に関係なく興味引かれることを知っていきたいな。

  • 内容が濃い。よくぞこの広範な話を一冊にまとめたものだと感心させられる。
    そしてまた、自分はまだまだだなぁと感じさせられた。

    読後の知的欲求に対する絶望感と焦燥感が尋常ではない。

  • 立花隆の知識に対する哲学の本。

    大学論から文系理系の対立などまさに専門がないことをよしとする立花隆的哲学の体現と思う。

    立花隆の読書量に圧倒されるが、それよりも「授業はサボるためにある」にずっこけて親近感をいだけることが素晴らしい。

  • 文系だからって科学を軽視してはダメ。

  • 見回りの警備員に対して、教養がないから授業の重要性をわからず、時間を過ぎたら追い出すばかりで続けさせてくれない、と言うのは間違っていると思う。そういう契約で頼んでいるのはあくまで大学だし、話を人の教養の有無まで引き戻して考えるのは卑怯だ。

  • 内容は盛りだくさんだが、テスト氏、対称性の破れが面白かった。特に立花氏が留年していたのには驚いた。

  • 脳内にはシナプスと呼ばれる神経ネットワークが張り巡らされており、このネットワークの密度が知的レベルに関係しているらしい。
    知の巨人、立花隆は東大生へ教鞭をふるっていた時代があり、学生達へいかにこのネットワークを高めるかを様々な見地から伝えている。

    その中でも僕にとって興味を引いたのが脳の「角回」、「39野」という部位についての話だった。
    ここは人間が最も発達させた部位であり、発育過程で最後に成長が見られる部位だそうだ。その成長は生涯に渡る(鍛えないと生涯減少する)

    この部位を発達させるには刺激的な環境に身をおくことがポイントだそうだ。立花氏は学生達に挑戦することをメッセージとして打ち出し講義を終えているが、僕にとっては「仲間や友達、家族と濃密な時間を過ごす事が脳の発達に役立つ」という内容として理解した。

    社会人になると自由な時間はある程度限られてしまう。学生時代と違い共有出来る時間は限られる。
    だから、過ごせる時間は濃密にし有意義なものとしたい。特に友人達はしかりだ。

    そのためには計画を立て、新たに挑戦する内容を盛り込むなど前向きな準備をする事が必要だろう。また、共感出来たという体験も含められればなお良い!これを計画するには前頭葉と呼ばれる部位の力をふんだんに借りなくてはならない。この部位も人間が発達させた特徴の一つだそうだ。

    つまり友人や家族と濃密な時間を過ごせる努力をすることは脳の各部へ刺激となりかつ、想いで深い体験へと繋がる可能性が高い。
    素晴らしい‼人間の脳みそはファンタスティック!人生って良く出来てるなぁ^ ^

  •  立花 隆が宇宙、生命、最先端科学、大学生活の知恵と多岐にわたり東大生に講義した内容である。専門分野が深くなりすぎたことで、専門以外の知識は中学生並みである。そのことによる弊害を払拭すべく、大学生は高校時代の10倍勉強しなければいけないと著者は言う。日本の教育制度のあり方ではそれも叶わない。そうなると個人の知識欲に頼らざるおえない。21世紀を迎え膨大な知識を吸収しなければいけないはずが、現状、一般人が学ぶ数学などは18世紀で学んだ程度の知識どまりだそうだ。知識は増える一方だが、その知識は一部の人たちのもの、ただ、学ぶ姿勢があればいくらでもその機会は与えられる。なのにもかかわらず、多くの現代人は耳と目を閉じて知らないふりをしている。

  • 脳は刺激を与えなければ衰えていく。ラットの実験。文理問わず幅広い知識を吸収し、マクロ的視点を身につける。そうすれば世界を知ることができる。

  • 知の巨人。そう比喩したくなるほど著者は多くの物事に深く精通し、理解している。

    ポール・ヴァレリーの実存主義解釈から近代の相対性理論、量子力学に至るまで、文理の壁を越えて、その知的探究心はとどまることを知らないかのようである。

    正直に、ぼくはこの本を半分も理解することができなかった。もちろん様々な思想、理論は十分な注釈とともに噛み砕いて平易な日本語で書かれている。しかし、ただ本書を読んだだけでは本当に薄い表面の理解しかできないと思う。多くの分野に渡る膨大な量の問題を500ページ強で収められたのは、ひとえに筆者の力量であり、これを真に理解するためにはおそらく原書にあたって理解していくしかないだろうなという思いを抱くと共に、その遥か遠い道のりに軽く挫折してしまった。

    こういった学問の広がりが世の中には存在するということを知れたことで良しとする…苦笑

  • 立花隆著。2000年。東大での講義をまとめたもの。宇宙の話題から脳の科学、古典文学や哲学など、知の巨人と呼ばれる著者がいろいろな分野に触れながら講義を進めていく。超一流のジェネラリストは、文系理系といったカテゴリは関係なく、その両分野を全体的に極めていくことで作られていくことがよくわかった。学生時代を含め、若い時代にいろいろな刺激を受けることで人間が成長していく。友人や先生、テレビの世界にある人物や本書など、刺激のもととなるものは何でも良いが、とにかく感銘を受ける何かに接することが一番の成長の材料となる。

  • 脳を鍛えることは、自分の生き方を鍛えること。人生を磨き上げること。単なる知識ではなく、教養に裏打ちされた自分の考えをしっかり持つことから、その一歩は始まる。

  • 06.8.13

  • 世の大学一年生に読んでもらいたい本。立花氏の知識の広さには脱帽するばかりである。まさに教養本。これからどのようにして自分の知的世界・精神世界を作り上げていくかの指針となりうる。

    筆者は、これから20代前半が脳味噌構築に重要な時期であるが、現在の知の世界は文系理系の壁が大きくできており、あなたたちは両方の世界をしっかり理解し、判断できるように教養を身につけなければならない。と主張しているように感じられた。
    様々な実例を盛り込み、上記の話を進めていく。

    その中の話の一つ一つが十二分に専門的で、面白い。
    ポールヴァレリーの「知的クーデター」、宗教戦争時のエラスムスの観察者としての立場、アインシュタインの脳の話、教養学部の歴史、相対性理論、熱力学第二法則に対称性の破れ等々。

  • 読書することの楽しみを教えてくれた本。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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